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SUPER GT 直前!見どころと用語まとめてみました

ようこそ!チョウザメくんのシュミ喫茶へ
本日は、4月14日に決勝レースが開幕する2024 AUTOBACS SUPER GT Round1 Okayama GT 300km RACE に向けての予習・復習スペシャルです。
オリジナル用語集も用意したので、ご参照ください。

※この記事は随時更新していきます。

1. SUPER GT とは?

株式会社GTアソシエイションによって主催・認定され、国際自動車連盟(FIA)・一般社団法人日本自動車連盟(JAF)に公認されているレースです 1)。主に、市販されている車がレギュレーションに則って改造され(GTカー)、レースに登場しています 2)。GTとはグランドツーリングの略で、GTカーは、長距離を高速で走るのに適した車です 3)。

SUPER GT には、GT500クラスとGT300クラスの2つのカテゴリーがあります。どちらのクラスでも、2人ないし3人のドライバーが交代して上位を目指し、争います。

今年30周年を迎える歴史のあるレースといえるでしょう。

1シーズンは、全8戦で争われ、新型コロナウイルスが流行する前には、海外でもレースが行われていました。
今年は、「岡山国際サーキット(300km)→富士スピードウェイ(3時間)→鈴鹿サーキット(3時間)→富士スピードウェイ(350km)→鈴鹿サーキット(350km)→スポーツランドSUGO(300km)→オートポリス(3時間)→モビリティリゾートもてぎ(300km)」の順に8戦が行われます 4)。

今年から、レース距離の指定によるレースだけでなく、レース時間の指定によるレースも行われるようになりました 5)。昨年までとは異なったレース時間・距離のため、各チーム・各陣営の戦略がどのようになるか楽しみです。

参考Webサイト
1), 2), 3), 4), 5) SUPER GT 公式ホームページ SUPER GT.net | SUPER GT OFFICIAL WEBSITE

2. 出場車両・ドライバー・タイヤメーカー

まずは、GT500クラスから紹介します。カーナンバー順に配列しています(敬称略)。

2-1. GT500クラス

GT500クラスは、昨年シーズンと変わらず、全15台のエントリーです。
GT500クラスは、ゼッケン番号の背景が白色のため、Car Number を白色背景にしています。
昨シーズンのチャンピオンカーは、ゼッケン番号「1」を名乗ることができますが、今年は採用されていません。

HONDAは、本年からNSX-GT に代わって、CIVIC TYPE R-GT を導入します。
昨シーズンまで、MICHELIN (ミシュラン)タイヤを使用していた3号車、23号車のNISMOの2台は、BRIDGESTONE (ブリヂストン)タイヤを今年から使用することになりました。

タイヤメーカーによる開発競争も激しいため、タイヤメーカーにはそれぞれ固有のカラーリングを施しています。

2024年シーズン エントリーリスト(2024年4月3日現在) 1)
タイヤメーカーの略称(BS: BRIDGESTONE, YH: YOKOHAMA, DL: DUNLOP)


2-2. GT300クラス

GT300クラスは、全27台のエントリーです。
GT300クラスは、ゼッケン番号の背景が橙色に近い色のため、Car Number を橙色背景にしています。
昨シーズンのチャンピオンカーは、ゼッケン番号「0」を名乗ることができますが、今年は採用されていません。

GT500クラスに比べて、多種多様な車両が走るという特徴があります。
本年からは、FERRARI とASTON MARTIN, NISSAN Z が参戦します。さらに、25号車のHOPPY GR Supra がついに復活します。

タイヤメーカーによる開発競争も激しいため、タイヤメーカーにはそれぞれ固有のカラーリングを施しています。

2024年シーズン エントリーリスト(4月3日現在) 2)
タイヤメーカーの略称(BS: BRIDGESTONE, YH: YOKOHAMA, DL: DUNLOP, MI: MICHELIN)

参考Webサイト
1), 2) SUPER GT 公式ホームページ SUPER GT.net | SUPER GT OFFICIAL WEBSITE

3. 予習・復習のできるシーズン?

3-1. オススメのシーズン

2021年シーズンが個人的にはオススメです。これは、2021年のRd.1では、SC(セーフティカー)しか導入されていませんでしたが、Rd.2以降では、SCに加えてFCY(フルコースイエロー)が導入されたからです。
SCの説明やFCYの説明も丁寧に解説してくれています(詳しくは後述)。


3-2. 公式YouTube チャンネルにアップロードされている動画の画面の見方

それっぽい画面を作って解説します。

さまざまな画面を1画面に凝縮してしまったので、実際にはありえないような画面構成になっていますが、ご了承ください。

SUPER GT YouTube 画面の雰囲気を再現

まずは、画面上部の説明をします。
黒の四角形で「Lap: 〇/ 〇〇」となっているところは、左の黄色い丸が現在のラップ数(ただし、GT500クラスの先頭車両の周回数)で、右の丸は全体のレースラップを表しています。Replayが再生されるときは、この場所に表示が出ます。
黄色い四角形の「SC」は、現在セーフティカーが運用されている状態であることを表しています。SC運用が終わる(すなわち、ランプ部分が消える)と、「SC in This Lap」のように表示が切り替わります。ちなみに、運用終了に近づくと、セーフティーカーの点灯パターンが変わるらしいです。
赤い四角形の「Pit Closed」は、ピットレーンが現在、通常は使用不可(この状態でピットインするとペナルティ)であることを示しています。「PitLane Open」の状態になると、この表示が消えます。
「Leader」と書かれた四角形は、両クラスの1位を走行中の車両の車両名(Car name)と車両番号(ゼッケン番号, Car number)が表示されています。

続いて、二段目の説明に移ります。
画像はGT500クラスの順位を想定して作成してありますが、GT300クラスも同じように表示されます。
オレンジの四角形が順位、白背景の〇が車両番号(ゼッケン番号, Car number)、黒背景には車両名が書かれています。
灰色の四角形は、先頭車両(同クラス)からのGapが書かれています。

再掲画像

右下の説明に移ります。
右下に書いてあるのは、実況・解説が行われている車両についてのラップタイムが表示されています。「〇分〇〇秒〇〇〇」のように、分(min )から1000分の1秒まで記載されます。
また乗車しているドライバーは、水色の四角形の中で、黄色の文字で記されています。

また、2台の複数周回のGapが示されることもあります。
さらに、バトルを繰り広げているあるいはこれから接近する複数台をまとめて表示することもあります。順位把握には欠かせません。


4. 実況・解説でよく使われる用語

公式の見解とは異なる場合がございます。あくまでオリジナルの説明です(出典含むものもある)。

・イエローフラッグ:「イエロー」「黄旗」とも。各区間において、レーシング速度でのレース続行が、この区間のみ難しいと判断されたときに、掲出される。この際、オーバーテイク(追い越し)はクラス違いでも禁止で、違反すると、ドライブスルーペナルティが課される。

・ダブルイエロー:イエローフラッグよりも高速走行が難しいと判断された際、掲出される。この際、オーバーテイクはクラス違いでも禁止で、イエローフラッグよりも減速することを求められ、違反するとドライブスルーペナルティが課される。

・フルコースイエロー:「FCY」と略される。各区間のイエローフラッグだけではレースの続行が困難であり、コース全体をイエロー状態にして車両回収やデブリ(接触による落下物)の回収、オイル清掃などを行うときに、表示・掲出される。FCYのボードが掲出された時点で、オーバーテイクは禁止となり、イエローフラッグが振られると、全車80km制限となる。さらに、ピットレーンがClosed の状態になり、ピットインができない。違反すると、前者はドライブスルーペナルティ、後者はドライブスルーペナルティあるいはペナルティストップが課される。

・セーフティカー:「SC」と略される。FCYでは、いたずらに周回数を消費してしまったり、FROなどが行う作業に支障を来してしまったりする場合に表示・掲出される。オーバーテイクは禁止となるが、安全な範囲であれば、速度を落として走行ができる。ピットレーンはFCY同様、Closed の状態になり、ピットインができない。セーフティカー導入中のスピンは、ペナルティの対象になる。通常、GT500クラスとGT300クラスが入り混じっているため、ホームストレート上で一度、隊列の整理を行う。
先導する車両のこともセーフティカーと呼び、TOYOTA GR Supra やNISSAN Z、HONDA NSXなどがある。

・レッドフラッグ:「赤旗」とも。重大なクラッシュや落雷、大雨など、SCでも、レースの続行が困難である際に掲出される。レースの中断を意味するが、監督ミーティングなどが行われ、レースが不可能と判断された場合には、レース終了を意味することもある。赤旗中は、特別に指示があった場合(ウェット宣言など)を除き、マシンを触ることや作業することは認められない。違反すると、ドライブスルーペナルティあるいはペナルティストップが課される。

・グリーンフラッグ:レースが始まるときやFCY・SCが終了した際、掲出が始まる。レーシングスピードでの走行が可能で、オーバーテイクも許容される。

・ブルーフラッグ:「青旗」とも。周回遅れ(ラップダウン)のマシンで、周回タイムや区間タイムが遅いマシンに対して、後続の速いマシンを抜かせよという内容の旗。あまりにも譲らない場合は、ペナルティが課されることもある。

・黒白旗:4輪脱輪や軽い接触など、ペナルティを課すまでに至らないものに対して、次回同じことを繰り返すとペナルティを課すという警告を表す。

・接触検証中:クラスを問わず、悪質な接触の可能性があるものに対してレースコントロールから発表される。お咎めなし(レーシングアクシデント)や黒白旗、ペナルティが課される場合がある。

・ピット作業違反検証中:ピットに入り、作業を行った際、安全管理義務違反の疑いや給油とタイヤ交換を同時に行うなど、違反の疑いが見られた場合に発表される。お咎めなしやペナルティが課される場合がある。

・ピットレーン速度違反検証中:ピットレーンの制限速度を超えて走行した疑いがあるときに表示される。速度リミッターがうまく作動しなかったことや急ブレーキによる減速が間に合わなかったことが原因となることが多い。

・スティント:1人のドライバーが連続して乗るレース時間・距離をいう。通常、ピットインによって区切られる。300kmレースでは、1回ピットインより、2スティントが主流。
実況・解説陣の交代にも用いられることがある。

・サクセスウェイト:「SW」と略されることもある。レースでの勝利ポイントに応じて追加重量を載せる。おもりのマークの中に数字が書かれているが、その数字が追加重量である。どんなに重い車両でも、100kgまでしか搭載しないが、数字上は加算され続ける。GT500クラスでは、50kgを超えると、燃料リストリクターを1段階から3段階まで調整し、それに見合ったウェイトを載せる。
GT500クラスでは、1ポイントにつき2kg (第7戦は1ポイントにつき1kg)のSWが、GT300クラスでは、1ポイントにつき3kg (第7戦は1ポイントにつき1.5kg)のSWが搭載されることになる 1)。

・ローリングスタート方式:「ローリングスタート」とも。セーフティカー先導で周回した後、自身の予選グリッド上を通過して、シグナルがグリーンになったときにスタートする方式。自身のグリッド上を通過しなかったり、レースがスタートしてスタートラインを超えるまでに前の車両をオーバーテイクしてしまったりすると、スタート手順違反でドライブスルーペナルティが課される。

・ポールポジション:予選(Q2)で最速のラップタイムを出した車両に対してつかわれる。スターティンググリッドは、1番手になり、各クラスのポールポジションの車両には、ポイントの1点が加算される(※2024年以降は異なります。現在、準備中です)。

・ドライバーポイント:「ポイント」とも。各クラスの完走した車両の1位から10位までに与えられる、累積可能なポイント。チームポイントとは別の部門。1位は20ポイント、2位は15ポイント、3位は11ポイント、4位は8ポイント、5位は6ポイント、6位は5ポイント、7位は4ポイント、8位は3ポイント、9位は2ポイント、10位は1ポイント。ポールポジションのポイントは、これとは別に1ポイントが加算される 2)。
レース距離が700kmを超えると、1位は25ポイント、2位は18ポイント、3位は13ポイント、4位は10ポイント、5位は8ポイント、6位は6ポイント、7位は5ポイント、8位は4ポイント、9位は3ポイント、10位は2ポイントとなる 3)。

・コースマーシャル:「マーシャル」「オフィシャル」とも。状況に応じて旗を振り、必要な情報をドライバーに知らせる審判員 4)。各ポストに常駐している。

・FRO:正式名称は、「First Rescue Operation」である。緊急停止したマシンやクラッシュが起こった時など、初動作業にあたる車両。SUBARUのレガシィアウトバック、NISSANのパトロールNISMO、TOYOTAのランドクルーザーといった大容量の車両が用いられている 5)。

・マザーシャシー:「MC」と略される。GT300クラスにおいて、FIA GT3車両・JAF GT車両のほかに走る車両で、GTAが企画・開発した共通モノコック・エンジンなどがキット化されている車両 6)。2024年現在、走行しているのは5号車 MACH GOのみ。

・エアジャッキ:「ジャッキ」と呼ばれることが多い。ピットインを行った際、タイヤ交換を行うために、マシンを地面から浮かせるために用いられる。

・ドライビングスクール:ドライバーの名前をこの語の前に付けて、「〇〇ドライビングスクール」と呼ぶ。車列の先頭を走る車のラップタイムペースが悪く、4台以上が連なった時に使われることが多い。「トレイン」や「串刺し」、「数珠繋ぎ」や「蓋になっている」とも表現される。

・インラップ:ピットインする直前の周回を指す用語。タイヤ交換をする場合、タイヤを使い切るために数周の間速いラップを重ねることが多い。ピットレーンの区域でハードブレーキングをして、タイヤロックをさせることもある。

・アウトラップ:OLと、ライブタイミングモニターでは表示される。ピットインした直後の周回を指す用語。タイヤ交換と給油を行ったマシンにはとても厳しい周回。タイヤが適正温度の範囲内になってグリップが効くようになるまで、ドライブするのは難しい。

・ファステストラップ:同クラスの車両において、レースが始まってからの最も速いラップタイム。レース中盤にはピットインのタイミングを見計らってファステストラップが出やすくなる傾向にある。

・スプラッシュ:給油口に給油ノズルを差しこみ、少量の給油のみを行うことによって、給油義務を消化する戦略。GT300クラスで行われるのが主で、muta などが行っていた。長距離レースにおいて、燃費が良い車両で用いられる作戦。

・スリップストリーム:「スリップ」や「ドラッグ」、「トー」などとも。前の車両が大気の壁を突き破り推進しているため、その後ろには気流ができる。これにより、吸い込まれるようにマシンが近づいていくため、燃費を抑えられるメリットがある。オーバーテイクチャンスにもなるが、長期的にスリップストリームについていると、前を行くマシンの Dirty Air(暖まった、エンジンから排出される空気) を浴びることになるため、エンジンの温度上昇などを引き起こす原因にもなる。GT500クラスがGT500クラスのマシンを利用したり、GT300クラスのマシンがGT500・GT300クラスのマシンのものを利用したりする。

・スローダウン:レーシングスピードではなく、タイヤのバーストやオイル漏れ、冷却液漏れやガス欠などの要因によって、減速走行をすること。イエローフラッグが振られることもある。

・テールトゥーノーズ:「Tail to Nose」。前を走るマシンの後部と後ろを走るマシンの前部が近づくこと。いつでもオーバーテイクの射程圏にいる状態となる。

・サイドバイサイド:「Side by Side」。マシンとマシンが互いに横に並ぶこと。ブレーキング勝負に持ち込める状態となる。

・スリーワイド:「Three Wide」。3台がコース上で横に並ぶこと。サイドバイサイドよりも激しいライン競争が行われる。

・クロスライン:「Cross Line」。主にブレーキング勝負後、「外→内」と「内→外」が交差すること。その次のコーナーまでバトルが続くことも多い。

・グレーテストゲイナー:「Greatest Gainer」。予選ポジションから最も順位を上げた車両に対して使われる。陣営に「GAINER」がいるが、必ずしも「Greatest Gainer」とは、限らない。

・追記用空白


参考Webサイトなど
1), 2), 3), 4), 5), 6) SUPER GT FUN BOOK 2023 SUPER GT FUN BOOK 2023 JP.pdf

5. 最後に

SUPER GT は、国内最高峰のレースの1つといってよいでしょう。
こんなに多い用語などを、見ながら考えるのと思った読者の皆様、ご安心ください。まずは、気軽に見てみましょう!そしてこの記事をおともに見てみてください。

音やスピード感がハンパではないレースを体感してみましょう。

さらに、SUPER GT のオフィシャルサイトでは、SUPER GT ファンブックも公開されています。そちらも併せてご覧ください。

次回は、未定ですが、SUPER 耐久や学習をテーマに書いていきたいと思います。

それでは、また次の記事でお茶しましょう。ありがとうございました。

気になった方は、フォローなどよろしくお願いします!

※画像の無断転用を禁ず。ⒸChozamekun

5月5日 用語ページの一部を更新 ポールポジション・マザーシャシー・アウトラップ・アウトラップ

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