シノヅカヨーコ

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最近の記事

お知らせ

ごぶさたしています、シノヅカです。 このたび「Conobie」さんというサイトにお声かけいただいて、子育て系の記事を寄稿していくことになりました。 最初の記事はこちら 「虐待は他人ごとじゃない。心と体が壊れてしまう前に」 自分の子にたいして、イライラしてしまう。 手をあげてしまいそうになったことがある。 そんな人に届いたらいいなと思います。 今後、定期的に寄稿することになりますので、関心のある方はぜひ遊びにいらしてくださいね。 読み応えのある育児記事がたくさんあるので

    • はてなブックマークやTwitterで記事が拡散されているので、外部からの流入があるのはわかるんだけれど、note内の方はどういった経路でいらっしゃるんだろう。他のSNS経由なのだろうか。スマートニュースにも載ったみたいだ。荒れたらいやだなあ。

      • "痴漢"と"子連れの女性に攻撃的な人"の思考はとてもよく似ている

        いったいなぜ。痴漢被害に悩んだ学生時代ミニスカギャルよりも、校則を守ったスカート丈の女子高生のほうが痴漢に遭いやすいという話を、聞いたことがないだろうか。 高校生だったころ、わたしは比較的校則の厳しい学校に通っていた。 制服はなにからなにまで学校指定のものを着用することが義務づけられていたし、スカート丈を詰めるのはもってのほか。 膝下まで伸びた野暮ったい丈のスカートを履いて、通学のため地元を離れ、40分ほど上り電車に乗るまいにちを送る…はずだった。 入学して間もなく、痴漢

        • いつかきみに伝えたいやさしさの話

          我が家には、二歳のムスメがいる。 彼女は生まれたばかりのころ、本当によく泣いていた。 わたしは子どもを産むまで、赤ちゃんはよく眠る生き物だと思っていた。三時間おきに授乳が必要だとは聞いていたけれど、三時間に一度の授乳を済ませてしまえば、あとは眠っているものだとばかり思っていたのだ。 甘かった。 おなかがすいたとぐずり、乳首に吸いつきながら眠りにつく。浅い眠りのなかでげっぷをし、口に乳首を含んでいないことに気がつくと、また泣きはじめる。その繰り返しだった。まいにち、まいにち

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        • "痴漢"と"子連れの女性に攻撃的な人"の思考はとてもよく似ている

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        記事

          近くて、遠い

          すっかり酔いがまわって、頬があつい。血液が皮ふの外にじゅわっと染み出ているような気さえする。ふうっと吐いた白い息は、アルコールが濃縮されたようなにおいがした。 「ねぇ、恋愛と結婚って別だと思う?」 午前中のうちに待ち合わせて、まずは蕎麦屋にはいった。勧められるがままに日本酒をすすり、鴨をつつく。表面の焦げたこうばしい鴨をかじりながら、わたしは彼の指先ばかり見つめていた。長く、細く、まっ白な指先。手を伸ばせば届くところにあるのに、けっして触れることのない聖域。 「恋心じゃ

          近くて、遠い

          欠落した記憶のなかで

          過去に一度だけ、自殺をはかったことがあった。 意識を失ったわたしのもとに転がっていたのは、酒の空き瓶と、何十枚と空になった薬のシートだったという。 時間をかけて大量に飲んだ薬は吐くこともなく吸収され、病院で胃を洗浄し、薬を吸着するらしい炭を入れられる(?)も、二日ほど眠り続けたらしい。 目覚めてから一ヵ月半ほど、いわゆる精神科病棟というところに入院をした。 病棟の外へ出ることを禁じられ、風呂もトイレも監視される、不思議な空間だった。 自殺をはかった理由は、よくわからなかった

          欠落した記憶のなかで

          非腐女子の一般人が、ボーイズラブものの二次創作同人誌を読んでみた。

          先日、十年来の友人から突然「実は腐女子だった」というカミングアウトを受けた。 わたしと言えば、深夜アニメにも少年漫画にもいまひとつ興味がないので、ボーイズラブものの二次創作同人誌というのは未知の世界。男性向けの同人誌であれば、過去に何度も目にする機会があったのだけれど。 そんなわたしが勧められるがままに三十冊ほどの同人誌に目を通したので、一般人が二次創作モノのボーイズラブ同人誌を読んだときの感想を書いてみる。※一部に性器の表現があるので閲覧ご注意ください。 版元の作画に近づ

          非腐女子の一般人が、ボーイズラブものの二次創作同人誌を読んでみた。

          子連れはエスカレーターにどう乗るのが正解? 横並びは危険が多かった

          「子どもの手を引いて横並びに」って言われても…子どもとエスカレーターに乗るとき、JRの啓発ポスターやエスカレーターには「子どもの手を引いて横並びに」乗るよう書かれています。 しかし。 殺伐とした東京ジャングルでそんなことをやらかそうものならば、文字どおり「引きずり」降ろされます。 他人の子どもを平気で跨ぎ(子どもの頭に自分の荷物がぶつかろうがおかまいなしです)、あるいは子どもを押しのけて強引に割り込み、舌打ちをする。「俺の通り道を譲らないお前らが悪い」と言わんばかりに、当

          子連れはエスカレーターにどう乗るのが正解? 横並びは危険が多かった

          これって神経質?それとも…寄稿した記事が炎上したので、その理由を探ってみた。

          先日、某サイトに次のようなコラム記事を寄稿しました。 「ひとりの母として、お願いです。保護者に断りなく赤ちゃんに手を伸ばすのはやめてほしい。」。 ※リンクは貼らないので、記事の詳細が気になる方が恐れ入りますがググっていただければ幸いです。すぐに出てきます。 ここではおなじみの「ムスメ」が0歳児だったころ、わたしをモヤモヤさせていたもの。それは、親に断りもなくいきなり赤ちゃんに手を伸ばす人の存在でした。 記事のざっくりとした概要は次のとおりです。 ①「わ

          これって神経質?それとも…寄稿した記事が炎上したので、その理由を探ってみた。

          陣痛が痛くない!?超安産の出産記録

          2013年2月、ムスメを産んだ。 怖れていた陣痛は、ちっとも痛くなかった――。 そんなわたしの、出産レポートです。 地震にびびってジョロッと破水 2013年2月1日、午前一時ごろ。 トイレで用を足していると、ぐらりと揺れた。地震だった。 驚いて立ち上がろうと前かがみになったところ、ジョロッと尿が漏れたような感覚があった。 このころのわたしといえば大きくなった腹に押されてたびたび尿漏れを起こしていたので「びっくりしておなかに力入れちゃったかな」なんて思っていた。 しかし、

          陣痛が痛くない!?超安産の出産記録

          イリーネと迷いの森

          ※とあるバンドの楽曲を基にした二次創作です。 Ⅰ あの森に入ったら最後、二度と戻ってくることはできないだろう――村のはずれにある森は、迷いの森と呼ばれていた。鬱蒼と生い茂った木々たちが木陰をつくり、光の差し込まない真っ暗な森。月明かりの届かない森の夜は暗く、とてもつめたい。 森に入るのなら、新月の夜と決めていた。届かないひとすじの光を頼りに歩くぐらいなら、すがるものがないほうがいっそ心強い。一度不安を抱いたら最後、呑みこまれてしまうような気がした。 「どこへ行く」森の入り

          イリーネと迷いの森

          おかあさん

          「おかあさん、食べないの」 大皿にうんと盛られたデラウェアにちっとも手をつけない母に言う。 「くだものはあんまりすきじゃないのよ」 「ふぅん、おいしいのに」 「だから、たっぷり食べなさい」 わたしがまだ幼かったころ、夕飯のデザートはきまって季節のくだものだった。 ぶどうに、桃に、さくらんぼ。 初夏のくだものはみずみずしくて、とてもおいしい。 「おいしい?」 「うん、おいしい」 「そっか、たくさん食べて」 大皿に盛られたくだものに手を伸ばすのはわたしと弟ばかりで、母が

          6月20日(土)*2歳4ヶ月―ムスメ、撃退する

          ムスメと電車に揺られていたら、なんだかモヤモヤとする光景に遭ってしまいまして。 空席が見当たらない程度の混雑、わたしはムスメを抱えて優先席寄りのすみっこに。 優先席には、部活帰りであろうユニフォーム姿の女子中学生が四人。 優先席の前には、杖をついたおばあさんがひとりと、見るからに腰の曲がったおじいさんがひとり。 女子中学生たちはご高齢のふたりには目もくれず、スマホを出してぎゃあぎゃあ、騒いでいるわけです。 なんなら、椅子に土足であぐらかいちゃったりしているわけです。 あ

          6月20日(土)*2歳4ヶ月―ムスメ、撃退する

          コーヒーカップの境界線

          「それで、彼氏とはどうなの」 「えっ、別に。フツーだよフツー」 わたしの目の前に座るこのひとは、名前をコウスケという。 ブラックコーヒーが飲めない彼は、たっぷりのミルクと、砂糖をふたつ。 片手で持つのがこわいから、とコーヒーカップには左手を添える。 熱い飲み物を飲むと、まばたきの数が増える。 笑ったときにのぞく八重歯がコンプレックスで、大きな口を開くときは口元に手の甲をあてがう、その癖。 こうして向かいあってコーヒーを飲むのは、もう何度目になるのだろう。 「ねえ、彼氏の名

          コーヒーカップの境界線

          noteをはじめて1ヵ月とちょっと、いつのまにかフォロワーさんが100名を超えていました。ありがとうございます。拙いものばかりで、なんだかすみません。精進します。

          noteをはじめて1ヵ月とちょっと、いつのまにかフォロワーさんが100名を超えていました。ありがとうございます。拙いものばかりで、なんだかすみません。精進します。

          6月15日(月)*2歳4ヶ月―ムスメ、やさしいおせっかいをする

          ムスメが「おでかけしたい」というので、バスに乗って隣町まで出ることに。 バス停で待っていたら、すぐに目的のバスがきたものの、なんとドアも開いてもらえないまま素通りされてしまった。 見えなかったのか、それとも急いでいたのか……。 実はバス停で待っているのに、目の前をバスが通り過ぎてしまうのは、これでもう三回目。 存在感が、薄いのかしら。 次のバスまで20分。 子どもとふたりで過ごす20分の待ち時間って、とてつもなく長いのよね。 ぷりぷり怒ってもしょうがないので、ベンチにすわ

          6月15日(月)*2歳4ヶ月―ムスメ、やさしいおせっかいをする