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子供から愛を学ぶ

先日、たいくんと一緒にランチをしていたら、隣りの席にいた、70代くらいの女性4人組のうちの1人が、おもむろに机の上に、個装されたあめちゃんのような小さなお菓子を、ザッとばら撒いた。

そして全員に一枚ずつビニール袋を配ったかと思うと、全員の数が同じになるように、それぞれの袋の中に、素早くお菓子を数個ずつ入れていった。

何という手慣れた手つき...

たいくんを見ると、たいくんもその様子をじっと眺めながら、ニコニコと微笑んでいる。

すると、たいくんが私に言った。

「お隣りに座ってる、お年を召したネェネ、何を配ってるんかな?」

「うーん、あれはあめちゃんか、チョコかなぁ。えらい、大胆やなぁ(笑)」

その後も、ニコニコとしながらじっと女性たちを眺めているたいくん。

どうも中身が気になって仕方ないらしい。

しばらくして、そのことも忘れて、2人でおしゃべりしていたら、ふっと声をかけられた。

「ぼく、これよかったらどうぞ♡おすそわけ。おばちゃんも、お友達のおばちゃんにたくさんもらったから♡」

さっきの女性の1人が、たいくんがニコニコ顔で見ていたことに気づいていたのか、さっきのお菓子を2つくれた。

たいくんが、ニコニコ顔で「ありがとう♡」と受け取ると、女性たちは満面の笑みで、「いやーん、可愛いなぁ。ぼく、ありがとう♡」と口々に返してくれた。

「おばちゃん」のことを、普段から「お年を召したネェネ」と呼ぶくらい、おばちゃん大好きなたいくんは、ネェネたちに優しい言葉をかけてもらい、デレデレと嬉しそうにしている。

女性たちもまた、小さな男の子の笑顔にえらく癒されているようだ。

そんな風景を微笑ましく見ていた私は、はっと気づく。

な、なんだ、この眩しいほどの愛の循環は。

さっきまで知らない者同士だったはずのたいくんと女性たちの間に、こんなにもあたたかい愛が広がっているではないか。

たいくんも、お年を召したネェネたちも、みんなめっちゃ幸せそうじゃないか。

何なら、私もめちゃめちゃ幸せな気持ちになっている。

私1人だったら、この愛を感じることはできただろうか。

愛溢れる子供たちは、誰に何を教えてもらわなくても、地で愛を与え、愛を引き寄せ、愛を循環させることを知っている。

私も、たいくんのように愛を溢れさせる生き方に還ろう。

息子からまた一つ愛を教わった、昼下がり。

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