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1番好きなマイクロフォーサーズカメラがこれです

ちょうど10年前にペットロスになっていた時にデジタルカメラマガジンから仕事の依頼があった。当時はまだ冒険と思われていたマイクロフォーサーズをオリンパスが出すのでそれのムックを作ってくれと言うことだった。それで2009年の夏に出たばかりの、デジタルを持ってヨーロッパに行った。その時の話とマイクロフォーサーズで写真展をやったお話。

パナソニックのデジタルカメラの仕事で広告の撮影に行ったのが2001年の9月であった。ドイツであのわすれもしないニューヨークマンハッタンの大事件に遭遇したわけだ。つまり2001年と2009年ではほぼ10年のタイムラプスがあるからこんなにデジタルカメラが進化したのかと感心したのである。

ヨーロッパ中を撮影して神田小川町のオリンパスのギャラリーで写真展をやった。その時の撮影はJPEGである。広告担当者がそれを聞いて肝を潰したらしいが私は横木と一緒に1時日本JPEGクラブを作っていたのでこれは要するにオリンパスの人との打ち合わせ不足であった。それでも写真展で展示したプリントは非常に大きかったが皆さん狼モードで撮ったと勘違いしてくれたのである。

1番面白かったのはカメラ雑誌などでデジタル画像は狼モードでないと絶対にダメと言う狼モード原理主義者が来て長徳さんやはり狼モードは違いますねと言われたのである。要するに専門家も見間違えるわけである。その話を聞いた当時のオリンパスの偉い人が大変喜んでギャラリーに全てこの画像は全部狼モードではなくJPEGで撮りましたと言うペーパーを表示させたのである。今ではマイクロフォーサーズは市民権を持っているが当時はまだ将来が見えなかった。オリンパスに賛同してその次に参加したのは確かパナソニックではなかったか?

プロ写真家として半世紀いろいろな仕事をしてきたけれどもフイルム時代にはフイルムのフォーマットは大きい方が絶対に勝利と言う暗黙のルールがあった。これは理由があって電子スキャナ以前のアナログの複写方式ではフイルムはフォーマットの大きいほうに絶対勝てないのである。でもデジタルにシステムが変わってからその差は少なくなった。

一例を挙げるならばフルサイズのフイルムの大きさに対してハーフサイズのオリンパスペンなどはデジタル時代のスキャンシステムではやはりフルサイズには絶対かなわないのである。それを逆手に利用して森山大道さんなどはわざとシャープネスの低い画像をオリンパスペンワイドなどでニューヨークで撮影したわけだ。これは写真家がカメラを選ぶ賢い方法であった。現在のマイクロフォーサーズとフルサイズと言うのは私の目から見た限りほとんどその差はないと考えられる。

ソニーのフルサイズのシステムカメラなどでフルサイズのカメラの大きさ重さは結構抑えられるようにはなったけれどデジタル一眼レフのことを考えてみるとやはりフルサイズは大きくて重いのである。私のような年寄りに言わせればフルサイズのデジタル一眼レフを持って2週間のヨーロッパロケに行くとヘトヘトになる。それに対してマイクロフォーサーズだったらピンピン撮影をすることができる。

ところが世の中には耳学問の人が多いから僕の写真芸術にはマイクロフォーサーズなんかダメであってフルサイズでなければ僕の写真美学が許さないなどと立派なことを言う人もいるのである。まず10年早いですねそういう言葉は。

フルサイズとマイクロフォーサーズの違いを実際に現場で仕事をしているプロフェッショナルの人に聞くとファッション写真家でマイクロフォーサーズで撮影したプリントを2メーター× 5メーターの大きさに出力したけれどシャープネスは優秀だったと言う。これはそういうビッグピクチャーは遠方から観察すると言う事もあるからそれはそれで正論であると思う。

私が好きなのはこの白いオリンパスペンなのである。 2009年ごろにヨーロッパや東京でこの白いカメラを斜めがけにしている女子がいてなかなかかっこいいと思った。でもその後は流行になってしまってあっちのデジカメもこっちのデジカメも白いデジカメになってしまった。

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