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サファリでライオンの狩りが見られたのは運だけではないのです2

「ライオンのハンティングが見たい!」
という無茶ぶりに応えるために立てた作戦を実行する時が来ました!
さぁ、結果はいかに!?  前半のストーリーはこちら↓

メスライオン達のターゲット1
私達が目指すプライド(群れ)のテリトリーに到着したとき、ライオンは大きなバッファローを水場に追いこんでいました。

手前のライオンはまだ1歳ぐらいの子供。水たまりの向こうにいるのが成獣

到着早々、期待以上の展開。さあ、メスライオン達は群れでバッファローを倒すのか⁉

ところがお気に入りのドライバ―“あんちゃん”の見解は、
「いや、遠くにイボイノシシがいるだろ。彼らの狙いはあっちだ」

イボイノシシは草に隠れていて、しかも遠い。なんで? 目の前においしそうなバファローがいるのに。
しかし、あんちゃんの言う通りメスライオン達は皆、草原の北に向かって消えて行ってしまいました。

バッファローを残してイボイノシシを追っていくメスライオン達

私達も彼らを追って車を走らせ行ってみると……

ライオン家族、朝ごはん中♪

ハンティングは成功だったようです。
イボイノシシは小腹を満たす程度の小さな獲物ですが、残り物はないかとブチハイエナ達が早速やってきています。

まるでドキュメントで見るような凄い光景が目の前で繰り広げられています。気になるのは先ほどのバッファロー。
「そろそろ戻ってみるか」
とあんちゃん。彼の言葉では30分もしたらメスライオン達はバッファローの所に戻るだろうとのこと。そこで私達は先回りして戻ってみることに。

メスライン達のターゲット2

狩りに参加せずに残っていたオスライオンが、バッファローを見張っていました。

メスライオンがイボイノシシを食べている方をうかがうオス

バッファロー、なにやっているの?今のうちに逃げればいいのに!
と思うけれど、それも難しい。ライオンはまず獲物のお尻から飛び掛かることをバッファローは知っているのです。お尻を見せて逃げてはかえって危険。

まるまるサファリと大自然の本』(南アフリカ版)でも説明したこれです↑

逃げたくても逃げられない。バッファローはどんな気持ちだったのでしょう。
オスライオンはメス達に、
「早く戻ってきてこいつを倒してくれよー」
と遠吠えしています。

バッファローは逃げられない。もどかしいなぁ。←この時点で私の気持ちはバッファローに傾いている

両者にらみ合いが続きます。苛立ったバッファローが近くのサファリカーに体当たり。
ライオンも決して優勢ではありません。ときどきバッファローに「逃げるなよ!」と脅しをかけるものの、本当はメスに戻ってきて欲しくて、メスがいる方角ばかり気にしています。
そして、お尻を見せると襲われることを知っているバッファローは、なんとそこに座り込んでしまいました。

1.苛立ったバッファローが車に体当たり 2.ライオンはしきりにメスがいる方角を気にしています 3.ライオンだってバッファローは怖い 4.お尻を向けられず座り込むバッファロー

メス達はとりあえずイボイノシシで小腹を満たしたようです。でも小さな獲物じゃお腹はいっぱいにならない。お父さんにもご飯をあげなくちゃ。

バッファローがいるこちらに続々と戻ってきました。かっこよくてゾクゾクします。

さっきまでオスライオンと互角ににらみ合っていたバッファロー。一連のドラマをずーっと見ていた私達は、ライオンよりもバッファローに情が沸いてきています。
しかし、メスの登場で運命が決まってしまいました。

バッファローの“命” は “肉”に

かっこいいな~、メスライオン♪ ←もうライオンに気持ちが移ってる(笑

ライオンの群れを率いているのはメスなのです。ちょっと前までは“オスが群れを守り”といった記述も多かったですが、どうやら観察を続けているとメスが優位という見方が主流になってきました。
納得ですね。

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