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ゾウが600頭も大集合⁉――を探す旅

「アンボセリにゾウが大集合する季節があるんだって?」
某国の国営放送を見た、という友達からラインがきました。
彼女の話では「年末年始の頃、アンボセリ国立公園にゾウがたくさん集まってくる」とその番組は言うのだそうです。
友達:「何百頭も集まるんだって!」
アンボセリNPのゾウの群れは他のエリアに比べて比較的大きく、30頭を超えるものも少なくありません。

夕方はきれいに1列になって歩きます。なぜでしょう?その答えは、いずれ……

何百頭ということは、そんな群れが10以上集まってくるってこと?
私:「なんで?」
友達:「知らない。なんで?」
私:「………」
(;-ω-) =3  

ということで始まった、アフリカゾウを追っかける取材の裏ばなしです。

「私達600頭ものアフリカゾウを見たのよ!すっごいラッキーだったわ!」
という証言を見つけたのは、[elephant gathering amboseli] などの検索ワードで調べ始めて3日目のこと。どの国の誰かは分からないけれど、アンボセリでとにかくたくさんのゾウを見た!という興奮のサファリ報告を、写真付きで伝えているブログがあったのです。12月31日の事だったそうです。

ところがそれらしい話はそれ1つだけ。
更に調べを続けていると、アンボセリのゾウの保護団体のブログに「1月はゾウの数が多い」という一文を見つけました。ただし理由は分からず、「ゾウが好きなフルーツでも実るのかしら」としか書かれていません。
そして12月にアンボセリを訪れた読者の方から、
「私達は200頭ぐらい見ましたよ」との連絡が。12月中旬のサファリだったそうです。

アンボセリ周辺一帯に生息するゾウの数はおよそ1400頭。600頭が本当であれば、そのとき国立公園内に40%ほどが集中していたことになりますよね。百万頭というヌーの群れに及ばないものの、600頭だって巨大なアフリカゾウが集結したら、相当な迫力でしょう。ぜひ生で見てみたい。

机の上で調べるのはこれが限界。あとは行ってみるしかないか。というわけで、
やってきましたケニア!2015年12月
ケニアで40年以上活動している獣医さんにこの話をすると、私がアンボセリに行く前日に彼からMessengerが届きました。
「昨日マサイの知人が、チュルヒルからアンボセリ方面に移動しているアフリカゾウを見たらしい」
アンボセリに向かっている?これは期待が高まる。

12月30日11時半、エミリトゲートから国立公園に入場し南下していくと、湿原のあたりにゾウの群れを発見。いきなり? 数えると100頭は越えていました。

写真では収まりきらない数でした

しかしその後は大きな群れを見つけることはできませんでした。時間はたっぷり6泊7日。それほど大きな国立公園ではないので、何かしらの手応えはあるだろうと思っていたのですが、空振りに終わっちゃいそう。
毎日毎日ゾウだけを探して一日中ドライブをするものの、600頭どころか、せいぜい60頭。

一方、1つの発見がありました
4日目の朝、朝食のためにロッジに戻ろうメインロードを東に向かっていたときです。車道を横切るゾウの群れに遭遇し、車を停めてその様子を見守りました。

悠々と車道を渡っていきます

子供を含めて全部で27頭が目の前を通り過ぎ、左手の草原に向かって去って行きました。すると右手からまた別のゾウの群れがやって来ています。

みんなこっちに向かってきます

そしてさらにその群れの後ろにもゾウの群れが見えます。右手(南)から、次々とゾウが現れるのです。

あ!↓

「あ!」と声をあげた理由、分かる?

アンボセリNPの大地は火山灰土で全体に白っぽく、その土を浴びたゾウの体は灰色に染まっています。ところが体が赤っぽい群れがいたのです。獣医の先生が言っていた「チュルヒル」付近の大地は赤土。アンボセリ国立公園の外からもゾウが集まってきているのは本当ようですね。
あのブログは、複数の群れが一同に集まっているのを目撃したというラッキーな人のものだったのでしょう。

続々とやってきます

翌日、翌々日も同じ時間に同じ場所へ行くと、やはり次から次へとゾウが現われるのを確認することができました。600頭もの大軍団を見ることはできませんでしたが、ゾウが次々とやってくるポイントを抑えられたかも♪ 
もちろん1度きりの取材では結論づけられないので、『まるまるサファリの本』に “ゾウを見るベストポイント!” と載せるにはまだ検証が必要。
更に取材は続くのでありました。

『まるまるサファリの本』取材の裏ばなしが全部読めるマガジン
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