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絵本を届ける運動ってなんだろ?から始まった話。

先日のこと。

シャンティ国際ボランティア会が主催している「絵本を届ける運動」を知った。


本を知らないアジアの子どもたちに絵本を届けるため、1999年から始まった取り組みだそうで、日本語の絵本に、現地の言葉に翻訳したシールを貼り、
絵本が不足している地域に届ける、という活動。

絵本1冊につき参加費として2500円を支払うと、絵本と翻訳シールが送られてくる。
(2500円のなかには、絵本代、シール作製費、輸送量、経費、などが含まれている)

ボランティア会から送られてきた絵本の指定の場所に、翻訳シールを貼り付けて、また返送する、ということが参加の意味。

今回はとりあえず4冊注文して、私と友人、そして社会人のムスコとムスメにも手伝ってもらった。
それぞれ、ビルマ語(ミャンマー)、クメール語(主にカンボジア、タイ、ベトナム、ラオスなど)、ラオス語(ラオス、タイの東北地方)、パシュート語(アフガニスタン、パキスタン)への翻訳。

我が家に届いたのは、「はらぺこあおむし」「すてきなあまやどり」「ぱくぱくはんぶん」「りんごがひとつ」の4冊。

どれもこれも昔読んだことのある懐かしい絵本だったが、このシール貼りの作業の一番最初にやってくださいと指示されているのは

「まず最初から最後まで、一度目を通して読んでください」

ということだった。

もう知ってるお話なんだけどな・・と思いながらも、とりあえず最後までページを手繰って読んでみると

あ、こんなふうだったっけ?あ、そうそう、懐かしい!!・・と、あっという間に物語が自分の中に流れ込んでくるのを感じてビックリ!

あぁ、だから最初から最後まで一度目を通して読んでください、なんだな。

単に物語を知って、シールを貼る場所を間違えないように・・ということだけじゃなく、この感情を大切に絵本と向き合って欲しい、ってことなんだなって。

この楽しさが、わくわくやドキドキが、現地でこの絵本を手に取るこどもたちや、読み聞かせる大人にも同じように伝わってくれればいいなぁと、心から思った。

もうその準備段階だけで、なんだか目頭がジーンとしちゃうのは、つまりワタクシがそういうお年頃だからだろうか。いやちがうと言って。(笑)

自分ではまったく読めない記号のような文字を、見慣れた日本語の文字の上に貼り付けていくという作業はちょっと緊張して、そしてとても新鮮で、この絵本をちいさい子供たちが手にすることを想像するだけで、ちょっと心がじわっとあたたまる。遠火の焚火にあたっているみたいに。

翻訳シールは、わかりやすく貼る箇所を指示されているので、ハサミで切り取って貼るというのは難しい作業ではないのだが・・
いつもはなんでもタイテーのことはだいじょぶだいじょぶなんとかなるさ!の精神だけで生きているワタシでも、間違ったら大変!という気持ちが生まれてしまうのは、絵本を通した向こう側にいる小さい子供たちの顔が浮かぶからであろうか。

思わずハサミを持つ手に力が入って、肩がガチガチになる悲しきアラカン(笑)

これが日本語版。
シールを貼るとこうなる!


右と左、言語が違うと雰囲気が変わる~!
表紙はこんなかんじ。



これはビルマ語



そして、最後の裏表紙には、翻訳シールを貼った人の名前と、その名前を現地の言葉で記入する欄がある。

つまり日本語名で「はなこ」と書き、その下に現地の言葉で「はなこ」と記入する。
そこではじめて、現地の言葉を実際に自分で書くという作業をするのだが、本当に図形を描いているような、これがほんとに正解なのか不安になるような(笑)、不思議な気持ちで、これもワクワクした。
正解がわからぬワクワク。

でも、娘や息子が幼稚園の頃に書いていた謎のひらがなのフォルムを思い出して、
うん、大丈夫きっと読み取れるはず!と意味なく自信を取り戻す。

友人のこどもが、「ね」を限りなく横長に書いてしまうので、いつもお名前欄に名前を書ききれないと嘆いていたのを思い出した。
運が悪いことに、「ね」は苗字の一番最初の文字だったことが、彼にとっては大変不幸なことであったが、
「ね」で埋め尽くされたお名前欄は、何回見てもその可愛さに爆笑したものである。(本人は「ね」一文字に一球闘魂で必死なのがさらにカワイイ)。
そんなわけで「ね」を見るたびに、いまだにくすっと笑える。
もう25歳の青年になってる彼よ、すまんすまん。(笑)

今回は、この4冊の絵本のシール貼りを、すでに社会人のムスメとムスコにも手伝ってもらったが、几帳面なムスコが書いた現地文字での名前の美しさと、おおざっぱなムスメが書いた自分の名前のアバウトさ(元気さと言い換えてあげてもよいが)が、また対照的で、それもおかしかった!
人って変わらんのね・・・。

そんなこんなで、久しぶりに絵本と向き合えてとても楽しかったな。
時間とお財布にちょっと余裕があるなと思ったときに、また取り寄せて1冊でも届けたいと思う。

次のページをめくった先のドキドキが、まだ見ぬちいさなこどもたちに届くといいな。うん、届きますように!
ヘタクソな名前、読み取ってね!


なんとなく毎日読むのが楽しみだなと思っていただける文章を書き続けたいです。チョコ先生は腎臓と膀胱にステントを通しており、てんかん発作もあり、さらに胆嚢液体膿腫で胆のうを摘出し、いろいろとオペしてる身の上ゆえ、いろいろともろもろと服薬や治療食などにお力添えをいただけると嬉しいです!