機能と情緒と意味と物語と ~ 価値があるとはなにか? ~
大それたテーマを掲げてしまったものだなと思いますが、この2019年の経験と2020年の計画は、この「価値があるとはなにか?」という問いに還元されるような気がするのです。
だから、今この節目のタイミングで書いておきたい。ほとんどメモのようなものですが、それでも皆さんの考えごとにちょっとでもインスピレーションが加われば幸いです。
まずは、「価値がある」という(微妙な)言い回しについて考えてみます。
「価値がある」から「価値を見いだせる」へ
「価値がある」という言葉は、モノを中心にした見方を表しています。つまり、そのモノ自体になにか本質的な価値があって、誰から見てもその価値に同意できるようなイメージ。
でも一方で、いまは同意が得られない価値というのもありますよね。価値観やライフスタイルが多様化してきたことで、全員が「これには価値がある」と必ずしも言えない場合がでてきた。
だから、価値について考えるとき、モノに「価値がある」という言い方で機能性に着目するだけじゃなく、あるヒトがそのモノに「価値を見いだせる」という言い方で関係性を取り出さなくてはいけなくなったのだと思います。
価値がある →機能性
価値を見いだせる →関係性
では、どんなときに私たちは「価値を見いだせる」のでしょうか?
このことを理解しておくと、自分が誰かに価値を感じてほしいときの行動指針になるかもしれません。例えば、事業を作ったり、ブランドを構築したり、仕事を得たり、コミュニティをデザインしたり、いろんな場面に効くんじゃないかな。
ということで、価値の種類を4つに分類してみましょう。
①機能的価値
わかりやすい価値として、機能的価値について触れておきます。ご飯を食べれば熱エネルギーになるとか、腕時計をつけておけば時間が正確に分かるとか、自動車に乗ると速く移動できるとか、そういった数値化(カロリー、正確さ、速度など)しやすい価値のことです。客観化できる価値であることから「価値がある」と同意が得られやすい価値です。
②情緒的価値
先に挙げた機能的価値のなかでも特に「嬉しい」「楽しい」「感動する」「夢中になる」「達成感がある」などの情緒を生み出すという機能については別格で、情緒的価値という名前で呼びたいと思います。
情緒的価値は主観的な経験であるため、数値化は難しい場合が多いものです。美味しいご飯を食べて感動したり、高い腕時計をつけて充足感を得たり、自動車を運転して楽しんだりするとき、それは情緒的な価値だといえます。
③意味的価値
先に挙げた情緒的価値のなかでも特に「長期的な意義がある」「他の誰かのためになっている」といった「これには意味があるぞ」と感じる情緒については別格で、意味的価値という名前で呼びたいと思います。
意味的価値も主観的で数値化が難しい点で情緒的価値と同じですが、自分以外の他者や現在を超えた未来までを射程に含む点で異なります。
ご飯でカロリーを摂ったり(機能的価値)、美味しいご飯に感動したり(情緒的価値)するだけじゃなく、地元の食材を食べて地域を応援したり、廃棄予定の食べ物を受け取ってゴミを減らしたりするのは、そこに意味的価値を見いだせるからだと考えられます。
④物語的価値
先に挙げた意味的な価値のなかでも特に誰かの物語への関与で感じる意味については別格で、物語的価値という名前で呼びたいと思います。
物語的価値も自分を超えた他者が必要である点で意味的価値と同じですが、そこへの関与の度合いや能動性が高い点が異なります。
農家民泊で農業を体験したり、知り合ったその農家さんの野菜を買って食べたり、その農家さんの野菜を知り合いにオススメしたりするのは、そこに物語的価値を見いだせるからだと考えられます。
価値の源泉とは?
①機能的価値→②情緒的価値→③意味的価値→④物語的価値、という感じで段階的に深堀りしてみました。深堀りするにしたがって他者との関係性が深まることで生まれるタイプの価値になっていくようです。
つまり、関係性こそ価値の源泉である、と言いたくなりますが、このあたりはまだもう少し保留にしておきます。来年の実践を通して解像度をあげていくつもりなので、また引き続き発信していきますね。
ということで今回はここまで。価値についての思考メモでした。ここまで読んでいただいてありがとうございました!
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