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【フランスおいしい旅ガイド】サントル=ヴァル・ド・ロワールの都市別食べ歩き方

美食の国フランス。フランスの各地方には、その風土を活かした料理や伝統的なお菓子があります。フランスを20の地方に分けてそれぞれの特徴をご紹介します。今回はサントル=ヴァル・ド・ロワール地方です。

サントル=ヴァル・ド・ロワールCentre-Val de Loire

ブルゴーニュ地方、イル・ド・フランス地方、ロワール地方、リムーザン地方が交差する地方。ロワール川沿いは穏やかな気候と美しい自然で「フランスの庭」と呼ばれた。2000年前から変わらぬブドウ畑とワイン酒蔵がある。この地方に最初に宮廷を置いたのは15世紀の王シャルル7世。以後、約200年近くにわたって政治・文化の中心として栄えてきた。ロワールの大河ではウナギや川カマスといった川魚がとれる。ソローニュの森は野生の鹿やイノシシなどのジビエ、風味豊かなキノコの宝庫。そして大平野が広がるボース地方は麦の栽培が盛んなフランスの穀倉とされる。野菜、果物栽培、牧畜も盛んに行われている。

データ
県名:ウール・エ・ロワールEure-et-Loir、ロワール・エ・シェールLoir-et-Cher、ロワレLoiret、アンドル・エ・ロワールIndre-et-Loire、アンドルIndre、シエールCher
旧地方名:トゥーレーヌTouraine、オルレアネOrleanais、ベリーBerry
主要都市:トゥールTours、オルレアンOrléans

特産品
アーモンド、ガティネ地方のハチミツ、オルレアンのワインビネガー、ウィリアム種の梨、トゥーレーヌのシャスラー種のブドウ、トゥールのプリュノー(干しプラム)

おすすめお土産
トゥールのプリュノー

■都市別ガイド

ロワールのお城めぐりの拠点はトゥール。パリからトゥールまでは1時間程なので、トゥール、アンジェあたりは1泊2日で巡ることができる。お菓子探しの場合は、ピティヴィエ、マカロンのコルムリー、タルト・タタンのラモット・ブーヴロンなどはずせない町が多い。

●トゥールTours


トゥールはロワール川とシェール川に挟まれており、ローマ時代から栄えてきた古い歴史を持つ町。現在はトゥーレーヌ地方の中心をなしているが、15世紀のルイ11世の時代には一時的にフランスの首都になったこともあった。王侯貴族たちが自然や狩りを楽しんだ城が周囲のロワール川流域に数多く残っているため、古城めぐりの拠点として観光客が大勢訪れる。8世紀にはシャルルマーニュ(カール大帝)がここに多くの学校を設立したことから、今でも市内にはトゥール大学をはじめとする多くの学校や研究機関があり、学生都市としてもにぎわいをみせている。19世紀の文豪バルザックの生地でもある。

アクセス
パリ・モンパルナス駅からTGVで約1時間。1日約10本。行き先によってトゥールから10分ほどのサン・ピエール・デ・コール駅に止まり、トゥールまでは接続電車が結んでいる場合もある。

モデルコース
サン・ガシアン大聖堂→お菓子屋さんめぐり→ランチ→ロワール城めぐりツアー→ディナー(所要1日)

観光スポット
□サン・ガシアン大聖堂Cathedrale St-Gatien
13世紀から16世紀にかけて築かれたゴシック様式の傑作。完成まで長い年月に渡っているため、1つの建物の中にゴシック様式の変遷がうかがえる。後陣の初期ゴシックに始まり、身廊に中期ゴシック、ファザードには後期ゴシックが用いられ、鐘塔の上部にはルネサンス様式を垣間見ることができる。内陣を飾る13世紀のステンドグラスは、サン・マルタンが起こした様々な奇跡の様子を描いたもの。北側は冷たさや死を表す青、南側は楽しさや暖かさを示す赤を中心にステンドグラスが構成されている。

お菓子屋さん
□La Chocaratière:ラ・ショコラティエール
2 et 4, rue de la Scellerie, 37000 Tours Tel: 02.47.05.66.75
ルレ・デセールの店。スペシャリテは「Veritable Nougat de Tours 元祖ヌガー・ド・トゥール」(2001/9/5&2002/8/28)

□Poirault:ポワロー
6, rue Nationale, 37000 Tours Tel: 02.47.66.99.99
トゥールを代表するお菓子「ヌガー・ド・トゥール」は、コンクールConcours du Meilleur Nougat de Toursで、2001年にMedaille d'Or(金メダル)を受賞した。(2002/8/28)

□Au Vieux Four:オ・ヴュー・フール
7, place des Petites Boucheries, 37000 Tours Tel: 02.47.66.62.33
トゥールの昔ながらのパン屋さん。スペシャリテは「Fouace de Rabelaisラブレーのフワス(卵、小麦粉、オレンジの皮、サフラン、ヴェルガモット、ハチミツ入り)」。見学、試食可。(2001/9/5&2002/8/28)

<良いパンを作るために必要なもの>
オーナーJacques Mahou氏によると
○Bioの粉
○胚芽(栄養と味のため)
○木のかまど
の3つ。

20世紀までパンの消費は1人800g/年、それが今日では150g/年にまで落ちている。昔はパンが主食であり、空腹をパンで満たしていたが、今では肉や魚が豊富に食べられるようになったので、必然的にパンの消費は減っている。発酵させたパンの歴史は6000年。パンは様々なもののシンボルであった。分け合うこと、人生、豊かさ、純潔(白いので)など。

粉は、トゥールの南でとれる全粒粉、それを精製したもの、ライ麦、Kamut(硬質小麦)、Epautre(軟質小麦)、ブレンド(小麦、大麦、からす麦、米粉、エジプト小麦)を使い分ける。

□S.Lelong:エス・ルロン
13, place du General Leclerc, 37000 Tours Tel: 02.47.05.57.77
ブリオッシュ屋専門店。お店は8時から開いているが、大きいほうのブリオッシュの焼き上がりは8:15。かなりふわふわでシフォンケーキのよう。でもあまり甘くない。チョコチップ入りもある。(2002/8/28)

グルメスポット
□Charcuterie du Vinci (K.Déchereux)
70, rue Bernard Palissy, 37000 Tours Tel: 02.47.05.12.87
トゥールのお惣菜屋さん。リエット、リヨンなど。(2002/8/28)

レストラン
□Jean Bardet:ジャン・バルデ
57, rue Groison, 37100 Tours Tel: 02.47.41.41.11
フランスで1番おいしい庭を持つといわれるシャトーレストラン。摘み立ての野菜を食べる贅沢を味わえる。魚料理も素材の味をいかし、シンプルで力強い。(2001/9/5&2002/8/26)

□Brasserie Buré:ブラスリー・ブレ
1, place de la Résistance, 37000 Tours Tel: 02.47.05.67.74
郷土料理が楽しめる。リヨンのサラダや、リヨンの入ったシュークルートがおすすめ。ロワール名物のリヨンとアルザスのシュークルートとのマリアージュがすばらしい。ほろっとお箸で切れる豚肉と、酸味も塩味も控えめのキャベツとは相性ぴったり。(2002/8/28)

●オルレアンOrleans


オルレアンはパリの南約130km、人口10万人のロワール中流域の中心地。古代ガリアの時代、オルレアンはカルヌート族の国の中心だった。紀元前52年にローマのカエサルに真っ先に抵抗したのはオルレアンの人々。15世紀の英仏戦争の折、200日間ものあいだイギリス軍に包囲され苦しんでいたこの町を、神の啓示を受けた1人の羊飼いの少女がわずか10日間で救った。その少女こそ、オルレアンの人々が永遠に誇る純潔の騎士ジャンヌ・ダルクである。

市内ではマルトロワ広場の騎馬像をはじめ、ジャンヌ・ダルクゆかりの場所や、その功績をたたえる品々を多く目にすることができる。1435年から続いているジャンヌ・ダルク祭は、毎年5月7日と8日の2日間、大聖堂の祭式や兵士の行進などが行われ、盛大に催される。フランスを旅すると、色んな町でジャンヌ・ダルクに出会う。おそらく人々の心に今も生き続ける国民的英雄なのであろう。

アクセス
パリ・オーステルリッツ駅からレゾブレ・オルレアン駅まで特急、急行列車で約1時間10分。1日約20本。レゾブレからオルレアンへは連絡列車があり、所要約5分。トゥールからオルレアン駅まで約1時間30分。

モデルコース
サント・クロワ大聖堂→お菓子屋さん→レ・アール(所要半日)

観光スポット
□サント・クロワ大聖堂(Cathedrale Ste.Croix)
町の中心にある。13世紀に着工し、16世紀初頭に完成したが、1568年に宗教戦争で新教徒の手によって一部破壊され、18~19世紀にアンリ4世によって、ゴシック様式に建て替えられた(ネオゴシック)。入って右手のステンドグラスには、ジャンヌ・ダルクが描かれている。内陣の聖職者用の席は、ヴェルサイユ宮殿の装飾を担当したジュール・ドゥグロンが1702年から4年を費やして製作したもので、その彫刻装飾は見事。また、ジャンヌ・ダルクの礼拝堂には、ジャンヌ崇拝を世に広めたトゥーシェ枢機卿の彫像がある。

お菓子屋さん
□D.Martin:デー・マルタン
教会の近くのお菓子屋さん。B.Gouchault製、22g、直径5cmの丸い木の箱に入ったコティニャック(1.68e)あり。(2002/8/24)

グルメスポット
□レ・アール
1番奥の乾物屋さんにヴィネガーあり。ハチミツ入りのシードル・ヴィネガーや、ブドウの品種ごとのヴィネガーがあり、こちらの人は料理によって使い分けているそうだ。たとえば樹齢の古いブドウで作られたものはサラダに、ミュスカデ種のものは肉料理にといったかんじ。サラダ用は4.2e。別メーカー「Chocolaterie Royale」のコティニャック(1.5e)あり。比べてみると、こちらの方が色が濃く、味が濃厚。(2002/8/24)

●シャルトルChartres


シャルトルには、“シャルトルのブルー”といわれる青い素晴らしいステンドグラスで知られるゴシックの大聖堂があり、巡礼の聖地である。シャルトルを中心とするボース地方は、“フランスの穀倉地帯”といわれ、小麦畑が広がる。 大聖堂とウール川に挟まれた一帯が旧市街。中世期の石造りの家とルネサンス期の木骨造りの家が肩を並べる。Rue au Lait(ミルク通り)を過ぎてPlace Poissonnerie(魚屋広場)には、Maison du Saumon(サーモンハウス)と呼ばれる、柱に鮭の彫刻がある木骨の家がある。

アクセス
パリ・モンパルナス駅から急行列車で約50分。1時間に1~2本くらい運行している。

モデルコース
シャルトルの大聖堂→マルシェ→お菓子屋さんめぐり(所要半日)

観光スポット
□シャルトルの大聖堂Cathédrale de Chartres
ユネスコの世界遺産に指定されたこの大聖堂は、ヨーロッパを代表する宗教建築の1つである。海抜400mの丘の上にあり、まわりは平原。ガリアの時代から人が住み、4世紀にはすでにこの地に礼拝堂があった。8世紀以降、この教会はマリアに捧げられた教会であり、864年にはシャルル禿頭王から聖母のベールを受け取っている。また9世紀より巡礼の地となる。

1020年の火事で破壊した教会を、当時シャルトル司教区を統括していた司教聖フュルベール(fulbert)が再建。階下、地上部分を建設する。この頃教会は学問センターでもあった。1134年の火災の後、北塔の建設が始められ、1150年頃完成。その後南塔にも着手し、1160年頃尖塔とともに工事は完成した。尖塔の高さは105m。ゴシック様式。1194年再び火事が塔と正面を残して焼き尽くす。しかし王や領主の寄進と人々の強い信仰により、工事は異常な速さで進み、わずか30年で再建される。13世紀にはバラ窓が作られ、1513年にフランボワイヤン様式の北塔の尖塔が完成。高さ115m。1836年にも火事が起こるが、この時は屋根を焼いたのみであった。

サンチャゴまで1625km。12世紀に建設された西扉口(王の扉口)は、ロマネスクからゴシックの様式で、立体的な彫刻が特徴。柱頭の主題は新約聖書と外典の福音書から取られている。右側の開口部(聖母マリアの開口部)は、キリストの、世界への登場をあらわしている。左側の開口部はキリストの地上での滞在の終わりを示す、昇天をあらわしている。中央の開口部はキリストの最後の審判における、再臨をあらわしている。中央の荘厳のキリストの両側には、福音書記者の象徴(マタイの象徴である翼のある人間、マルコの象徴である獅子、ルカの象徴である牡牛、ヨハネの象徴である鷲)が配置されている。

そこから身廊に入って後ろを振り向くと、まさに「シャルトルのブルー」の3枚のステンドグラス。これが1番古く、12世紀のもの。向かって右側(北)からブルー、やや黄味がかったブルー、黄色が主体で、それぞれキリストの誕生(旧約聖書の世界)、生涯(新約聖書)、受難を描いている。モチーフも、右は四角、左は丸、中央はその組み合わせとなっている。その上には13世紀の薔薇窓。内陣に進むと、両側に当時の職能団体が寄進したステンドグラスが並ぶ。中央部の地面には巡礼の道を象徴する12世紀の迷路。右手の南薔薇窓は15世紀。建物は、柱を交差させて、37mの高さを支えている。内陣の周囲は16世紀のフランボワイヤン様式の、石灰を掘り込んだ彫刻。前方には9世紀に納められたマリアの絹の一部と、黒いマリア。

明らかにシャルトル大聖堂は、土地の大地母信仰と結びついた、マリアに捧げられた教会であり、ロマネスク建築から力強さとボリュームを受け継ぎ、そこにゴシック的な垂直的飛躍を付加した壮大な教会である。

お菓子屋さん
□Migeon:ミジョン
2bis, rue du Soleil d'Or, 28000 Chartres Tel: 02.37.21.52.91
マルシェの近くのモダンなお菓子屋さん。メンチコフあり。(2002/8/24)

□Chez Bazile:シェ・バジル
15, rue de la Pie, 28000 Chartres Tel: 02.37.21.01.57
パレ・メンチコフあり。(2002/8/24)

グルメスポット
□マルシェ
かなり異臭を放っているマルシェには、野菜、肉、パン、チーズ屋さんなどが並ぶ。パン屋には、ボース地方の良質の小麦で作ったと思われるパン。素朴なアーモンドパイのダルトワは、ちょうど若い姉妹がお買い上げ。チーズ屋では、季節柄か土地柄か、山羊のチーズが目に付く。(2002/8/24)

□La Strasbourgeoise:ラ・ストラスブルジョワーズ
20, rue de la Pie, 28000 Chartres Tel: 02.37.21.37.61
お惣菜屋さん。シャルトルのパテPate de Chartrlesは、ホールのものと、大きく作って切り分けるもの。他にリヨンRillons、サーモンのパイ包みCoulibiac de Saumon、クルビアック(ロシア風のお総菜)など。(2002/8/24)

●コルムリーCormery


コルムリーはトゥールから約20kmの小さな町。おそらくここのマカロンが有名でなければ、立ち寄ることはなかっただろう。マカロンは私にとって地方菓子探訪の原点ともいうべきもの。コルムリーのマカロンは形がユニーク。リング状なのである。まるで泉屋のクッキーのよう。これはおへその形という説があるけど、実際のところはどうなのだろう。

お菓子屋さん
□Maison Pochet:メゾン・ポッシェ
オーナーシェフはOlivier Couleonさん。「俺は毎日このマカロンを5kg作ってんだぜ。材料はアーモンドと砂糖と卵白だけさ。それを混ぜるだけ。昔っから同じ作り方だよ」とのことで、それ以上は教えてくれない。きっと小さな村の小さなお菓子屋兼パン屋が細々と伝統の味を伝えているのだろう。(2002/8/26)

お店は1892年にPochet氏が創業。マカロンの正式名称はAux Veritables Macarons de l'Abbaye de Cormery(コルムリーの修道院の正真正銘マカロン)。12個の箱入りが4.12e。ばら売りもあり、1個0.5e。ポワティエ地方名物のブロワイエbroyeという大判のクッキーもある。5.0e。あとでブロワイエ(砕く)して食べた。

●ビティヴィエPithiviers


この町の名前のお菓子がある(というか、私の認識としては、お菓子の名前の町がある)。ピティヴィエはフランスの伝統的なお菓子で、リッツでも、コルドンでも作り方を習った。アーモンドクリームのパイで、まわりに花びらの模様をつける。似たようなお菓子に、1月6日に食べるガレット・デ・ロワがある。ピティヴィエのお菓子屋さんにガレット・デ・ロワとどう違うのかと聞いたら、「おんなじよ。ガレット・デ・ロワの方が、アーモンドクリームを多めに入れるわね。」とのこと。

お菓子屋さん
□A La Renommée:ア・ラ・ルノンメ
5, Mail Ouest-6, place du Martroi, 45300 Pithiviers Tel: 02.38.30.00.24
「La maison du Pithiviers(ピティヴィエの家)」。ピティヴィエあり。しかも2種類!私が知っていたピティヴィエはピティヴィエ・フィユテと呼ばれていて、折りパイ生地にアーモンドクリームを挟んで焼いたもの。もう1つはピティヴィエ・フォンダンと呼ばれている、アーモンドケーキに白いフォンダンがけしたもの。上にフルーツの砂糖漬けを飾っている。(2002/8/24)

ピティヴィエ・フィユテ
ピティヴィエ・フォンダン

実はピティヴィエでは、パンデピスも名物だとのこと。ハチミツとサフランが入るのが特徴。あとで知ったが、ここにはサフラン博物館なんていうのもあったのだ。この町はピティヴィエで村おこししているようで、観光案内所で配っている地図には、ケーキ屋さんのリストがのっているし、絵葉書には必ずピティヴィエの写真がついている。

□Au Péché Mignon:オ・ペシェ・ミニョン
29-30, place du Martroi, 45300 Pithiviers
ここには長方形に作ってカットして売るタイプのピティヴィエもある。のちほど食べ比べしたが、パイ生地のさくさく感、アーモンドクリームの濃厚さともこちらの勝ち。(2002/8/24)

●ラモット・ブーヴロンLamotte-Beuvron


タルト・タタンの町。人口約5000人。町のお菓子屋さんには、あるある、タルト・タタン。タルト・タタン・コンテストやタタン祭りもあるようだ。

お菓子屋さん
□Hôtel Tatin:ホテル・タタン
5, avenue de Vierzon, 41600 Lamotte-Beuvron Tel: 02.54.88.00.03
タタン姉妹が営んでいたホテル。タルト・タタンはここ、ホテル・タタンを営んでいたタタン姉妹が考案したといわれている。今ではパリや日本のお菓子屋さんで、またビストロのデザートとして必ずと言っていいほどお目にかかるメジャーなデザート。(2002/8/25)

□Jack Lejarre:ジャック・ルジャル
45, avenue de l'Hôtel-de-Ville, 41600 Lamotte-Beuvron Tel: 02.54.88.04.40
1997年のタルト・タタン・コンテストで優勝。タタンはリンゴの形が丸く残っている。ここでは、いわゆるリンゴのタルトもタルト・タタンと呼んでいる。ここでタタン味の飴、タタンの歴史を書いた本あり。(2002/8/25)

□Ayrole:アイロル
52, avenue de l'Hôtel-de-Ville, 41600 Lamotte-Beuvron Tel: 02.54.88.10.08
タルト・タタンはホールのものと、1人分を丸く焼いたものがある。こちらのリンゴは形がなくなるまで火が通ってペースト状。小さい方はピンクがかった色がついている。クロッケ・ド・ソローニュCroquet de Sologneはホールのへーゼルナッツ、スパイス等をまぜた生地を棒状にして焼いたもの。重くねっちりしていて、くせになる味。(2002/8/25)

●その他の町


□Madeleine et Raymond DE LOOP:マドレーヌ・エ・レイモンド・ド・ループ
37899 Sinte-Maure Tel: 02.47.65.65.03
トゥール近郊のサント・モールにある山羊のチーズ「サント・モール」の生産農家。見学、試食できる。ここでは144頭の山羊を飼育している。小屋は強烈な臭いとハエ。ここで食品を作っているというのがすごい。(2002/8/28)

工房でマドレーヌおばさんにチーズの作り方を説明してもらう。まず乳を搾って2時間後に、レンネット(凝固剤)を加える。24時間位で固まってくる。2日後カイヤージュという、穴のあいた型に入れる作業を始める。水が切れたら1時間ごとにお玉で加える。2日後、型から取り出してサント・モールと刻印が入った麦をさす。5日後、灰と塩をまぜたものをふりかける。そして12℃で熟成させる。熟成期間は2ヶ月から6ヶ月。

試食は、若いもの、5ヶ月のもの、フレッシュ(フロマージュ・ブランの状態)にハチミツを添えて、と順番に出してくれる。もちろんリンゴジュースとワインも。このハチミツがけっこう好評で、買って帰った人も数人いた。サント・モールは熟成にかかわらず3.05e。 

□Château de La Grille:シャトー・ド・ラ・グリーユ
route de Huismes et Ussé-BP205, 37502 Chinon Cedex Tel: 02.47.93.01.95
シノンのワイナリー。このワイナリーでは周囲の畑より1週間遅く摘むことで、秋の日差しをたっぷり浴びて、糖度の増したブドウを収穫するようにしている。地元の人たちにより、優れた実だけを手摘みにする。この地での開業は1951年だが、先祖(Gosset)がシャンパーニュ地方で創業したのは1584年。石灰質と粘土質で育てたブドウで造った原酒をブレンドし、アロマの調整を図った赤ワインは、夕陽にかざすとひときわきれいなルビー色に輝くのだそうだ。ボトルの形は昔から伝わっているシャンパーニュのビンを復元したもの。(2002/8/27)

オーナーさんにシャトーを案内してもらう。ここでは95%の赤ワインと、4%のロゼと、1%の白ワインが生産している。27haの畑に16万本のブドウを植えている。収穫したブドウは20℃に保ったステンレスの発酵槽に入れ、4週間ほどマセラシオン。ヴァリック(ボルドーで1回使用した木樽を購入している)に移して15ヶ月熟成。それをステンレス槽に入れてブレンドし、ビン詰めして2~5年熟成させる。5~10年が飲み頃。ロゼは発酵の段階で、ロゼの色になったら(16~21時間後)全体の10%程度を取り出して別のタンクに入れる。このロゼ用に取り出す量によって、残った赤ワインの色を調整している。したがって、ロゼを造らない年もある。

□Musée de la Poire Tapée:ポワール・タペ博物館
7, chemin Buronnière, 37190 Rivarennes Tel: 02.47.95.47.78
リヴァランヌにあるポワール・タぺの美術館。ポワールは洋梨、タペはたたくという意味。つまりたたいた洋梨。実はこれ、隠れたロワール名物。洋梨をかまどで乾燥させて、専用の木の道具で1つ1つたたいてつぶしたもの。9kgの洋梨が1kgになるのだそうだ。19世紀リヴァランヌはポワール・タペの町であった。ところが1985年には、昔ながらの作り方を知っているのはたった1人の老女となってしまった。しかし1987年にそのおいしさを知った人々が協会を作り、保護し、広めていった。アルコールに漬けてデザートとして食べたり、鴨と一緒に煮たり、フォアグラの付け合せにしたりして用いる。商品はジャムのようなビンに詰めたものと袋詰めのものがあり、いずれも250g 8.5e。これを買うとレシピをくれる。タペの作り方のビデオを見た後、ワイン漬けを試食。(2002/8/27)

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