見出し画像

待合室で人間観察を

またまたごぶさたしております。
デジタルデトックス、しようと思ったわけではないですが、結果的にデトックスしてしまい、そうなってしまったらしまったで・・・

「わるくない」つぶやきながら手はあごです。

いろいろ書きたいことがフツフツしてきたのですが、まずは直近の小ネタから。

脳神経外科に行った話です。(無事です)

寒い日でした。
一人で炊きたてのごはんと、できたての豚汁を食べたら、体の中からめちゃめちゃ温まったわけですよ。
体の中から温めるのってお腹に湯たんぽ入ってるみたいなもんで、即効性があると信じてるんですが。

食べ終わってテレビでも見ようかなと、ホッと一息ついたとき。

目がかすむんですよね。まぁまぁお年頃なので目肩腰とか霞み目とかいくらでもコマーシャルしてるくらいだし、あるあるじゃないですか。

そのぼやけた部分がちょっと視界の端から中央寄りに移動してきて、その境界がキラキラし始めたんですよね。

テレビ見てる分には気にならないんだけど、スマホ見てるとめっちゃ邪魔!!
焦点ずらさないと文字打てないみたいな。

キラキラがだんだん激しくなってきて、ギラギラに。
三角の旗の連なった飾りあるじゃないですか。
あれのギラギラ発光してるパターン。

目玉の形をギラついた飾りが縁取っていて、縁取りの中はぼやけている。

なにこれ、やばくない?

明日の朝一で病院だ。
あ、明日他の予約の日だ。
予約済ませてからにするか。
あ、これ運転できそうにないや。
WEBでキャンセルしないと。
あ、スマホ見えない、こともないけど見にくい。
狭い視野の中で必死に予約を変更。
眼科かーまた瞳孔開かれるのいやだな。
(少し前に初めて眼底検査を受けて、瞳孔を開かせる目薬をされるととにかくまぶしい。外界に連れ出されたモグラの気分が数時間続く)
サングラス持って行かなきゃ。

っていうか・・・
どっちの目がおかしいのか片方の目を覆ってみたり、目をつぶってみてもアレは見えるんだが。
ギラギラから逃れられないという事実。

絶望していたら、夫が帰ってきた。
あとで聞くところによると、パニックで顔色が悪かったらしい。
「ギラギラで見えない~大きくなっていってる~」と訴えると、
「ギラギラがもっと大きくなって消えたらいいのにね」とか呑気なことを言う。

「ほんとにそれどころじゃないんだってば!!運転できないし、仕事もできないし、本も読めないし、ATMでお金もおろせないし」
もっと他にあるだろーと思ったけれど、とっさに浮かんだATM。

「目を休めたら?」って目を閉じても見えるんだってば!
敵は視力じゃなくて脳に直接仕掛けて来てるんだって!!

あ、眼科じゃなくて、脳神経外科なのかも。

はじめての領域である。
敷居高いな。

「視界 ぼやける ギラギラ ギザギザ」で検索。

どーん。出ました。
きっとみなさま検索されたら出てくると思うので、今はあえて書きませんが、
な、名前がついとるんかー!!!
検索するワード並びで恥ずかしかったので、名のある現象であったことに驚きとすこしの安堵。

そうこうしているうちに、オーロラが過ぎ去るように消えていったんですけどね。時間にして20分少々、なかなかの恐怖体験でした。

検索では病院に行かなくていいという意見と、行ったほうがいいという意見両方あったので、脳神経外科を探す。

運転怖いし徒歩圏内に新しい脳神経外科を見つけた。口コミは3点台だったけどこの際関係ない。

病院に着いたら案外混んでいた。
こんなにご高齢の方ばかりとは思っておらず。娘さんと思しき方や、介助の方が付き添っておられるような方や、車いすや歩行器?の方ばかり。
脳神経外科ってそういうことか~と見て学ぶ。
わたしと同年代で来られている方は、明らかに体調が悪そうで、なんだか怖気づいてしまい、受付の人に「わたし、そんなに重篤ってわけじゃないんですけど・・・」と小声で確認した。

待合室は車いすも通りやすいようにゆったりとソファが配置されており、その中を10人ほどの人が間隔をあけて座っていた。

こんなに流行っているのに、口コミ3点台とはいかに。
そもそも書きそうな年齢層いないんだけど。
口コミがこの世のすべてを反映しているわけでもないという一面を垣間見る。

一人のおじいさんが、他の患者さんの付き添いの方に話しかける。
会話がまる聞こえなので、わたしより早い時間の予約の人が診察まだだとわかる。まじかー腹減ったよーとひそかに思う。

そのおじいさんは、ちょっとヌシっぽくてちょっと文句が多い。
現役時代の地位が高い方だったのかなーなんて想像したりする。ただの決めつけですが。

おじいさんが話しかけた付き添いの方の患者さんは、頭を打ったかなにかで重篤そうで、看護師さんらしき人が出てきて話を聞いたり、頭部の様子を診たりしていた。
ぜひとも早く診察してさしあげていただきたい、と思った。

その看護師さんらしき人が奥に引っ込もうとしたところを、おじいさんが声をかけた。
「まだなのかな?」「お待たせしてすみません」で終わるかな、と思ったらそこからおじいのトークが止まらない。完全に捕まった看護師さんらしき人。

ところどころ聞こえてくる会話を、想像力と独断と偏見でくっつけると、

ワシおいしいお店知ってるから、連れて行ってあげるよ、ってことらしいのだ。しかも〇曜日って仰っておられるけど、ちらりと見たらそれ休診日!
キミあいてるよね、と言わんばかり~
仲良しならいいんですよ。

なんていうか、連れて行ってあげるから感が強いっていうか。
相手にとってはありがた迷惑かもしれないけど、そんなこと露ほども思ってないっていうか。
わたしも、子どもには「美味しい店連れて行ってあげるから~おいでよ~」とか言ってしまうから、変なニュアンス出さないよう気をつけよう、と肝に銘じました。

まぁそんなやり取りからしても、やはりお偉い方だったのかな、と確信を強くしました。
そんなこんなで10分ほど看護師さんらしき人は捕まってしまい~
何度も腰を上げようとなさり、話を切り上げようとなさり、バックヤードに戻ろうとしているのに、終わったと思いきやまだ続いてたおじいトークに留められての繰り返しで。
いたたまれなくて、「えぇい」とその会話をぶった切ってやりたくなりましたが、「いえいえ、わたしはただのいち初診患者どすえ~」とじっとがまん。
解放されてよかったです。

平和なひとときが戻り、若手の患者さんがトイレに入られました。
すこしして、頭を打たれたらしきおばあさまもトイレに行こうとされました。立ち上がるのも介助の方の力が必要なご様子でした。

あぁ、トイレは一つしかないから~今使用中~と思ったけれど。
介助の方が、「あら」と赤のサインに気づかれて、そのまま立ったまま待たれてました。
たしかに、先に入られた若手患者さん時間がかかっておられるな、とは思ったのですが、
先ほどのおじいが「誰も入ってないんじゃないか?」と、きょろきょろ見回して、やいのやいの、「入ってるのか?『早く出て来い』って言ってやれ」みたいなことまで言いはじめ、
「やめてあげてー!!」と思ったところに、若手患者さんが出てこられ、たぶん気づいておられなかったからよかったけれど、おじいさんに憤慨ですよ、内心。
でも、わたしもお節介してしまうこと多々あるので気をつけよう、と思いました。

そしておばあさまがトイレに入られたんですが、介助の方は一緒に入るわけではないんですね。
椅子から立ち上がるだけでも大変そうだったので、トイレも時間かかるだろうな、診察呼ばれちゃうんじゃないかな、などと一人やきもきしておりましたら、呼ばれてしまったのですよね~でもトイレなわけですよ。

あぁ、と思ったら、わたしが呼ばれてしまい・・・
「次わたしなの?!」一部始終を見ていただけに申し訳なさも倍増なんですが~
もう出てこられるところならば、少し待って差し上げて・・・
と思ったけれど、それもわたしが差配することではないので、とっとと切り上げてまいりますわね!と診察室に。

Dr.アン(アンミカっぽい口調の先生だったから)にひとしきり昨夜の現象を伝えると、
「あーもう典型的な閃輝暗点ね。大丈夫よ。検査もしたかったらしてもいいけど、まーしなくてもいいわね」
「はーい、じゃあいいでーす」と帰ってきました。


最近、新しい病院に行くことが多いので思うこと。

WEB予約、WEB問診は便利だけど、高齢者で対応できない人は不利になってしまうこともあり気の毒に思う。
お会計もセルフレジ方式のところが増えて、使える側にいる者にとっては便利だけれど、ご苦労されていたり。

今回はそれに加えて、
ふだん街では、活発なお年寄りしか見かけないから、「お年寄り元気~」と思っていた節があり。
動作が不自由だったりゆっくりだったり、付き添い必須だったり、生活が困難な方の存在を忘れていたわけではないけれど、今はわたしの日常にはほとんど登場しなくて。
近いうちに親を介助する側に回るんだな~とか、わたしがもっと年老いたら一人で病院に行くことも難しくなってしまうんだな~とか、いろんなことを考えた脳神経外科体験でした。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?