彼はわたしの運命の人じゃなかったけど、わたしの運命を変えた人だ。

「ちゃむちゃんとの付き合い方をどうしたらいいのかわからなくなってます。好きかどうかわからなくて。」

あのLINEが届いた日、わたしは珍しく1日中連絡がつかない彼を心配し、何となく嫌な予感がして憔悴しきっていた。

振られるかもしれない。

特に大きな事件もなかったのに、女の勘はよく当たるものだ。
相手の表情や言動から、あれ？この人わたしのこと好きじゃないのかも。とは薄々気付いていた。

失恋は独立記念日！

なんて前向き（？）な名言もあるけれど、本人はそれどころじゃない。
世紀末のように家で泣きわめいて、弟が「そいつぶん殴りに行くから住所教えろ」と言いだす始末だった。

あれから1年半。
5キロ痩せて、髪を染めて、メイクレッスンに通って、ひとりで京都旅行に行って、20袋のゴミを捨てて、部屋に花を飾り、ボランティアを始め、NYの友達へ会いに行き、パークヨガやアイシングクッキー教室に参加して、仕事を新しくして、ひとり暮らしを始めて、ひとりで飛行機に乗ってヨーロッパの友達へ会いに行き、King & Princeのファンクラブに入った。←今ココ

社会人になってから、ただ平凡に毎日を過ごしていたわたしにとって、こんなにも自分を変えようともがいた経験は初めてだった。
友達も増えて、まわりの人からはいつもキラキラしてるね、と言われるようになった。

本当はキラキラなんかじゃなくて、ただ彼を忘れたくて、彼を見返したくて、彼がもったいなかったと思うくらいの素敵な女の人になりたくて、「彼」を軸に走り続けていただけかもしれない。

もう出会うことはきっとないけれど。
彼は間違いなくわたしの運命を変えた人だ。

『ゴールデンウィークどこ行こうか？』

3か月前から付き合い始めた新しい彼氏からLINEが届いた。

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