『経験価値マーケティング』から読み盗った3つのこと
みなさん、こんにちは。
今回は星野リゾートの教科書のひとつ『経験価値マーケティング』から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)
では、本書の概要と読み盗った3つのことを書いてみます。
本書の概要
「経験価値マーケティング」は以下のように説明されています。
本書でいう「経験価値マーケティング」とは、過去に起こった個人の経験や体験を用いてマーケティングを行うのではなく、今、あなたが、実際に肌で何かを感じたり、感動したりすることにより、あなたの感性や感覚に訴えるマーケティングを展開していくことである。
本書は、大きく3つのパートに分かれています。
Part Ⅰ:経験価値が起こすマーケティング革命
・伝統的マーケティングと経験価値マーケティングの違いとメリット
Part Ⅱ:5つのタイプの経験価値
・経験価値を構成する5つの要素
① SENSE:感覚的経験価値
② FEEL:情緒的経験価値
③ THINK:創造的・認知的経験価値
④ ACT:肉体的経験価値
⑤ RELATE:準拠集団や文化との関連づけ
Part Ⅲ:経験価値マーケティング戦略の構築
・Part Ⅱで紹介した5つの要素の相性
・効果的な経験価値の選択
・経験価値を創り出す組織の特徴
概要はこんな感じです。
では、『経験価値マーケティング』から読み盗った3つのことを書いていきます。
まず1つ目は、
①ブランドを感覚とリンクさせる
ということです。
ロゴや製品のデザインはもちろん大切であると述べた後、著者はこのように続けています。
しかし、ブランドを強化するため、さらに必要なものがある。五感に訴え、感情と精神に訴える必要がある。ブランドを、消費者が意識している何かと関連づけ、消費者の日常生活に組み入れることが必要である。
ロゴを見たとき、製品を使ったとき、サービスを利用したとき、その瞬間に顧客がどう感じるかを最優先せよということかなと思います。
ブランドを実生活まで浸透させ、ブランドを感覚とリンクさせるべし と読み盗りました。
続いて2つ目は、
②魅力的な環境づくり
です。
ひとつの心理学実験が紹介されています。被験者は「XはYが好き」といった単純な文章を読んでその理由を答える、というシンプルなものです。
答えは二択です。
・「Xは好きになることが多いから」
・「Yは好かれることが多いから」
どちらかと尋ねると、多くの被験者が「Yは好かれることが多いから」と答えたそうです。人間は矢印の起点ではなく終点に何かがあると思いやすいのだろうという結論です。
この心理学実験結果をもとに、著者は以下のように論じています。
言い換えれば、マーケターは顧客にとって最も望ましい経験価値を表出させるために、ふさわしい環境を提供しなければならない。
矢印の終点となるような魅力的な環境づくりがマーケティングに求められている と読み盗りました。
最後に3つ目は、
③自分へのクリティカルシンキング
です。
本書のいたるところで「ローラ・ブラウン」という女性が登場し、内容にいちゃもんをつけています。FEELマーケティングについては、
FEELマーケティングって、私たちの大事なフィーリングを悪意で操作することじゃないの?よくもまあそんな嫌味なやり方で、フィーリングというとても個人的なものをあやつるマーケターがいたもんだわ。
↑こんな具合です。
著者はエピローグにおいて、「ローラ・ブラウンは実在しており、顧客について考えるときには、必ず彼女のことを考えなければならない」と記しています。
「ローラ・ブラウン」は女性で、著者は男性なのですが、おそらく二人は同一人物ではないかと思っています。
顧客について考えるときは、自分へのクリティカルシンキングをすべし と読み盗りました。
まとめ
『経験価値マーケティング』から読み盗った3つのこと
① ブランドを実生活まで浸透させ、ブランドを感覚とリンクさせること
② 魅力的な環境づくりがマーケティングに求められていること
③ 自分へのクリティカルシンキングをすること
次回は『コトラーのマーケティング・マネジメント 基本編』(フィリップ・コトラー 著) から読み盗ってみます。
最後までお付き合いいただいて
ありがとうございました。
では、またです。
貴重なお時間をありがとうございます。よき時間となりますように。