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【中学受験】入試報告会(サピックス)(2024年3月)

昨年に続き、異なる会場ですが、サピックスの入試報告会に参加しました。

早稲田アカデミー(↓)とサピックスに今年は参加です。

場所が異なっていたためか、日時のせいなのかわからないのですが、女性の参加比率が昨年よりぐっと高かった感じがします。平日の午前中だったからでしょうか。

昨年もですが、基本的には御三家+αを目指している人向けが中心となる説明で、塾の目指しているところが非常にわかりやすい感じがしました。

また、説明される講師も比較的若い人もいるなという印象で、重鎮で安定感を前面に打ち出すような説明よりは、むしろ、生徒に近い感じでスマートさを強調するようなラインナップかなと思いました。会場によって違うでしょうが。。

毎年、サピックスの説明会でもっとも価値があるのは、サピックス生の御三家+αのサピックスオープンや学校別模試の持ち偏差値とその合格率に関するデータの開示です。

どのような定性的な説明よりも、最大の合格者数を誇る(同時に、おそらく不合格者数も)塾だから無言で提示できるビックデータが秀逸で、これだけのために参加するというのも悪くないと思います。

このデータからわかる当たり前の話としては、以下のような感じです。
(1)開成、筑駒はやっぱり突き抜けている
(2)サピックスオープンの成績との相関関係の方が、学校別オープンよりも高いため、サピックスオープンの持ち偏差値というのは結構重要(テスト回数も多いからだが。。)
(3)女子は男子より低めで同じような偏差値帯の学校でも結構合格者の偏差値の幅が広い
(4)御三家は、サピックスオープンの持ち偏差値50前後でもかなり合格者がいる(当然、不合格者の方が多いが、、)

来年は、、、もう、やはり参加しないかもですね。来年は6年生なので、おそらく、サピックスの模試も受けるでしょうし、そうすると、ここらへんのデータももれなく模試にくっついてくるような気がしており。

いずれにしろ、データは重要な要素ですね。一方で、データも当たり前ですが、合格・不合格が入り混じった汽水域が結構広く広がっているので、どっちに転ぶかわからない子供の受験の世界の怖さと興味深さを併せ持っていることを再認識しました。

安西先生の言葉が意外にもこの世界にも通じるのかもしれません。

「あきらめたら、試合終了ですよ」

【説明会の概要】

  • 今年の2月1日の受験率は15.3%、過去最高。受験者数は減っているが、それ以上に子供の数が減っているので。

  • 都心部は引き続き増加傾向。中学受験は引き続き厳しい状況が続く。

  • サピ生の受験校数は、5.8校から6.0校に増加。1月が、2.1校から2.3校に増加したのが主要因。埼玉、千葉の学校を積極的に受けていることを示唆。

  • 近年の傾向は短期決戦。最初の方で結論を出す傾向。また、居住地に関わらずに、広い地域での受験を志向する傾向も強くなっている。

  • 2月の午後入試の平均は、0.9校。一人1校ぐらいは受験している状況。

  • 短期決戦なので、後半の日程の受験校は合格者数を絞る傾向があり、非常に厳しい戦いになっていた。前半で合格がとれないと非常に厳しい。

  • 埼玉入試の大きな変化は、開智所沢。開智中の併願が可能なので、ここで大きく受験者数が増えていた。

  • 千葉入試は、渋幕が2000名を超える受験者数で増加していたが、合格者数は逆に絞り込み。進学者が増えてきているという分析に基づき対応しているものと思われる。

  • 2月1日は、開成は受験者数が微減だが引き続き激しく厳しい戦い。駒東、早稲田が増。この傾向はサピックスの模試の段階で予想されていたものであり、予想通りだが、想定よりは少なくなった。チャレンジ層が本番を回避した模様。このようなぎりぎりの意思決定にもサピックスの模試は活用できる。麻布、武蔵等は減少。昨年度は強気だったが、全体として安全志向の傾向がみられた。難関校については、大きな難易度変化は無しで、引き続き高い人気が継続。一方で、上位層は状況に捉われず、強気の受験の傾向もみられた。

  • 高い偏差値の学生でも午後入試の活用が定着している状況。

  • 2月2日、3日については、聖光学院は受験者数は減ったが引き続き厳しい状況。合格状況から見るに、チャレンジ層は回避した模様。渋幕二回目はやや減。筑駒は、通学区域の拡大により、神奈川・千葉・埼玉からの受験が増加。ただし、最難関なので、40名ほどが増えただけでそれほど大きな変化ではない。模試の状況だけみていると、もう少し増えるかなと考えていたが、安全志向がここでもみられた。また、繰り上がり合格が例年よりも多かった。これは地域拡大による影響で、結果として自宅により近い開成を選んだ者が一定程度いる。逆に、開成の繰り上がりは例年よりも少なかった。

  • 女子については、桜蔭は昨年大幅増だったので、少し下がったが、それでも例年と比べるとまだ多い状況。

  • 頌栄女子、東洋英和は増、渋々1、広尾1、吉祥女子、洗足女子などは減。

  • やはりこちらも最近のトレンドは安全志向で、それが継続。

  • 女子の上位増は、志望校に関しては、それぞれの生徒や親御さんの志向に多様性を感じるところがあり、ばらける傾向。コロナ禍ではなかなか学校見学が難しかったところ、実際に身に行けることが増えて、それぞれの学校選びの観点が増えた。結果として、伝統校の人気も出てきている。

  • 2026年は、サンデーショック、サンデーチャンスの年。フェリス女子は今回は通常通りの日程で変更しないというアナウンス。

  • 人気がでる要素としては、①新たな動きがあった学校(新設校、共学化、新校舎、新コース)、②入試制度を変更(日程、午後を増加)、③通学区域の拡大など。

  • 短期的な変動要因としては、大学進学実績、大学との連携などがあり、単年度のデータだけで判断するのは危険。

  • 志望校選びについては、学校の生徒を見た方がよくて、これはなぜかというと、学友からの影響が子供は大きいため。どういう生徒がいるのかというのを見た方がいい。

  • 成績が伸びる子は、志に向かって、努力する、ひたむきさがある子。また、明るく、授業中に頑張る子、授業中の参加度が高い子。

  • 数年前の受験生の男の子の事例紹介。成績がどんどん下落して、最終的に、親から第一志望を変えられるように言われて、塾の授業に参加しなくなったが、面談で、やはり第一志望を変えたくないということで、チャレンジして見事に合格した。受験後、あきらめなくてよかったというコメントあり。子ども自身の受かりたいという強い思いが一番重要。保護者はとにかく失敗しないようにしがちだが、子供は失敗して初めて経験することが多く、ここの判断は難しい。中学受験と本気で向かい合ったものしか、成長しない。


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