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フラミンゴの飛翔が見たい!

「フラミンゴってさぁ、生で見るとうるさいし、臭かった」
ーーって言うんだよね、みんな。ナクル湖に行ったらフラミンゴが見たいです!って言うくせに。

でもね、うるさくても臭くても、フラミンゴが一斉に飛び立つ飛翔シーンは感動しますよ!サファリでは枯草の哺乳類が多いので、まずピンクの大群を見るとそれだけ「自然って芸術的だな~!」って感心します。そしてその一つ一つが生きている命。野生の動物の行動は人間にように遊びや無駄が少なく、命の営みに直結していること多いですよね。フラミンゴが一斉に空を飛ぶ姿には躍動感を感じます。ただピンクの姿がきれい♡だけじゃないんです、フラミンゴって。
まずは十数羽が助走を始め、徐々に飛び立ちます。すると回りのフラミンゴもつられるように飛び始め、空には数百羽のフラミンゴが踊るように舞うのです。

飛んだーー!車を停めて助走を始めるフラミンゴがいないか探してみてね

――でも、湖畔で待っていてもなかなか飛ばない。
目の前で「グエーグエー」と騒ぎながら、そこそこ臭い匂いを発しているだけ。湖にクチバシを突っ込んで何かを食べ続けて、頭すら上げてくれない。

車を降りられる場所では、いつもとは違うアングルが楽しめます

ああ、フラミンゴの飛翔が見たい!
アフリカまで行くのだから、ぜひ見たい!
よし!飛翔の目撃確率を上げられる方法を調べよう。せっかく高いお金だしてアフリカまで繰り出すのだから、「フラミンゴ、飛ばなくて残念だったね」で終わらせない。これが『まるまるサファリの本』の使命。←と思っている。

そんな訳で、飛翔のタイミングを調べる取材が始まりました。

2月のナクル湖訪問
前回のアンボセリ国立公園での経験では(2020年3月)、午前中より夕方の方がよく飛んでいました。ナクル湖でも午後に期待しよう。とりあえずフラミンゴのポイント(湖の南東部)に連れて行ってもらうことに。

15時、湖畔に到着。さあ、張り込みの開始です。
ところが空が暗くなり、ゴロゴロと嫌な予感。ポツリポツリと降り始めたかと思えば、あっと言う間にゲリラ豪雨の襲来。ルーフを叩く雨音で会話もできないほど激しい雨です。風も強い、雷も近い、恐い。

これ、来るなーって空

するとフラミンゴに異変が。
それまでコフラミンゴとオオフラミンゴが湖の浅瀬で交わって餌食していたのに、雨が激しくなると、それぞれの塊が出来始めたのです。

小さなコフラミンゴは小さな群れを作り、激しい風に耐えるように身を固めています。

一方、体の大きなオオフラミンゴも群れを作り始めましたが、雨を利用して羽繕いをする余裕。相変わらず食事に夢中のフラミンゴも多いのです。

ゲリラ豪雨は1時間半ほどで去って行きました
そのままずっと観察を続けていると、フラミンゴ達は羽を乾かそうと大きく広げ、パタパタ。
そしてパタパタとやっていると勢い付いてしまうのか、そのまま助走が始まり飛び立っていきます。

飛ぶ前に助走があるので、「あ、飛ぶ!」というのはすぐに分かります

すると回りのフラミンゴ達は、
「何?どうしたの?敵でも来たの?」
と勘違いするのか、皆バサバサと群れで飛び始めるのです。
飛んだ飛んだ!フラミンゴの飛翔です!

フラミンゴが少ない時期でした

あちこちでその光景が見られました。

雨の後って結構飛びますよ!
その後、9月の再訪問でも15時頃に雨が降り、かなりの数が飛んでいました。

雨が降ったあとの夕方は飛翔が見られるチャンスか!?

アンボセリでもこの通り。

アンボセリNPの湖。フラミンゴが多い季節でした

もちろん午前中も飛びますよ。辛抱強く待ちましょう。30分も待てばほぼ飛びます。サファリは忍耐も大事です♪

<フラミンゴ取材の記事 index>
ナクル湖のフラミンゴはどこに行っちゃったの? フラミンゴ探しの旅|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note
フラミンゴを追いかけて①|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note
フラミンゴを追いかけて②|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note
フラミンゴは追いかけて③|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note 
フラミンゴの飛翔が見たい!|武田ちょっこ*まるまるサファリの本|note

『まるまるサファリの本』取材の裏ばなしが全部読めるマガジン
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