見出し画像

補いあうことができたなら

昨日、2週間以上ぶりに恋人と会った。
仕事が忙しくて入れ違いが多かった1月。
約束していた日が私の体調不良により飛んでしまって、とても久しぶりの2人で過ごす日だった。

いつものように待ち合わせ場所まで迎えにきてくれる彼は、昨日は少し鼻声だった。
途中、家に忘れ物を取りに帰ったら、
じゅわっとバターが染みた、ほかほか焼き立てのトーストをもってにこにこしながら出てきた。

そして、
お腹すいたよね!これ食べる?
って渡して、また家に入っていく。

いつも突拍子もない優しさに
いい意味で驚かされてばかり。

溶けたバターのあまじょっぱさと
彼の素直な行動と優しさに
心までほかほか、あったかくなった。
優しいきもちをもらうと
こんなに柔らかで優しいきもちに
私もなれるんだ。

車の窓から見た空がとても澄んだ水色だった。

私たちはいつものんびりすごす。
美術館やアート展に行くのが好きなので
行きたい展覧会がその日の目的で
それ以外はだいたいいつもノープラン。
好きだなって反応するものが似ているので、
何をしててもいつも楽しい。

昨日は家族をテーマにした美術展へ。
さまざまなジャンルの作品を観ながら
ひときわいいなと思ったのは
植本一子さんの写真だった。
(ここは撮影許可エリア)

写っている人の
何気ない表情やその切り取り方も
もちろん素晴らしいのだが
私がいいなと思ったのは
さまざまなサイズの机に
写真がきっちりと並べられているこの展示。

家で昔の写真を振り返っているような感覚になり『家族』という集合体の連想をさせてくれて
素敵だなと思ったのだ。

他の方の作品の中で
こんなことも言われていた。

家族は2つある。
自分が生まれた時からある
血の繋がりのある家族と
自分がやがて作っていく
血の繋がりのない家族。

私はこれから
2つ目の
血の繋がりのない家族を
やがては持つことになると思う。

それは、結婚という形を取れば得られるものではなくて、2人の間に心から安心でき委ねられる状態があってこそだ。

足りないものを全て自分で身につける努力も大切だけれど、できる人ができることで補いあうことも大切だと思う。
自分では埋めることのできない寂しさや孤独も
信じ合える人と補いあえば
2人で一緒にそれ以上のしあわせを感じられるのだ。

いつも大きな優しさで包み込んでくれる彼と
久しぶりに1日過ごしてそう感じた。

今、心はとてもあたたかくて優しくて
こんな気持ちをもらえて本当に幸せだ。

今日も、私は
補いあった優しさで自分をつつみ
また、誰かに優しくありたい、と思う。

#日記
#コラム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?