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東北旅6(終)大雨の秋田で美術館、秋田新幹線の車窓

4泊5日東北旅の最終日。前日夜に五能線で秋田に到着し、ドーミーインの風呂に入って、早々に寝た。
当初は秋田はサラッと流して盛岡へ行こうと考えていたのだが、朝から長靴が欲しい程度のしっかり雨、昼からは大雨予報なっていた。(なので予告通り五能線は運行取り止め。大雨で何かあっても助けられない場所も多いし、仕方ないと思う。昨日雨じゃなくて本当によかった2回目)

なので予定変更して秋田県立美術館へ行ってから帰ることにした。これは、母が「秋田は平野貞吉の藤田嗣治コレクションがある。それを見るつもりか?」と一言LINEで送ってきたのがきっかけで、もし母が送って来なかったらそのまま帰っていたと思う。雨だし。ドーミーインだったので6時に起きて大浴場で一風呂をしてチェックアウト。

秋田県立美術館

目の前の堀には蓮が咲き、その先に見えた特徴的な建築物は藤田と平野にゆかりのある旧県立美術館だった。いまは秋田市立文化創造館。

なかよし。

目の前にある新しい建物の県立美術館では「旅する画家 藤田嗣治 斎藤真一」展をやっていた。

藤田嗣治が蔵で書いて運び出すのも一大事だったと思われる「秋田の行事」絵など、藤田のコレクションも広い空間で良いのでゆっくりみていたのですが、それよりも良かったのは、斎藤真一の瞽女(ごぜ)を描いた絵でした。

斎藤さん、芸大出の画家でフランス行ってたりもしており、その頃の旅の絵もとてもよいのでこんな作風の人かーなんてわかった気で見ていたら突如日本の東北の絵になった。

瞽女とは農閑期に雪深い地域を回る盲目の女旅芸人という人たち。ラジオもテレビもなかった時代、冬に必ずやってきてくれる彼女たちのことを山に住む人たちは楽しみにしていたという。
その人たちと一緒に旅をして絵に書き留めたのが斎藤真一という人で、この時は高校の教職を務めながら休みのたびに同行していたらしい。(一方で「吉原炎上」の原作者でもある)
雪の中に光る太陽の色。それは多分その人の記憶の網膜に残っているんじゃないかと思う太陽の赤さだった。

瞽女が昭和映画で描かれているのは知っていたが、色とか性的消費の部分が軸というか娯楽部分で強調されて、この時代に見ると疲れるんですよね。。。そっちが主軸かよと。
斎藤真一も出ている新日本紀行の映像が一部分流れていたのですが、雪国の集落の人たちが楽しみに待っている表情がとても楽しそうで。生きる選択肢が限られていた人たちのことを想像しながら、彼女たちの持ち物や1日を細かく記した絵日記の原本を読んだ。この時代に障害を持ちながら、生きた女の人。ここに展示された斎藤真一の絵を多く所蔵しているのは山形県天童市にある出羽桜美術館とのことでいずれ行ってみたい。もちろん日本酒の出羽桜らしい。

美術館はすてきなカフェもあったがその日営業しておらず退散。


かねてより行ってみたいと思っていた「木内」百貨店はまだクローズしていた。

秋田新幹線で帰る。田沢湖線の車窓に見惚れる

雨はざんざんに降っており、お土産を自分にしてはたくさん買い込み、秋田駅へ。駅にいると秋田犬となまはげが売りなのは強く伝わる。見てないけど。

なまはげ
秋田犬
秋田犬

秋田新幹線は大曲でスイッチバックするので秋田からは後ろ向きに出発する。盛岡までは特急って感じの速度だが、盛岡で東北新幹線と接続、速度が一気に上がる。


田沢湖線を通る時は遅めの特急並みのスピードで進む。車窓の風景は山深く山が迫り、清流が流れる川や小さな滝がすぐそこに見える。これまで乗った列車の中でも森林浴度がとても高い車窓だと思いました。栄養価高い。
秋田新幹線の経緯について何も知らなかったんで車中でwikiを読みました(電波が弱い)。いずれ田沢湖線と秋田内陸縦貫鉄道に乗ってみたいと思いました。

夕方に東京着。久しぶりの旅行は出費も嵩んだが、毎日楽しく気持ちが満腹。お土産に秋田で買った日本酒がびっくり美味かったです。

お土産

おしまい

2023年9月

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