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文字通りの井戸端会議

昨日の日曜日は井戸端会議に参加してきた。

文字通り「井戸」を囲んでの会議。わたしが暮らす居住区は「Rural」と呼ばれ、町から離れた場所にある。(中心地の郵便局やスーパーまで約20km)
上水道も下水道も通っていないので、水は共同井戸から近所の24世帯に送られ、排水は各世帯の庭に埋まっている浄化槽で処理され土に還って行く仕組み。

各家庭に割り当てられた水量は1日あたり2,700リットルで、これをオーバーしないことと、水質を管理して常に国が定めたルールに従うことが義務付けられている。なんたって生命の基本の「水」ですもんね。
それを守るためにわたしたち近所の有志が集まって「Water Society」なるグループを発足。常にモニタリングを行なっている。
昨日の会議では「井戸周りの衛生面の向上」のためにすべきことを話し合った。

この共同井戸からの水は地下約20mほどの深さから組み上げられている。
地下で自然にフィルタリングされている以外、何もされていない。100%ピュアな地下水。
はっきり言ってとてもおいしい。ニュージーランドとはいえ、ほとんどの都市では上水道の水にカルキなどの薬品を用いて安全とされているので、ピュアなミネラルウォーターが蛇口から出てくる地区は限られているはず。(なので品質調査は六ヶ月毎に行う)
これに慣れちゃうと、町の、上水道を通って供給されている水の薬品臭さが鼻についてしょうがなくなってしまい、外出先での水はお金を払って飲むミネラルウォーターしか飲めなくなってしまった。

でも、これはわたしたち地域の誇りであり自慢。
この水の品質を保つことと、管理する権限を役所に取り上げられないためなら週末のプライベートの時間も割きましょうとも。
実は「Water Society」の役員はわたしも含めて自宅に「マイ井戸」を持っている。なのでこの共同井戸からの水の供給は必要としていない家庭ばかりなんだけど、コミュニティの誇りと意地。「この地域の水が一番きちんと管理されている」評判だけはどうしても譲れないの。

なーんてね。
自分たちの水に対する誇りと意地をほんの30分ほど語ったあとは、井戸端会議の名の通り、ご近所ゴシップに花を咲かせるわたしたちなのでした。(ほんの五時間ほど)


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