今回は精密減速機で強みを持つハーモニック・ドライブ・システムズについてみていきます。

ハーモニック・ドライブ・システムズはロボットや工作機械、半導体製造装置などに利用される減速機、および減速機とモーターやセンサを組み合わせたシステム(同社はメカトロニクス製品と呼ぶ)を販売しています。

現在、この減速機とメカトロニクス製品への需要がいっきに消滅してしまっています。

今回は同社の2019年3月期通期決算(2018年Q4決算)をみていくとともに、こうした需要消滅の背景と、某社への影響について考えていこうと思います。

まずはいつものように、お手元にハーモニック・ドライブ・システムズのサイトから以下の決算資料を落としてきてご用意ください。

今回は以下のものを中心にみていきます。

2019年３月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

※なお、以下に載せる画像の多くは特別な表記がないかぎり同社の決算資料より引用しております。

※過去の同社の決算に関しては以下をごらんください。

⇒【分析】ハーモニック・ドライブ・システムズの業績と株価～減速機受注が急減中で株価急落

さて、それではさっそく見ていきましょう。

ハーモニック・ドライブ・システムズ　2019年3月期通期決算(2018年Q4決算)　概略

ハーモニック・ドライブ・システムズの2018年度通期決算は売上24.8%増、営業利益34.2%増となりました。

この数字だけをみると非常に堅調な推移にみえます。

・・・が、さにあらず。

これは上期までの貯金による業績の上振れであり、下期に入ってからは急激に悪化しています。

以下に四半期ごとに切った業績のグラフを載せます。