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【フランスおいしい旅ガイド】プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュールの都市別食べ歩き方

美食の国フランス。フランスの各地方には、その風土を活かした料理や伝統的なお菓子があります。フランスを20の地方に分けてそれぞれの特徴をご紹介します。今回はプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方です。

プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール
Provence-Alpes-Côte d'Azur

フランス南部、穏やかな地中海に面した地方。イタリアとスペインに挟まれた交通の要衝である。背後にそびえるアルプスの山々が、北からの冷たい風を遮る。この一帯で最初に街が起こったのはニースとアンチーブ。ギリシャ人が紀元前600年にマルセイユに植民地を置いた。ローマ時代にはガロ・ロマン文化が栄えた。855年プロヴァンス王国が創立された。13世紀初頭、フランス王ルイ8世はアヴィニョンを包囲。1481年フランス王国領となった。14世紀にはアビニョンに法王庁が移転された。

プロヴァンスの名は、古代ローマ属州のプロヴァンキアに由来する。キリスト教化が早い時期に行われたために、クリスマスなどの宗教行事は今でも盛大である。沿岸漁業から沖合で獲れる海産物が豊富。内陸部では仔羊の飼育が行われている。海岸線の東側コート・ダジュールはヨーロッパ屈指のリゾート。19世紀前半に避寒地として注目され、急速に開発が進んだ。ピカソ、セザンヌ、ゴッホなどの芸術家たちもこの地を愛した。

データ
県名:オート・アルプHautes-Alpes、アルプ・ド・オート・プロヴァンスAlpes de Haute-Provence、ヴォークリューズVaucluse、アルプ・マリティムAlpes-Maritimes、ブーシュ・デュ・ローヌBouches-du-Rhone、ヴァールVar
旧地方名:プロヴァンスProvence、コンタ・ヴネサンComtat Venaissin、
コンテ・ド・ニーズComté de Nice
主要都市:マルセイユMarseille、ニースNice

特産品
ニヨンのオリーブ、アプトのフルーツの砂糖漬け、アーモンド(AOC)、シストロンの仔羊、ラバスのトリュフ、エルブ・ド・プロヴァンス

アルコール
パスティス(アニスと数種類のハーブをベースにしたプロヴァンス独特の風味のアペリティフ)

おすすめのお土産
カリソン、缶入りナヴェット、フルーツの砂糖漬け、オレンジの花の水、オリーヴ油、タプナードなどの瓶詰め、エルブ・ド・プロヴァンス、ポプリ、プロヴァンスプリントの布製品、ヴァロリスの陶器

カリソン

■都市別ガイド

マルセイユから東へと旅してもいいし、イタリアからマントンへ入る方法もあるが、一般的にはニースが交通の起点となる。サン・ラファエルからイタリアのヴァンテミリアへ海沿いを鉄道が走る。内陸に点在する鷲の巣村へはバスの便がある。

●ニースNice


世界のリゾート、世界の社交場として輝かしい歴史を持つ町。そんな華やかな香りが残るニースは、いまも世界中からコート・ダジュールの陽光を求めて訪れる旅人を迎え入れる。高台の公園から、大きく弧を描いた白い砂浜が見渡せる。紺碧というのはまさにこの色なのだろう。海岸りのプロムナード・デザングレ(Promenade des Anglais)、つまり“英国人の散歩道”は、19世紀に在住のイギリス人から資金を集めて作った道。高級ホテルやカジノが軒を連ねる。白い小石のビーチから、ヴァカンスを過ごすたくさんの観光客や現地の人たちがそれぞれのスタイルで海を眺めている。

■パリから飛行機で1時間30分。空港から市内までバスで約20分。

モデルコース
サレヤ広場の朝市→旧市街→マルク・シャガール美術館→マチス美術館
(所要半日)

観光スポット
□マルク・シャガール聖書のメッセージ国立美術館 (Musee National Message Biblique Marc Chagall)
門をくぐると芝生が敷き詰められた庭に、南仏らしく糸杉やオリーヴの木が植えられている。建物は石造りで、正面がガラス張りで、しなやかでモダン。日本語のパンフレットもある。1973年に竣工。玄関ホールの奥には、聖書の“創世紀”“出エジプト記”から着想を得たという12点の大作が、あたかも教会の内部にあるかのように展示されている。明るい建築空間に青と緑の神秘的な色調。彫刻の小展示室を過ぎて、突き当たりの6角形のホールには、“雅歌”の連作5点が展示されている。男女の愛が赤の様々な色調で描かれており、強くて優しい世界が広がる。中庭には泉水に姿を写すモザイク。自然の光とゆらめく水が、シャガールの作品に幻想と繊細さを加えている。玄関ホールに戻って通路を進むと、コンサートと会議のためのホール。ステンドグラスが深いブルーの光を放っている。ホールの椅子に座って、“天地の創造”を見つめれば、静かで、澄んだひとときが過ごせる。

□マティス美術館(Musee Matisse)
空に向かって開かれた階段(とパンフに書いてある)から入る入口ホールに、“花と果実”という4.1x8.7mのダイナミックな水彩の切り抜き絵が飾られている。これはフランス国内にあるマティスの作品の中で最も重要な作品の1つ。他には別荘で使うような椅子や、ロココ風の椅子とそれを描いた絵、彫刻等が展示されている。が、デザイン画やデッサンが多く、色の魔術師マティスを実感させる作品の数々。

お菓子屋さん
□Chez Maitre Pierre:シェ・メットル・ピエール
41, rue Massena Tel: 04.93.87.77.95
ネットで評判のイートインありのパン屋さん。奥様は日本人。ニース滞在中何度もお世話になりました。ランチのPolarというピタパンサンドとビンのジュースのセットがおいしい。(2004/2/21)

□CANET:カネ
25 Boulevard Gambetta
カーニバルのお菓子Bugnesがある。オレンジの香りが強い。意外に軽くておいしい。(2004/2/21)

□Cappa:カッパ
7 Place Garibaldi Tel: 04 93 62 30 83
ベニエがあったので1個買おうとしたらおばさんにすごく嫌な顔をされた。ブレットのタルトをサロンで試食。味がない覆われたタルト。ねちょねちょしたアパレイユとブレットと松の実が中に入っている。上に粉糖。生地が固い。ベニエはCanetのものより、よりドーナツに近く、オレンジの香りは弱く、甘味も少ない。(2004/2/21)

□Multari Josephe:ムルタリ・ジョゼフ
8, boulevard Jean Jaures
22, rue Gioffredo
58 bis, avenue Jean Medecin
ニースに3軒あり。サンドイッチをテイクアウト。ジャン・メドサン大通りの支店は、ラデュレ風の広いサロンで、トロペジェンヌもある。(2004/2/21)

■グルメスポット
□サレア広場の朝市Couts Saleya

○シェ・テレサChez Thérésa
名物店。ソッカ、ピサラディエール、タルト・ブレットなど。ソッカLa Soccaとはひよこ豆の粉をベースにした、ニース版お好み焼き。直径1m位の丸い天板で焼かれていて、注文すると切ってくるっと紙に包んでくれる。塩胡椒するのが通の食べ方とか。焦げ目がぱりぱりしていておいしい。(1998/8/22&2004/2/22)

ニース名物の丸い小さなピサラディエールPissaladiere(炒めた玉ねぎとアンチョビ、オリーヴがのったピザ)と、大きく四角く焼かれたガレット・ブレット(ブレットBlettesという立派なほうれん草のような野菜の葉を、茹でてピュレ状にしたものがのったタルト。甘口Sucreeと辛口Saleeがある)も購入。

*マルシェのソッカを作っているアトリエは旧市街にある。
大鍋に豆の粉を溶かした生地が用意されていて、1回分ずつキャセロールで沸かして、巨大なパイ皿に流して窯で焼く。それをマルシェにリアカーのようなもので運んでいく。このアトリエを紹介した「地球の歩き方」が置いてあった。

□Confiserie Florian:コンフィズリー・フロリアン(果物の砂糖漬け工場)
14, quai Papacino, 06300 Nice Tel: 04.93.55.43.50
予約をしておくと、デモンストレーション・ルームのようなところで、おばさんが作り方の説明をしてくれる。基本的には新鮮なフルーツを、温度管理をしながら何度も砂糖液につけて乾燥させて作る。夏の間は職人さんがいないので、機械は作動していないとのこと。2階は販売センターになっていて、下で作られた色鮮やかなフリュイ・コンフィFruit Confit(果物の砂糖漬け)や、それにチョコレートをまぶしたもの、ジャム等がギフト用にラッピングされて置かれている。コンフィはそれはそれは甘そうなので、お菓子に使いそうもない私は購入を控える。(1998/8/23)

□Moulin A Huile D'Olive:ムーラン・ア・ユイル・ドリーヴ
オリーヴオイルのはかり売りの店。店頭で、オレンジの花の水とバラの花の水、陶器のオリーヴオイル入れ、アンショワードAnchoiade(アンチョビのペースト)、サフランSafranなどもある。(1998/8/23)

■レストラン
□Chez Rene:シェ・ルネ

旧市街のMiralheti通りで行列のできる店。ここは店の外にもテーブルが並び、中で飲み物を注文し、向かいのテイクアウトもできるコーナーで、料理を選ぶシステム。巨大ななすを薄切りにして揚げたベニエ(Beignet)、開いたいわしをオリーヴオイルでソテーし、ほうれん草(多分ブレット)のピュレをのせたもの、すり身(挽肉ではない)のようなものを、ピーマン、くり貫いたズッキーニ、玉ねぎに詰めたもの。揚げ物はかなり油っぽかった。しかもなすのフライはほんのり甘くて不思議な味。(1998/8/22)

●ニース郊外食べ歩き

観光スポット
□料理博物館(Musee de L'Art Culinaire)
06270 Villeneuve-Loubet(Village) Tel: 04.93.20.80.51
ヴィルヌーブ・ルーベという町にある博物館。“料理人の王、王様の料理人”と呼ばれるオーギュスト・エスコフィエが1846年10月28日に生まれた家の中にある。受付では、エスコフィエの著書や絵はがきを売っている。向かいには砂糖細工やマジパン細工が飾ってある。実際に使われていたという暖炉のそばには、18世紀の焼き串回し器がある。部屋に入ると、銅や土器のお菓子の型が陳列され、19世紀の調理場にあった道具のミニチュアがある。階段を上ると、彼が育てた2000名にもなるという料理人の写真もある。さらに上には数百にも及ぶメニューをおいている部屋がある。地下は図書室と貯蔵庫、視聴覚室になっていて、資料が閲覧できる。この地方のワインが並べられた部屋では、ワインと料理のマッチングのパネルがあったり、ビデオが見れたりする。ここは料理人にとっては聖地のような所なのだろう。(1998/8/23)

レストラン
□Jacques Maximin:ジャック・マキシマン
689, Chemin de la Gaude, 06140 Vence Tel: 04.93.58.90.75
ヴァンスにある2ツ星レストラン。ヴァンスは、ニースから1時間弱の、マティスが装飾を施した礼拝堂で有名な城壁の町。レストランの入口に、蔦のからまる石の門に<MAXIMIN>の小さな看板。中に入って緑に囲まれた庭園を抜けると、白いパラソルと薄いピンクの花柄のチェアー。原色の花も飾られていて、まさに南のリゾートの雰囲気。もともとはカトリーヌ・ドヌーヴさんの別荘だったとか。南仏料理の伝統を味わえる。(1998/8/23)

●アヴィニョンAvignon


アヴィニョンは城壁で囲まれた、中世の巡礼路の要所にあたる。1309年教会の腐敗を攻撃された法王はローマを離れ、この街に法王庁を移し贅沢三昧の日々を送っていた。観光客で賑わうレピュブリック通りには、レストランのテラスが並び、突き当たりのロルロージュ広場にはメリーゴーランドが設置され、似顔絵書きが並ぶ。

■パリ・リヨン駅からTGVで約2時間40分。ここからシャトルバスで約15分。

観光スポット
□法王庁(Palaisde des Papes)
高さ50mの塔を10も持ち、厚さ4mの城壁に囲まれた要塞。塀の内側の面積は15,000㎡という壮大さ。建物は力強く厳格な印象のパレ・ヴュー(北半分)と、華麗な装飾に溢れたパレ・ヌフ(南半分)からなる。

□サン・ベネゼ橋(Pont St.Benezet)
有名な“アヴィニョンの橋の上で”の歌に出てくる橋。12世紀後半にローヌ川に最初に架かった石橋。22のアーチに支えられた、900mの立派な橋だったが、約500年後に洪水で大部分が流されてしまって、ない。法王庁に隣接したロシェ・デ・ドン公園(Rocher des Domes)から眺めることができる。

レストラン
□Le Mesclun:ル・メスクラン

48, rue de la Balance, 84000 Avignon Tel: 04.90.86.14.60
アヴィニョンの路地裏にあるビストロ。

●アルルArles


ゴッホの“跳ね橋”や“アルルの女”で有名なこの街は、かつてギリシャ人が支配し、さらにはローマ人がローマそのままの街造りをした。ローヌ川を利用した海運業も栄えた。その後、西ゴート族やサラセン人が侵略したが、往時の建築群は今も美しく残っている。

■アクセス
パリ・リヨン駅からTGVで約4時間。

モデルコース
サン・トロフィーム教会→古代劇場→エスパース・ヴァン・ゴッホ→円形闘技場(所要半日)

観光スポット
□サン・トロフィーム教会(Eglise St.Trophime)
北フランスから伝わったロマネスク美術が、この地で大輪の花を咲かせた典型。教会正面入口のポルタイユと呼ばれる彫刻装飾は、その代表とされる出来栄え。扉にある精緻な装飾にも目を奪われる。中庭回廊も必見。

□古代劇場(Thatre Antique)
紀元前1世紀には102mの幅の舞台を持ち、1万2千人ほどの観客を収容する壮麗な劇場であった。5世紀以降、他の建物を造るために劇場の石が持ち出され、廃虚同然になっていたが、かろうじて今の姿にまで修復された。

□円形闘技場(Arenes)
ローマ植民地時代、推定1世紀末に建造されたとされる円形劇場で、中世の初めには要塞に改造されたが、19世紀初めに闘技場として再建され、現在も闘牛に使われている。長径136m、短径107m、2万人を収容。周囲を高さ21m、2階建ての60のアーケードが取り囲んでいる。入口にある塔に上がると、アルルの街の眺めを楽しめる。

□エスパース・ヴァン・ゴッホ(Espace Van Gogh)
以前は市立病院で、自ら耳を切り落としたゴッホは、1889年に数ヶ月ここに入院していた。彼のアルル移住100年を記念して、今は文化センターになっている。中庭はゴッホが描いた当時と同じように修復されている。

□カレ・ラ・ニュイ(Café la nuit)
フォーラム広場の、ゴッホが「星空のカフェテラス」を描いたカフェ。テラスでパスティスを。

●エクサン・プロヴァンスAix en Provence


歴史的にみると、プロヴァンスはイタリアとスペインに挟まれた交通の要所であり、戦争が絶えなかった。が、幸いにも中世の街並みと共に、あちらこちらに古代ローマの遺跡も残されており、ローマ帝国の栄光を伺うことができる。また、眩しい陽光に魅せられてこの地を訪れた画家も数多い。お菓子面ではカリソンを筆頭に、オレンジの花の水を使ったお菓子やパンがあり、期待できる。エクサン・プロヴァンスは人口13万人の街で、12世紀から大司教座も置かれるプロヴァンスの首都として繁栄した。セザンヌがこよなく愛し、現在も大学があり、若い人が多く集まる文化の香り高い都市。メインストリートのミラボー通り(Cours Mirabeau)のプラタナスの並木や立ち並ぶカフェは、何度も日本の雑誌に登場している。大噴水ロトンドが中央に建つのはジェネラル・ド・ゴール広場で、17世紀の市庁舎がある。

■パリ・リヨン駅からTGVで約3時間。ここから町の中心までシャトルバスで約15分。

観光スポット
□サン・ソヴール大聖堂(Cathedrale St.Sauveure)
エクサン観光の目玉。鐘楼がシンボルで、4~18世紀までの、多くの建築様式がある教会である。ファサードだけでも3つの建築様式が見られる。柱は、古代ローマのコリント式。上にある窓はバロック。そして、アーチは11世紀のロマネスク。サンピエトロが石の聖書を持って立っている。

お菓子屋さん
□André Genis
1, rue Gaston de Saporta, 13100 Aix-en-Provence Tel: 16.42.23.30.64
エクサン・プロヴァンスのカリソン屋。大きなガラス張りの立派な店構えで、看板にドラジェとカリソンの工場と書いてあり、カリソンのポスターが飾ってある。サーモンピンクの店内には、プロヴァンス銘菓が並んでおり、奥が工場になっている。「エクスのビスケットBiscotin D'Aix」はたまごボーロのような、オレンジの花の水で香りをつけた固めのビスケットで、中にヘーゼルナッツが入っている。(1998/8/24)

□Béchard
12, Cours Mirabeau, 13100 Aix-en-Provence Tel: 04.42.26.06.78
エクサン・プロヴァンスのお菓子屋さん。お菓子は、砂糖漬けのフルーツをあしらったタルトや、オペラ風のチョコレートがけのケーキなど。(1998/8/24)

●レ・ボー・ド・プロヴァンスLes Baux de Provence


観光スポット
□レ・ボーの城塞(Chateau des Baux)
切り立った岩山の頂には、中世に南仏最強を誇ったレ・ボー一族が城を構えていた。しかし、ルイ13世によって城は完全に破壊され、“死の街”とも呼ばれた姿となる。それが廃虚レ・ボーである。レ・ボーは、ボーキサイト(アルミニウムの原料)とオリーヴオイルが有名な街。ミストラルのせいで、あたりの木がかしいでいるという。村の入口にレ・ボーの歴史を記した看板がある。城へ続く石畳の通りの両側には、プロヴァンス・プリントを扱う店や土産物屋が並んでいる。シャトー美術館が、城(といっても廃虚)への入口になっている。美術館を通って城跡に出ると、かつてオリーヴオイルを精製していた石の小屋があり、昔の機具が置いてある。少し進むとだだっ広い岩場があり、中央に石を飛ばす木製の武器がぽつんとある。その先はかつては城壁であったはずのところだが、絶壁だ。一面のオリーヴ畑が見渡せる。北側はわずかに城の形跡をとどめ、塔にも登ることができる。

□Moulin Jean-Marie Cornille:ムーラン・ジャン・マリー・コルニーユ
rue Charloun Rieu, 13520 Maussane-les Alpilles Tel: 04.90.54.32.37
AOC であるレ・ボーのオリーブオイルを生産しているCoopeerative Oleicole de la Vallee des Bauxs(協同組合)。(2002/10/4)

レストラン
□Baumanière:ボーマニエール
13520, Les Baux de Provence Tel: 04.90.54.33.07
レ・ボー・ド・プロヴァンスにある2ツ星レストラン(2002年現在)。テラスで日差しを浴びながらのランチは最高。(1998/8/26 & 2002/10/4)

●マルセイユMarseille


マルセイユは、紀元前600年から港町としての歴史を持ち、フランスの玄関として栄えた。フランス第2の都市である。ガイドには“町特有の治安の悪さで有名だったが、ここ数年で健全な観光地へと移行している”とあるが、いやいやまだなんとなく雰囲気が悪い。歩いている人も人種が違うような気がする。それは各自注意するとして、食べ歩きの大きな目的は、ブイヤベース(サフラン風味の魚介の煮込み)とナヴェット。

■アクセス
パリ・リヨン駅からTGVで約3時間。

観光スポット
□ノートル・ダム・ド・ラ・ギャルド寺院(Basilique de Notre Dame de la Garde)
丘の上の1853~1864年に建てられたロマネスク・ビザンチン様式の白い寺院で、マルセイユのシンボル的存在。46mの鐘楼に立つ黄金色の聖母マリアが、街の人々と港を出入りする船を見守ってきた。内部には神に感謝して捧げられた、おびただしい数の額が納められている。テラスからは360度の素晴らしい眺望が楽しめるのだが、とにかくすごい風。塀にしっかりつかまって、市街や“岩窟王”の舞台になった海に浮かぶイフ島を見渡す。

お菓子屋さん
□Four des Navettes:フー・デ・ナヴェット(ナヴェットのかまど)
136, rue Saint Victor, 13007 Marseille Tel: 04.91.33.32.12
「ナヴェットNavettes」はオレンジの花の水で香りをつけた舟型のビスケットで、ここマルセイユのスペシャリテ。正式にはナヴェット・ド・サン・ビクトワールNavettels de Saint-Victorという。この店は、創業1781年という由緒正しい店。毎年2月2日になると大司教がやって来て、焼き上がったナヴェットを自らオーブンから取り出すのだそうだう。赤いTシャツを着たおばあちゃんが説明をしてくれる。かわいいデザインの保存用の缶もある。そういわれてみると、乾パンのような味。店内にはかなり年季の入ったポスターや、1~72本までの価格表等がある。パン屋も兼ねていて、伝統的にはクリスマスに食べるパン菓子、ポンプ・ア・ルイユPompe a l'Huile(オリーヴオイル入りの発酵生地で作る平たい菓子パン。オレンジの花の水で香りをつける)もあった。(1998/8/25)

レストラン
□Chez Loury:シェ・ルーリ

3, rue Fortia, 13001 Marseille Tel: 04.91.33.09.73
マルセイユの旧港近くのレストラン。入口に日本語のメニューがあり、シェフは来日経験があるとか。私達がお菓子めぐりをしていると知って、何種類ものタルトを焼いていてくれた。これには感激。ブイヤベース。正式な食べ方は、まず、スープだけが出てくるので、クルトンを浮かべ、好みでルイユ(アイオリ、つまりにんにく入りマヨネーズに唐辛子とサフランを加えたもの)を入れて食べ、続いて魚だけを食べ、2度おいしいと予習していったのだが、一緒になって出てきてがっかり。(1998/8/24)

●プロヴァンス郊外


□ポン・デュ・ガールPont du Gard
ニームとアヴィニョンのちょうど真ん中あたり、ガルトン川に架かる長さ275m、高さ49mの3層建てのアーチ型石橋。古代ローマ人が造った巨大な水道橋である。紀元前19年頃に造られたという。現在も1層部分を自動車が橋として使用している。川では泳いでいる人達がいて、とても気持ち良さそう。かなり深いらしく、切り立った岩場から飛び込んでいる人もいる。

グルメスポット
□Le Mas des Abeilles:レ・マ・デザベイユ
Col-le-Pointu, 84480 Bonnieux Tel: 04.90.74.29.55
ボニューBonnieuxにあるハチミツ農家。リュベロン山脈のなだらかな山道を進み、ようやく見つけた小さな看板の向こうに林と蜂の巣と思われる四角い箱がぽつぽつとおいてある。その脇を歩いて行くと、小屋という感じの白い建物がある。中はまず売店になっていて、その奥が工場。最初の部屋ではスカーフをして、フレヤースカートをはいたおしゃれなおばあさんが製品のラベル張りと箱詰めをしている。見覚えのあるフォションのラベルもおいてある。もしや中身はここのハチミツ?カメラを向けるとおばあちゃんたら、さっとスカーフを直して微笑んでくれる。その奥にハチミツを作る部屋がある。ハチミツは、まず木枠に蜂の巣を作らせて、そこに蜜をつけさせ、蜜をためる。そして木枠をはずし、蜜蝋を切り取って立てかけると、一番搾りがとれる。更にそれを遠心分離器にかけて絞り出し、純粋なハチミツをとる。実演をしてくれたのだが、遠心分離器につながれたタンクには、黄金色の液体がたまっていく。なんともいえない甘い香りが部屋中に漂ってくる。日本でハチミツというとアカシアくらいしか一般的ではないが、パリにはハチミツの専門店があるくらい色々な種類が出回っている。栗とか菩提樹といった木の香りのするハチミツもあるが、これはその木につく虫にたかった蜂を集めて蜜をとるそうだ。それであんなに香りがつくのがちょっと不思議。ハチミツは天然のものなので、年によって味が違うとか。(1998/8/25)

□Château La Nerthe:シャトー・ラ・ネルト
Route de Sorgues, 84230 Châteauneuf-du-Papu Tel: 04.90.83.70.11
シャトーヌフ・デュ・パプのワイナリー。400年近い歴史を誇るトップシャトーの1つ。モダンな白い宮殿風の建物。見学、試飲できる。北のヴィエンヌから南のアヴィニョンにかけてのローヌ川沿いのぶどう畑は、ワイン産地上、コート・デュ・ローヌに分類される。その南部はローヌ川によって運ばれた石や砂利が堆積し、強い日差しが照りつけている。この地方を代表するのが、“シャトーヌフ・デュ・パプChateauneuf-du-Papu(法王の新しい城)”と名付けられたここのワイン。13品種のぶどう栽培が認められており、ワインはアルコール度数が高く、厚みがある。マダムの説明によると、ワイン造りは、2世紀古代ローマ人に始まる。14~15世紀ローマ法王がアヴィニョンに居を移したことから、この辺りでのワイン生産が始まり、1560年ここにカーヴができた。現在のシャトーは18世紀に建てられた。イギリスに最初に輸出をしたシャトーの1つである。1865年フィロキセラの被害を受け、アメリカの苗に植え替えた。第2次世界大戦時にはドイツに占領された。1985年、今の当主が買い取り、改築。伝統を重んじつつ、新しいものを取り入れ、10年、20年後を目指して、やや軽めのワイン造りをしているという。面積は90ha(赤84ha、白6ha)、品種は13種類全て植えている。赤がグルナッシュ60%、シラー20%、ムールヴェードル15%。その他合わせて5%。白はクレーレット24%、ルーサンヌ21%、ブールブーラン29%、グルナッシュ・ブラン26%。生産量は白が15%。シャトーヌフ・デュ・パプ全体から見ると、この比率は高い。ロゼは作らないのかとの質問に、近くにタベルという名産地があるので、作らないとのこと。ステンレス槽は10あり、5人で管理している。収穫は白が8月末、赤が9月中、140人で手摘みしている。樽はオルレアンのものを85年から使用。できたワインの80%は輸出している。ということで、カーヴを見学し、部屋を移して試飲。広いテースティング・ルームには大きなタペストリーが掛かり、20人掛けのガラスのテーブルがある。ちゃんと日本の国旗を飾ってくれている。(1998/8/25)

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