見出し画像

お客さまに「捨てられないパンフレット」を渡すコツ(2)

新潟県・弥彦神社のお膝元で、創業300年を超える弥彦温泉で「四季の宿みのや」の代表(現在は会長職)を務める白崎豊大さん。今回はスケジューリングのコツを伺いました。


今日のスケジュールより「数週間先」が大事な理由

──白崎さんは「超」整理手帳をどう使われているんですか?

白崎:「超」整理手帳(スケジュール・シート)はデスクにおいて、数週間分をコピーして、このカバーにはさんで持ち歩いていますね。外出先や出張では数週間分の予定がわかれば、それで事足ります。最近は会長職になり、以前ほど忙しくなくなったというのもありますが。

──スケジュール管理をデジタルでやってみようと思ったことは?

白崎:ありません。「超」整理手帳の画期的なところは「予定を見渡せること」にあります。デジタルでは、スケジュールを俯瞰できないんですよ。いまやデジタル=スマホですが、スマホにはスケジュールに一番大切な一覧性がないんです。

──なるほど。白崎さんはかなりお忙しいと思うのですが、スケジューリングの秘訣のようなものってありますか?

白崎:最近は時間の余裕ができましたが、若い頃は本当に忙しかった。人を雇えなくて、夜警や送迎バスの運転手もしていました。息子が小学生の頃「うちのお父さんはバスの運転手です」って作文に書いていました。

──経営者なのに!

白崎:そういった忙しい時代を経験して気づいたことは「忙しければ忙しいほど、今日のスケジュールよりも先のスケジュールを考えることが大切だ」ということです。直前や当日になってから予定に気づくと、やるべきことができていなくて、あわててしまうんです。

──至言ですね。忙しい人ほど、先の予定の把握が大切なんですね。

白崎:そう。今日の細かな予定よりも、先々の予定を把握しておくことのほうがはるかに大事です。予定って、空いてるから入れるというのとは違いますよね。大事なお客様をお迎えしたり、重要な打ち合わせがあるときは、準備が大切でしょう。この日くらいまでにあれをやっておこうとか、このあたりは少し余裕を持たせておいたほうがいいとかという、段取りが必要になります。そのために、先を見通すことが必要なんです。ページを開いたときに、当日やその週しか見えない手帳では、未来が見えない。だから段取りがうまくいかないわけです。

──たしかに、今日やるべきことは頭にある程度入っています。それよりも、未来にどう仕事を入れていくかのほうが大切なんですね。

白崎:それが段取りだと思うんです。長い時間をいかに見渡し、把握するか。デスクの上にスケジュール・シートを置いて眺めているだけでも、なんとなく仕事の段取りがイメージできます。

──「超」整理手帳は最長8週間を見渡せますからね。

白崎:手帳をパッと広げるだけで、時間を感覚的に把握できる。言葉ではうまくいえないけれど、アナログ時計とデジタル時計の違いのような感じです。手帳に今日の出来事をこと細かに書く人もいますが、その機能はメモ帳や日記でいいと私は思っているんですよ。手帳はあくまでもスケジューリングのためのもの。しかも今日明日ではなく、できるだけ先のスケジューリングです。見渡して、数週間先まで段取りすること。たとえば「今日の待ち合わせ場所はどこだっけ?」とか「今日行くお店の電話番号は?」とか、これらはもう手帳の役目じゃないと思うんです。

──たしかに。そういう細かいことはスマホで、メールやネット検索で確認しますね。

白崎:手帳でやるべきことは、先の予定をイメージすること。それには一覧性が大事で、これはスマホでは難しい。

──その日、その週しか見えないってのはスケジューリングできない、というわけですね。

白崎:毎日忙しそうにドタバタしている人って、先の予定が見えていないことが多いんです。スケジューリングというほどのものじゃなくても、先の予定を見渡すことで、心の中でなんとなく段取りができます。この辺が空いているからあの仕事に手をつけようかかなとか、大事な予定があるから前日は準備しなきゃとか。

──紙の手帳でも、見開き1週間とかでは来週、再来週の予定が見えません。だから直前になってあわてるんですよね。

白崎:「超」整理手帳は最大8週間を一覧できる。約2ヵ月の予定を目で確認できるって、すごいことなんですよ。私は今週、来週しか見えない手帳なんて、不安で仕方がないですから(笑)

──忙しい人ほど、先々の予定を目で確認することが必要なんですね。

白崎:段取りはスパンが長くなればなるほど、難しいもの。長い時間を俯瞰しないとわからないんです。

紙の長所は「伝わりやすさ」と「共有しやすさ」**

──白崎さんはメモ帳をきれいに使ってらっしゃいますね。

白崎:このメモ帳には、気になる新聞の広告や記事、旅先でのレシートや写真をどんどん切り抜いて貼っていきます。そこに日付やメモを書いておく。たとえば仕事で有用な情報なら、メモ帳を写真に撮って相手に送って、共有します。一度お会いして好感触だった旅行代理店の方がいて、すぐさま名刺と話の簡単な内容をメモして営業部長に送ったら、早速仕事を受注したなんていうことも。

──手書きのメモは気持ちが伝わりますね。相手に伝達するときも、デジタルの文字よりも伝わりやすいような。紙の手ざわりって、やっぱりいいものですよね。

白崎:そうなんです。デジタルですべて残そうと、スキャンしたり写真を撮ったりした時期もありますが、パラパラ見返したり、めくったり、という紙の質感はやっぱりいいですよね。紙で残しておくのって、やっぱり楽しいんですよ。

──白崎さんは、紙がお好きと言いながら、かなりデジタルも使いこなしていますよね。アプリや通信関連にもくわしいし、写真のトリミングや簡単なデザインもご自分でされている。

白崎:デジタルの長所はたくさんあるけれど、紙のほうがすぐれているものもあります。メモや手帳はその代表格。それに、わたしどものような現場がメインの仕事は、まだまだ紙のほうが共有しやすいという面もあるんです。

──情報共有を進める中で、従業員の方々意識は変わりましたか?

白崎:情報って、隠すと他人ごとになってしまいます。たとえば月次の資産表は経営陣だけでなく、10人くらいの役職者に公開しています。情報を知ることで当事者意識が生まれ、責任感が育っていくものだと思います。現場で情報共有を進めるときも、A4の用紙をコンパクトにファイルできる「超」整理手帳が活躍するんですよ。

──旅館経営という重責を長年背負ってきた白崎さん。その経験と実績から、スケジュール管理の重要性を伺うことができました。ありがとうとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?