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高級時計にも寿命はある?       ~修理やメンテナンスの必要性・重要性について~

高級時計といえども精密機器なので、使用するほどに劣化していくのは仕方のないところ。
愛着ある腕時計と長く付き合っていくには、修理やメンテナンスについての基礎的な知識を得ておくことはとても重要です。
そこで、今回は安心して腕時計を着用できる秘訣をお伝えしていきます。


●修理とメンテナンスの違い


オーバーホール(腕時計全ての分解掃除)は、機械全体の点検と必要に応じて修理を行うメンテナンスのことを指します。

‘前回のオーバーホールから数年経ったのでオーバーホールをする’
というのはメンテナンスになり、特定の部品の修理点検・整備点検を行い、部分的な点検という意味合いが強いです。
特にビンテージの時計は油が足りないことが原因で不具合を起こすことがあるため、欠かせないメンテナンスです。しばらく使っていない腕時計も約4年ごとの期間でオーバーホールをされることをおススメします。

また、‘時計が動かなくなってしまったから、オーバーホールをする’
というのは修理になります。内部のパーツはいずれ消耗していくものであり、完全に傷んでしまう前にオーバーホールをすることで、大きな被害を防ぐことができます。

●オーバーホールという健康診断

高級時計と言われる機械式時計やトゥールビヨンの時計などは、数百のパーツが緻密に組み合わさってその機能を発揮しています。
腕時計は精密機械なので、不具合が出ていないように見えても人間の健康診断と同様に、定期的なメンテナンスが必要です。

また、機械式時計のムーブメントは、大小多数の歯車がゼンマイの力を伝達して駆動する構造なので、その駆動部分には潤滑油が欠かせません。
経年劣化で油分が減少すると、時計の精度が落ちてパーツの摩耗が激しくなり、パーツが破損するという場合もあります。
時計のような精密機器と水分の相性は悪く、経年劣化により防水用のパッキンが劣化していると、時計内部に水分が侵入してしまう場合もあります。

オーバーホールを定期的に行っていれば、‘オーバーホールにより、パーツの摩耗が見つかりパーツ交換を行う’、‘防水用パッキンの劣化が見つかりパッキンを交換する’など早期に悪い部分を見つけ出し、その部分のメンテナンスを行うことで、大切な時計を長く使用する事が出来ます。

●ウォッチメーカー(時計職人)の経験値と重要性

最近は時計の修理業社が増え、街中でも修理店をよく目にします。
修理店は技術力の高いお店もある一方、一概には言えませんが、そのレベルにはバラつきがあります。ウォッチメーカーのレベルが低いと修理の過程で逆に時計を壊してしまうということもありえるのです。
クオリティを求めるならば、長年培ってきたウォッチメーカーの経験が必要になってきます。

そもそもオーバーホールは、時計を分解→注油→組み立て直すという単純作業だけではなく、バランスが崩れた時計を極限まで元に戻すという作業です。 その作業をどこまで手をかけて新品に近いレベルにまで戻せるか、ということが重要になってきます。
修理コストや時間もかかるので、安くそして納期も早くオーバーホールを請け負っている修理業者は、そこまでの手間はかけられない場合もあり、工程を省略して最低限の作業で量をこなすこともあります。

メーカーのブランド(もしくは日本総代理店)に在籍するウォッチメーカーは、ブランド本社(本国)での専門的な研修を重ねており、そのブランド独自の深いノウハウを習得しています。また、純正部品での対応など品質や信頼性をも加味した場合、技術力は相対的にメーカーの方が高いと考えられます。

クロノスイスの日本総代理店である栄光時計は、高度な修理技術を習得したウォッチメーカーによる、丁寧なアフターサービスをご提供しています。

●寿命は定期的なメンテナンスで変わる


基本的に高級時計は精巧に作られていることもあり、かなり長持ちし、数年は全く問題なく使えます。

また、定期的にオーバーホールをすることで、高級時計の寿命が伸びることがあります。
ケースバイケースですが、全くオーバーホールをしないといくら高級時計でも十数年程度しか持たないといったこともあります。
少しでも長く使用するためにオーバーホールに加え、ご自身でも細かいブラシまたは湿らせた布を使用して、汚れやほこりを慎重に取り除く、などの簡単な掃除を定期的に行いましょう。
サビなどがつきにくくなったり、色あせ防止の為にもこうした日頃からのメンテナンスは大事なのです。

本来高級時計というものは定期的にメンテナンスをすれば数十年はもつので、忘れずにメンテナンスをして、大切な時計を長く着用できるようにしておきましょう。


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