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『マーケティング22の法則』から読み盗った3つのこと

みなさん、こんにちは。

今回は星野リゾートの教科書のひとつ『売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則』から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)

本書の概要

著者のアル・ライズ氏ジャック・トラウト氏は、世界的に知られているマーケティング戦略家です。両氏が25年以上にわたって研究し導き出した、マーケティングの基本原則をデータ(数字)ファクト(事実)から論理的に紹介しています。

全22の法則と(副題)を引用します。

第1章 一番手の法則
 (一番手になることは、ベターであることに優る。)
第2章 カテゴリーの法則
 (あるカテゴリーで一番手になれない場合には、一番手になれる新しいカテゴリーを作れ。)
第3章 心の法則
 (市場に最初に参入するより、顧客の心の中に最初に入るほうがベターである。)
第4章 知覚の法則
 (マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである。)
第5章 集中の法則
 (マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込み客の中にただ一つの言葉を植えつけることである。)
第6章 独占の法則
 (二つの会社が顧客の心の中に同じ言葉を植えつけることはできない。)
第7章 梯子の法則
 (採用すべき戦略は、あなたが梯子のどの段にいるかによって決まる。)
第8章 二極分化の法則
 (長期的に見れば、あらゆる市場は二頭の馬の競争になる。)
第9章 対立の法則
 (ナンバーツーを狙っているときの戦略は、ナンバーワンの在り方によって決まる。)
第10章 分割の法則
 (時の経過とともに、一つのカテゴリーは分割し、二つ以上のカテゴリーに分かれていく。)
第11章 遠近関係の法則
 (マーケティングの効果は、長い時間を経てから現われる。)
第12章 製品ラインの法則
 (ブランドの権威を拡げたいという抗しがたい圧力が存在する。)
第13章 犠牲の法則
 (何かを得るためには、何かを犠牲にしなければならない。)
第14章 属性の法則
 (あらゆる属性には、それとは正反対の、優れた属性があるものだ。)
第15章 正直の法則
 (あなたが自分のネガティブな面を認めたら、顧客はあなたにポジティブな評価を与えてくれるだろう。)
第16章 一撃の法則
 (各々の状況においては、ただ一つの動きが重大な結果を生むのである。)
第17章 予測不能の法則
 (自分で競合相手のプランを作成したのでない限り、あなたが将来を予測することはできない。)
第18章 成功の法則
 (成功はしばしば傲慢につながり、傲慢は失敗につながる。)
第19章 失敗の法則
 (失敗は予期することもできるし、また受け入れることもできる。)
第20章 パブリシティの法則
 (実態は、マスコミに現われる姿とは逆である場合が多い。)
第21章 成長促進の法則
 (成功するマーケティング計画は、一時的流行現象(ファッド)の上に築かれるものではない。トレンドの上に築かれるのだ。)
第22章 財源の法則
 (しかるべき資金がなければ、せっかくのアイデアも宝の持ち腐れとなる。)

副題がかなりまとまっているので、それぞれの法則を把握しやすいと感じました。

ここからは、印象に残った法則をピックアップして読み盗った3つのことをご紹介していきます。


まず1つ目です。

第4章 知覚の法則

マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである。

商品重視の戦略を考えがちなマーケティングですが、本気で取り組むべきは知覚(顧客がどう感じているか)であることが述べられています。

具体例として、コーラの話が挙げられています。

当時アメリカでのコーラのシェア(売上)は、

1位 コカコーラ・クラシック
2位 ペプシコーラ
3位 ニューコーク

でしたが、コカコーラ社が20万人を対象にした味覚テストは、

1位 ニューコーク
2位 ペプシコーラ
3位 コカコーラ・クラシック

という結果でした。

言い方は悪いですが、一番まずいものが一番売れていたのです。

ここで著者は訴えます。

私たちは信じたいと思うものを信じるのである。同様に味わってみたいと思うものを口にするのだ。ソフトドリンクのマーケティングは味の戦いではなく、知覚の戦いなのである。

サービスや商品ではなく、顧客がどう思うかがマーケティングである と読み盗りました。


続いて2つ目です。

第8章 二極分化の法則

長期的に見れば、あらゆる市場は二頭の馬の競争になる。

シェア率は二つの企業に偏るということかと思います。

ここでも具体例としてコーラの話が挙げられています。

1969年の時点で、

1位 コカコーラ(60%)
2位 ペプシコーラ(25%)
3位 ロイヤルクラウンコーラ(6%)

でしたが、22年後には、

1位 コカコーラ(45%)
2位 ペプシコーラ(40%)
3位 ロイヤルクラウンコーラ(3%)

という結果でした。

日本でも「コーラ」と言われたらコカコーラペプシコーラ二つのイメージが強いのではないでしょうか。

この他にも個人的に、

Google(Android)とApple(iOS)の二大OS
VISAMastercardの二大クレジットカード
JALANAの二大航空会社

などが頭に浮かびました。

マーケティングを長期的視野でとらえれば、競争は二大主役(一般的には、古くから信頼されているブランドと新進ブランド)の間の全面戦争に収斂されていくのが普通である。

(恥ずかしながら、収斂を「しゅうれん」と読むことをこの文章で初めて知った私です。。。)

直面している現実と照らし合わせるとそれぞれの法則の説得力が強くなる と読み盗りました。


最後に3つ目です。

第15章 正直の法則

あなたが自分のネガティブな面を認めたら、顧客はあなたにポジティブな評価を与えてくれるだろう。

具体例として、フォルクスワーゲンのキャッチコピーの話が述べられています。

「一九七〇年型フォルクスワーゲンは、いつまでも醜いスタイルのままでいます」。すると顧客は考える。そんなに醜い車なら、信用できるに違いない、と。

この法則は人間関係・コミュニケーションにおいても言えることではないかと思います。信用してほしいならば、きちんと自己開示をしなさいという意味だと考えています。

自分を省みて、先ほど、

(恥ずかしながら、収斂を「しゅうれん」と読むことをこの文章で初めて知った私です。。。)

と書きました。無知な人間ですが、学べば多少は変わると信じています。

弱さや未熟さを誤魔化していては、人(顧客)の心は掴めない と読み盗りました。

まとめ

『マーケティング22の法則』から読み盗った3つのこと

・サービスや商品ではなく、顧客がどう思うかがマーケティングであること
・直面している現実と照らし合わせると法則の説得力が強くなること
・弱さや未熟さを誤魔化していては、人(顧客)の心は掴めないこと


次回は『ブランディング22の法則』(アル・ライズ、ローラ・ライズ 著) から読み盗ってみます。

最後までお付き合いいただいて
ありがとうございました。
では、またです。

貴重なお時間をありがとうございます。よき時間となりますように。