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SAPIXと日能研の比較 ⑮大変な時期

SAPIXと日能研では、中学受験生活における大変な時期も違います。もちろん、個人差はありますが、カリキュラム上の差の方が大きいと思います。
両塾ともに、6年後期の実質的な大変さは同じで、中学生活で一番大変なのは間違いないです。でも、体感的な大変さは6年後期が一番ではありません。ここでは、学習面での体感的な大変さを書きます。

SAPIX→5年後期が一番大変
日能研→6年前期が一番大変

SAPIXの場合、4年生のカリキュラムからして難しいし量も多いのですが、5年前期までは、抽象的思考部分が少な目で、パターン暗記でも乗り切れる単元が多いので、新4年からなんとなく固まってきている勉強方法の積み重ねで大体の立ち位置が決まってきます。

でも、5年後期から、量が増える訳ではないのですが、算数と理科で急に抽象的思考部分の割合が高い単元が増える上に、計算が速くないと処理しきれない単元も続出します。
この5年後期の単元の並びはよく考えられていて、非常に効率的に必要な知識と技術を教えられるようになっているのですが、ついていくのは本当に大変です。ここでついていけるかによって、今までの立ち位置と変わってきます。

しかし、ここを乗り切って、新6年3月組分けテストを乗り切ったら、少しホッと一息つける時期がやってきます。
SAPIXの6年前期はそれほど大変ではないのです。日曜日にまだSS特訓が入ってこないので、余裕があります。
(夏期講習からまたギアが入って忙しくなり、夏期集中志望校錬成特訓で刺激が入り、その後過去問+後期のSS特訓~正月特訓でフル回転となりますが。)


それに対して、日能研の6年前期は大変です。
日能研は、4年生の1年間は終始のんびりペースで、量も質も難しくありません。5年生の1年間も、量は増えてくるけれど、質的にはそれほど難しいことをやりません。
でも、6年生になった途端、量も増えるけれど、質的に難易度が激増します。今まで通り、本科での説明ぶりは丁寧でわかりやすいのですが、演習問題に突然難易度が高いものが紛れ込んできて時間がかかります。
しかも、前期日特も始まり、テストも頻繁。普段の授業内容を復習して演習するだけでも大変なのに、日曜に休みがありません。そうなると、毎週あるテストの直しをする時間をとるのに苦労することになります。

そのスケジューリングに四苦八苦してなんとか夏休みまできた、と思ったら、今度は夏期講習の拘束時間が非常に長い!
夏期講習は日々の復習だけでなく算数428をやれだのメモリーチェックをやれだの指示もあり、本当にてんやわんやです。
その後は、過去問~後期日特へと続き、忙しさは続きます。


SAPIXは、4年~5年前期でゆるやかな坂を登り、5年後期に急坂を登り、ここを登り切れたらひと安心。少し調子を整えて、6年後期で一気に頂点へ、というイメージ。

日能研は、4年はハイキングを楽しみ、5年でゆるやかな坂を登り、6年前期から目の前に急に現れた山を登っていってそのまま頂点へ、というイメージ。

どちらも大変ですが、個人的には、SAPIXの5年後期の方が大変だったと思います。なぜなら、受験生本人の自覚が5年だとまだまだ足りないからです。
5年生だと、目の前に急な坂があった時、調子よく登っていけたらいいけれど、ちょっと石があってつまずいた途端、登るのをやめてしまいます。
5年生だとまだ受験生の自覚はないし、頂点が見えない時期だから仕方ないですが、どうしてもここで親の手助けが要るのです。

でも、6年生だと、目の前に急に山が現れたとしても、準備運動はできているし、もう頂点が見えてきているので、この1年さえ頑張ればいいと思って自分で乗り越えようとするところがあります。
日能研の場合、6年の時点では友達ができていて、一緒に頑張ろうという雰囲気があり、更に先生のサポートもあるので、親だけが頑張る必要はありません。その点は楽だったと思います。

ただし、学習面の話とはずれますが、日能研の場合は、6年後期、受験に近づけば近づくほどSAPIX勢の動向が気になりましたね。
結局、日能研内よりもSAPIX内の方が同じ志望校の人数が多いのだとわかっている場合は、どうしてもそうなるかと思います。
その点、SAPIXの場合は、他塾勢のことは全然気にならなかったので、その点は楽だったと思います。



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