半導体露光装置世界最大手 ASMLの2019年Q1決算を読む~EUV普及で日本企業苦境に?

今回は半導体製造装置で世界2位

オランダのASML Holdingsの2019年Q1決算についてみていきます。

同時に、同社が開発した最新鋭の半導体露光装置についてと、その普及に伴う国内半導体製造装置関連各社に対する影響(おもにネガティブな部分)などについても、個人的な考察をしていきたいと思います。

とりあえず、まずは半導体製造装置とはどういったものなのかについてご理解いただくため、以下のサイトをご覧ください。


上記は半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンが開設している半導体製造過程を説明したサイトです。

非常にわかりやすくできていると思いますので是非ごらんください。


で、ASMLですが、このサイトの説明のなかでは4番目に出てくる「露光」という処理をするための装置を開発しています。

電子回路のパターンを描きこんだ大きなガラス板(フォトマスク)に、強くて波長の短い光を当てて、シリコンウェハ上の感光材(フォトレジスト)に転写するための装置で、

いわゆる「ステッパー」とも呼ばれるものなのですが、この装置でASMLは世界最大手であります。

というより、最先端品であるEUVによる露光装置では同社以外に選択肢がない・・・そんな企業です。

(かつては同業界では日本のニコンが最大手でしたが、液浸時代以降、完全に逆転された感があります)


とりあえず、まずはASMLの長期業績推移からみていきましょう。




ASMLの長期業績推移グラフ 1998年~

ASMLの長期業績は上記のようになっています。

現状、半導体露光装置の市場シェアのたぶん8割方は、ASML一社で占めていると思われます。

ASMLは同業他社にくらべて高い利益率を達成しています。


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