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微生物検査 危機一髪!(4)

微生物検査 危機一髪!(4)
[第4回]感受性検査危機一髪
山本 剛 やまもと ごう
神戸市立西神戸医療センター臨床検査技術部

(初出:J-IDEO Vol.1 No.4 2017年9月 刊行)

 感染症や感染管理に携わっている医療従事者の間で最も関心が高い微生物検査は“感受性検査”であると思われる.
 薬剤感受性試験,いわゆる感受性検査は試験管または寒天上で微生物と抗菌薬を反応させて得られる現象を客観的な数値に置き換えて判断する検査であり,適切な治療が行えるようにする情報となり指標ともなる.感受性検査の結果をもとに,医師は感染部位や抗菌薬の体内動態,腎臓や肝臓の機能,患者の免疫状態,薬剤間相互作用などの条件をあわせて初期治療薬の評価を行うことになる.感受性検査は日本ではCLSIが提唱している方法を日常検査に取り入れているため,判定表に記載している抗菌薬に関してはおおむね報告がなされている.しかし,判定基準のなかには対象臓器を考えた場合に報告してはいけないものや,疾患別を対象にした判定基準の変更や追加検査が必要な場合もある.感受性検査の読み方・考え方は本誌Vol.1 No.1で西村翔先生と中村竜也先生が詳しく解説されているため,そちらを参照していただきたい.今回は日常的に検査室で行われていなければならないが,実際には報告されていないことが多い感受性検査について考えていきたい.


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