韓国料理と聞いて、何を思い浮かべるでしょう。
一人旅の記録3つ目は「韓国の食文化」について書いてみようと思います。

韓国の発酵食文化

韓国の食べ物は「辛い」と思っている方が多いと思うのですが、実は辛さだけではありません。そこににんにくや生姜、蜂蜜やお酒といったものが入るので、辛さの後ろ側に旨みがあるのが特徴だと思っています。
そして、発酵食の文化ですね。
日本でいう味噌や甘酒なども発酵食ですが、中でもキムチはまさに発酵食。
発酵で面白いのは、常在菌が大きく関わるところです。
菌は、家々でも違うし、自分が持っているものもあります。ですから日本でも同じ場所で、同じ材料でキムチを漬けても、混ぜる人によってまったく違う味になるんです。一度体験したのですが、本当に面白かった。
こんな訳で、お店によってキムチの味はまったく違います。
私が今回食べた中で、美味しかったのは、お店の名前も定かではないですが
（^^;）北村（プクチョン）近くのカルグクスやさんのキムチでした。

発酵の洗礼

韓国では、エイの発酵したものを食べてマッコリを飲んだ時の爽快感を味わうという、飲んべぇの通過儀礼のようなものがあると聞きました。
それが、タイトルでも貼った写真です。刺身⇒蒸したもの⇒チゲと、どんどん発酵しているにおいがキツクなっていくのですが、はい、今回韓国で、その通過儀礼をして来ました。日本に戻ってきてから、クサヤがたぶん一番近いのではないか、という話になっていますが、私はクサヤを食べたことがありませんので、比べられません。
それでも、これは一生忘れられない食べ物になりました（笑）
お店出たら、洋服ににおいがしみついているような…そんな気がしたほどです。

一人飯をする

韓国は家族の繋がりがものすごく深い国です。向こうの女性にお話を聞くと、それが離婚の原因にもなるほどと言うので、なかなかハードルが高いです。家長が威厳を持つ。これは日本ではもうだいぶ、というかほとんどなくなってしまっていることでもあるので、羨ましい男性も多いかもしれませんね。と、話がずれてしまいましたが、こういうこともあって、ご飯は皆で食卓を囲むという文化なので、一人飯は少し前までかなりハードルが高く、今でも、二人前以上じゃないと注文できない、ということもあるほどです。
そんなわけで、ご飯やさんに入るにも気合が入りようでした。
「한명입니다」（一人です）というのにドキドキでした。

日本人と食を考えた

最終日前日の夜、少し遅くに入った「タッカンマリ」（鶏の水炊き）のお店での1コマです。
二人の日本人の女性が入って来ました。
席に着くなり、携帯を出して、ご飯が運ばれて来ても、グツグツに煮えているタッカンマリに目もくれず、話しもせず、ずっと携帯に向かって何かをしている様子。
お店のおばちゃんが、取り分けてくれても少し箸をつけただけで、また携帯に逆戻りという姿を見て、考えてしまいました。

離陸ギリギリまでFacebookに投稿していた渡韓時の飛行機で隣合わせたカップルもそうでした。誰かとご飯を食べる、誰かと旅行をする、というように「誰か」と一緒でも、目の前の人や場所ではないところに意識があるわけです。私も2年前まではいつも携帯を覗き、自分の投稿をチェックするような人だったので分かるのです。あの頃の私は、目の前で起きていることや、一緒にいる人を随分蔑ろにしていたなと思います。
「心」というものを可視化できるとしたら、豊かさとはいったいなんだろう？ということが見えてくるかもしれません。

旅行客が入るようなお店よりも、飛び込みで会社員がお昼ご飯を食べるようなところや、地元の人たちが集う場所でご飯やお茶をすることが多かったせいか、「日本人と食」「日本人と豊かさ」「家族」こんなことを沢山考えさせて貰えた韓国での食事でした。

それからこれから

市場は、東大門の近くにある広域市場と、南大門市場に行きました。広域市場で、ハルモニ（おばあちゃん）から買った冷たく凍らせた甘いシッケ（甘酒を薄めたような飲み物）が、暑い韓国での救世主になってくれたこと。
タイミングを合わせられなくて、食べられなかった広域市場（カンジャンシジャン）のビビンバや鐘路の地下市場のコングクス。
暑い日、北村（プクチョン）でふらりと入ったカフェのアイスコーヒー。

そして安国の「アリラン」で出してもらったプリツェルが忘れられなかったり、そのアリランでママが漬けたキュウリの細切りのキムチ？や、青りんごが美味しかったこと。デリバリーでご馳走になったチキン。

そして留学していた友達と行ったドラマトッケビの舞台になったチキン屋さん。

こうして振り返っただけでも、韓国の美味しくて幸せになれるご飯の時間。また、あの街を歩きたいなぁと、心から願っています。