見出し画像

子猫時間と4月

4月1日という覚えやすい日に、我が家を選んだかの様に自らやって来た「保護猫」。丸一ヶ月を共に過ごしたことになる。

400gという小さな体に、ちょっとしか残ってなかったであろう体力を使って精一杯威嚇していた初日。そこから安心してお留守番させられるまで家族として進歩したこの一ヶ月。
体力的な成長はもちろん著しくて、保護した当初は衰弱が激しく、歩くことさえも超スローモーションだった。猫が得意な「飛ぶ」とか「ジャンプする」は一生できないのかもしれないな、この子は。と思うくらい動かなかった。(動けなかった?)
それが現在では、ちょっと目を離すと予想外の場所に居る。ワープが出来るとしか考えられない。

はぐれてしまった兄弟や母猫を必死で探したのだろうか。声は完全に枯れていた。口は開けど聞こえてくるのは空気が漏れる音だけで、それでも必死に訴えかける表情がとても愛しかったっけ。最近ようやく、猫というよりはエクソシストに近いけど、声が出る様になって来た。できればこのまま猫を目指すようお願いしたい。

子猫の部屋からリビングにデビューしたときはソファーの下から出てこようとしなかった。それがいまでは小さい体で、暖炉前の特等席で踏ん反り返る様になった。
大型犬のチェイスが怖くて威嚇ばかりしていた子猫が、一緒に寝る様になった。
相変わらずわたしにひっつき虫で、生意気にも?「トイレ出待ち」をする様になった。

この歳になってくると時間の流れは早すぎて、雑に言っちゃうと一ヶ月程度の期間では大したことやり遂げられる気がしない。焦りしか感じないわたしだったけど、子猫時間で振り返ると一ヶ月でたくさんのことをやり遂げていて、すごい。
「死」が確実だったであろう日から、一ヶ月で運命を変えた子猫。

子猫の成長を振り返りながら、一ヶ月という時間がもたらす変化をしみじみ思う。
「一ヶ月もあれば運命くらい変えられる」ことを子猫から教えてもらった今、少なくとも毎月一日にはこのことを自分に言い聞かせたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?