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【事例】ロアッソ熊本がクラウドファンディングを実施している件

今回のお題はこちら。久しぶりだったので真面目な話になった。

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①熊本地震復興支援マッチ

話が長くなるのが分かりきっているので先にロアッソ熊本のプロジェクトを紹介しておきたいと思います。

4月15日に開催される2018明治安田生命J2リーグ 第9節 ロアッソ熊本vs東京ヴェルディを復興支援マッチと位置付け、そこで実施するイベント費用を集めるというのが本プロジェクトの趣旨のようです。

熊本地震から2年が経ち、記憶が薄れかける頃合いでもあります。いい試合になることを心より願っています。

少額ながら参加しておきました。皆さんも是非。

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②クラウドファンディングとサッカー

今さら説明する必要があるのか疑問ですが、クラウドファンディングとはインターネットを介した資金調達手法の一つで、一般的には寄付額に応じてリターンを提供するケースが多いです(絶対ではない)。

特定の目的を設定して資金調達するのが基本的なスタイル。単純に「支援して下さい!」よりも「○○するのに△△円足りないので支援して下さい!」の方が資金を集めやすいからかもしれません。

チケットを買ったりグッズを買うのもクラブを助ける方法ではありますが、「もっと直接的に支援したい!」という思いの受け皿としてクラウドファンディングはアリでしょう。

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③Jリーグ×クラウドファンディング

Jリーグでも貴重な資金調達手段としてクラウドファンディングを活用するクラブがちらほら出てきている印象があります。

最も有名なJリーグ関連のクラウドファンディングと言えば、グルージャ盛岡による「キヅール」立体化プロジェクトでしょう。

アンケートとったらネット民の悪ノリですごい尖ったデザインになったり、クラブ内もごたごたしたりと色々と大変でしたが、最終的にパトロン(寄付者)は1069名、金額も目標の300万円弱を大幅に超える500万円強が集まりました。Jリーグ屈指の成功例です。なお自慢げにぬいぐるみを見せびらかしたら「何この不気味なの…」と引かれて凹みました。大事に飾ってます。

また、FC琉球は2016年2018年にプロジェクトを実施し、いずれも目標額を上回る金額を集めて無事成功しています。ジンベーニョラッピングバスかわいい。

北海道コンサドーレ札幌も過去3回クラウドファンディングに挑戦。2014年のプロジェクトは大失敗でしたが、2016年2017年のプロジェクトはリターン品を強化することで成功しています。

ガイナーレ鳥取もやってましたがカニは卑怯じゃないですか?

④クラウドファンディングの難しさ

クラウドファンディングというのはネットを介するためコストを低減でき、本来マッチングしない人からも資金を集めることができるという意味で有効な手法です。

一方、とりあえずクラウドファンディングやってみようという程度だと上手くいかないことも多いようです。その代表例が先日終了したセレッソ大阪のクラウドファンディング(厳密に言うとセレッソ大阪スポーツクラブという育成事業専門の子会社)。

最終的に本プロジェクトは目標金額600万円に大きく届かない250万円強で終了しました。それでもよく集まった方だとは思いますが、セレッソというブランドをもってしても上手くやらないと難しいのだろうと感じました。

Jリーグの方が知名度は高いはずなのに、アイゴッソ高知(現高知ユナイテッド。この資金で横竹翔を獲得したらしい)や沖縄SVで成功しているということを考えると、やはりSNS等を活用して上手く話題にできているかどうかが大事なのかもしれません。

むしろ地方の資金力の乏しいクラブの方が必死さが伝わって上手くいきやすいのかもなぁと思ったりします。

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④ロアッソ熊本のクラウドファンディング

翻ってロアッソ熊本のプロジェクトですが、リターン品が少し気になっているところです。リターン目当てなんてけしからんという意見もあるでしょうが、人を集めるのにリターンが重要なのは紛れもない事実でしょう。

こういったクラウドファンディングのリターン品はプロジェクトの目的物であったり、活動報告やプロジェクト主が出せる物品・サービスだったりというのが多いように思います。

今回、ロアッソ熊本が供出するのは下記の商品。

・御礼状
・実施報告レポートWEBページ閲覧権
・2018ロアッソ熊本ホームゲーム観戦チケット(A席)
・ロアッソ熊本ミニタオル
・ウォーミングアップ選手入場時ハイタッチ権(4/15東京V戦)
・ピッチサイドシートペア観戦権(4/15東京V戦)
・ロアッソ熊本タオルマフラー(ご当地柄)
・ロアッソくんピンバッヂ(非売品)
・ロアッソ熊本練習着(種類は選べません)
・VIPペア観戦権(駐車券付き)※試合日指定不可
・2018ロアッソ熊本感謝の集い参加権
・【全選手サイン入り】2018オーセンティックユニフォーム
・実施報告レポートWEBページ閲覧権

ぱっと見た限りではよくあるリターンという印象です。良くも悪くも。

ただ、せっかく熊本地震という大きなテーマを設けているのですから、他サポも引っかかるようなリターン品を用意できればもっと良かったなと思います。コストとか手間とか色々考えると難しいのかもしれませんが。

個人的にはロアッソくん関係をもっと増やしても良かった気はする。DJコバさんでもOK。ロアッソくんおねえさんでも(以下自主規制

もちろん検討はされているとは思うのですが、寄付者がどういった属性なのかを想定して、その人たちが引きつけられるようなリターンをもっと用意できるようになるといいなと思います。少なくともシーズンパス購入者や他サポにとってチケットの選択肢は全部消えますから。

スポンサーとの兼ね合いや前述したように手間やコストの関係から手を出せないクラブも多いと思いますが、何か特殊な事業を実施するのであればこういった資金調達方法もアリだよなーと感じました。

特にユースとか下部組織の海外遠征と相性がよさそう。

サポートして頂いた金額は、広島のスタジアム建設募金に全額寄付する予定です。