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女の子の下着を作ったら、 ねとらぼに載った。

今年の4月に始めたブラライナーのプロジェクトがちょいとバズりを見せた。ある程度の伸びはもちろん期待していたが、さすがに2.4万RTまでいくと作ってる側も驚きをうまく隠せなかったりする...(さっき見たら売り上げも100万を越えていて胸をなでおろした)

もともとこの商品は友達の母親が発案したもので、ぼくがジョインしたタイミングではブラライナーの構想自体は7割方完成していた。「構想はあるのにそれが人の手に届く直前で止まってしまっている、あとワンプッシュさえあれば...」といった状況の中で声をかけてもらった。ぼく自身、メイク動画アプリの会社をやっていたことがあったりと女性向けプロダクトのプロモーションに関しては多少なりともの経験があったので、一緒にやらせてもらうことになった。

個人的にこのプロジェクトで面白いと思ったのは「母親の発案したものに、娘・そして娘の友達(ぼく)が乗っかって世に産み落とす」というチームのあり方。この構図になんだかすごく現代味を感じたのが一緒にやっていこうと思えた一番の理由だった気がする。「個の時代」と言われるとなぜだか"がんばる若者"を不覚にも思い浮かべがちだが、同じ時代を生きている"子育てを終えた親"だって"そこらへんの若者”だって、同じように「個」の道を歩んでいくこととなる(個の時代うんぬんに関してのそもそもの賛否はいったんどこかに置いたうえで)はずだ。

話題作りの裏側

モニターを募集してヒアリングして...  など発売までにいろいろとあったのだがその話はいったんいつかの機会に回すとして、今回は「なぜぽっと出のD2CプロダクトがうまいことSNSでの話題になれたのか」という問いに対する個人的な見解を書き連ねてみたい。誤解がないように先に述べておくが、「話題になる」と「売れる」は大きく異なる。ひたすらにRTされても品質そのものが悪かったり販売チャンネルを間違えていたらもちろん売れないし、いくらバズらせることに失敗してもターゲティング・広告運用が的確であれば大売れすることだってざらにある。あくまで今回は「なぜSNS上での話題作りに成功したのか」、そこにのみ着目して書いていることを承知のうえで読み進めてもらいたい。


ぼくの思う、今回のキーワードは...

「潮目」

そもそも「潮目」とは...という説明の部分から入ると、簡単に言えば「暖流と寒流がぶつかるところ」である。えさとなるプランクトンが豊富で魚が繁殖しやすく、なにかと好漁場になりやすい。

これをSNSに置き換えると、2つの大きな社会的風潮がぶつかるポイントにいかにダイレクトに話題を落とせるか、その精度次第でどれほどの好漁場になるかが変わってくるのだということ。即興で図示してみた(適当すぎて申し訳ない)

ブラライナーの発売決定のツイートをしたとき、予想以上に男性陣からのバッシングのメッセージが多く届いた。一部を掲載するとこんな感じである↓

多少なりともこのような意見が出ることは予想していたが、ここまでおもむろに感情を表現してくると読んでいるこちらも失笑してしまう。一応このnoteを書いてるぼくも性別上は男なのだが(こういうプロダクトに携わってるとなにかと女の子に間違えられがちなので一応...)同性として多少恥ずかしくなるものがある。自分たちはこの悲惨な事態を受け、そしてブラライナーについて言及してくれた多くの女性の方々の投稿を読み、このプロダクトの"存在価値"のようなものが少しずつ見えてきた。言ってしまえばブラライナーはただの下着に過ぎないが、それ以上に男性の偏見が形作ってきた社会の一側面に対するアンチテーゼとして機能するということに気付いた。そして、それをオープンに発信していくことが、このプロダクトを「潮目」にヒットさせることに直結するという仮説のもとでPRの戦略を作っていった。

社会の抱えるなにかしらの問題に対するアンチテーゼになっていてかつ、そのアンチテーゼを放つ方向が時代の尊重されるべきプレマジョリティの意見に合っていること。「商品としての斬新さや品質はわからないけど、いまの時代には必要かもね...」とネットの住民に思わせられるような方向に意図的に持っていったからこそ、今回は「潮目」にうまく当てることができたのではないかと個人的には解釈している。もちろんいろいろな意見はあるだろうが、「時代の流れ」そして「理想論を除いた実社会の流れ」のふたつを的確に掴んでブランディングしていくことが、ブランド価値を擁さないD2CプロダクトのSNSプロモーションには欠かせないのではないかと感じている。

最後に

先ほど「話題になる」と「売れる」は大きく異なるという話をしたが、ブラライナーは話題になるだけでは終わらず(いまのところ)、初日にして売り上げ100万を軽々と突破している。これに関しては、今回のプロジェクトを主導してくれた母娘に大きく感謝したい。正直、デザインや機能性に関してぼくは一切タッチしていない。たまにLINEで送られてくる写真を見て「ん〜、レースいいね笑」とかいういかにも素人な感想を述べたくらいだ。発案者であるお母さんが誰よりも的確にニーズを把握できていたこと、そして娘が汗水を流してその発案をしっかりとしたプロダクトにまで落とし込んだこと。全てを間近で見れていたわけではないが、とにかく熱かった。

そして最後の最後に、今回のプロジェクトを応援してくれた方・ツイートでブラライナーについて言及してくれた方・実際に購入までしてくれた方・モデルを務めてくれたミスコンのふたり・カメラマンをやってくれたイケメンくん(名前が思い出せない)、本当にありがとうございました。いつか恩返しができれば幸いです。

終わり。

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