W杯検証 - 日本代表バスケの火星探索記

人類は長らく、地球外生命体や他に命が存在しうる惑星を求めて叡智を集め、宇宙という広大なフロンティアに探索機を多く送り出しています。

今回の男子バスケ日本代表のW杯での戦いも、人類火星移住計画の足がかりになるような、希望が持てる探索でなければなりませんでした。

W杯の自力出場というのは火星まで有人の探索機を送れるようになったのとおなじくらい、日本バスケ界としては偉業です。ここまで来ただけで大きな前進だったことは疑いようのない事実で、僕自身アメリカ戦を前にnoteに記した通り、12名の登録選手はもちろん、ここまでの旅路で貢献した選手ひとりひとりを心から労いたい気持ちです。

と同時に、世界のバスケットボールは日進月歩で進む中、日本バスケは世界に大幅な遅れをとっているのも事実。個人で宇宙まで行けるのは八村、渡邊や馬場といった限られた選手たちだけ。ならば組織として今回のW杯で何を持ち帰ったのか?ここは大いに疑問が残る部分です。

今回のW杯、開幕前にインタヴューで大会の見所紹介と共に、このようにお話しさせて頂きましたが、1勝も出来ない可能性は十二分にありました。

成功と失敗は多角的に見ていく必要があります。仮に予選で3連敗しても、その内容によっては成功したといえるケースも出てきます

と同時に、勝利という結果が伴わずとも“大成功”と呼べるシナリオもあった、というのが僕の見解であり、結論から言うと今回の探索は多くのファンに世界のバスケを知っていただくと言うメリットはあったものの、日本の1戦1戦を詳細に分析していくと、目的やゴールが曖昧に設定されており、その曖昧さが収穫の少なさに繋がってしまっています。

フィジカルの差を思い知った… ということで完結させるのは、まさに記念撮影と表層の石を持ち帰る事と同じです。W杯に出られたことで十分だと本当に選手たちが思っているとみなさんは思いますか?彼らの気概はそんなものではないはずです。

世界に追いつくために1分1秒も無駄に出来ない日本バスケ界が、今回のW杯でより踏み込んだボーリング調査を行い、地質を事細かに徹底的に調べ、大気を構成する気体を詳細に検証したのか?

という訳で、W杯期間中のトライアルとして始めたnoteですが、今回は事前にレビューとして僕が上げた注目ポイントがW杯ではどうなったのか?分析とデータを検証。現地取材によって出てきたコーチや選手たちのコメントも読み解きつつ、日本が五輪で向かうべき先を覗き込むことを試みたいと思います。

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