[小説]ゴッホのように散るだけだ③ー日没の村・3ー
ゴッホのように散るだけだ 第一話はこちら
「ちょっとー! 雷人まだ全然片づけ終わってないじゃん。何やってんのよもー。」
学年で一番美形の女子、リカがセミロングの茶髪を揺らし、彼氏の雷人の席でまた何か騒いでいる。
あたしたちの学校には授業中・休み時間・放課後という概念が何もない。学校に登校したあとは絵を描くか描かないか、二つの時間を行き来するだけだ。
リカがくる直前まで筆を走らせていた雷人が笑顔で片づけを始めた。
「悪いなリカ! お前もちょっと手伝ってくれる? 片づけ。」