信越化学工業の2019年3月期通期決算(2018年Q4決算)を読む~主要部門すべてが減益~
有料note第6弾は信越化学工業の2019年3月期通期決算(2018年Q4決算)についてみていきます。
信越化学工業は化学企業時価総額ランキングで世界6位(2018年3月時点)
世界的な化学企業であり、とくに半導体用シリコンウエハの世界トップシェアをSUMCOと競うほか、
塩ビ樹脂、シリコーン樹脂などでも世界トップクラスの規模を誇る企業となっています。
信越化学工業は世界中で満遍なく事業を行っている企業であり、近年はアジア地域で売上を伸ばすとともに、北米で新たなエチレンと岩塩からの塩ビ一貫プラントを建設するなど、攻めの姿勢を明確にしています。
同社はムーディーズなど格付け企業における社債格付けで、化学メーカーのなかでは世界最高ランクのAa3格付けを得ているなど、非常に健全性の高いビジネスを展開している企業でもあります。
同社の業績は長らく安定的に成長を続けてきましたが、ここ最近、とくにこの2018年Q4に入り、全セグメントで営業減益に陥るなど、やや一服感がみえてきています。
今回はそのあたりも含め、見ていきたいと思います。
さて、まずはいつものように、お手元に信越化学工業のサイトから以下の決算資料を落としてきてご用意ください。
今回は以下のものを中心にみていきます。
※なお、以下に載せる画像の多くは特別な表記がないかぎり同社の決算資料より引用しております。
※過去の同社の決算に関しては以下をごらんください。
信越化学工業 2019年3月期通期決算(2018年Q4決算) 概略
まずはざっくりと決算数字を確認していきます。
信越化学工業の2018年通期決算は、対前年比で売上高10.6%増、営業利益19.9%増となりました。
売上、営業利益ともに非常に堅調に推移しているようにみえます。
しかし、これはあくまでもQ2もしくはQ3までの貯金によるものです。
Q4は大きく減退してきています。
各事業セグメントごとに業績を追ってみていきましょう。
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