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私の名前は「長男の嫁」

昨年の残暑残る季節に義父が亡くなりました。
認知症の義母の介護をしながら自分の病と闘っている義父を見て生涯連れ添うというリアルを見せてもらったと思っています。
本当は入院したらよかったのですが「たった3日でも離れたら女房が俺のことを忘れてしまうから」という理由で在宅治療に踏み切ったのです。
この時すでに手の施しようがありませんでした。

寝たきりになってから1週間もしないうちに逝ってしまうのですが、いつも仲良くしていた妻の妹(夫からしたら叔母)に
「葬式頼んだぞ」
と一言残して亡くなっていきました。


私と夫は年の差婚で一回り以上歳が離れているので叔母といえど高齢です。
自分とは過ごした時間・経験が違います。
その方に『実際たくさんの方を送り出しているから何でも聞いて。任せて!』と言っていただき、心強い存在でした!

弔問に来られる方達のための買い出しや準備。
とにかくバタバタで、翌日には葬儀場の担当者が打ち合わせに来て細かいことを決めていくのです。
担当者が来る日が決まったときに叔母からメモ帳とペンを渡され、「これから全て起こることと、やる事をメモして忘れないようにするんだよ!『長男の嫁』」と言われたのです。
いつもは名前で呼ばれてたのですがこの時から私の名前は「長男の嫁」になりました。
とにかく粗相のないように努めなければと思いながら「長男の嫁」と呼ばれれば「はい!」と返事をして指示に従っていました。

親戚の名簿を書かなければいけない「長男の嫁」
来る親戚が誰なのか全然分からないので聞いて覚える「長男の嫁」
誰が何を持ってきたのか書き留める「長男の嫁」
親戚以外の人はどんな繋がりで名前は?必死にメモる「長男の嫁」
暦や土日を挟んだ関係で3日間義父は自宅で過ごすため対応に追われる「長男の嫁」
お寺さんに渡す金銭の準備をする「長男の嫁」
長男の嫁ってやることたくさんあるんですね…
まだまだ書ききれないほどの長男の嫁業。

叔母も義妹も弔問に来てくれる人たちとお話しして思い出を語って忙しそうでした。たくさんの思い出を語って笑って泣いて送り出してあげたいですよね。

葬儀場でも準備、打ち合わせ、買い出しに大忙しの「長男の嫁」
とにかく目まぐるしく過ぎ去っていきました!
叔母に指示されたことをしっかりこなさなければいけないプレッシャーの中、忙しくしている私を子供たちはちゃんと見てくれていて…たくさん手を差し伸べてくれました。そのことが一番の心の安定剤でした!
それに私の両親や妹も弔問に来ますから安心感が違いますよね!

本当に大変なことがたくさんありましたが、この経験は今後に活きていくし大切な知識だと思うので、この時のメモ帳は私にとって宝ものになっています。

紆余曲折いろいろありましたので私と夫は今後、叔母と連絡を取ることはありませんが教えてもらったことは大切にし今後に繋げていけたらと思っています。
そして、「長男の嫁」よりも「長男」を前面に出していって夫を支えるのに徹しようと思います。
初盆と一周忌を無事に乗り越えるために早めの準備です。





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