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SAPIXと日能研の比較 ⑧偏差値表

中学受験生の親が何度も見ることになる偏差値表(合格可能性80%の学校別偏差値が載っている表)、これも塾によって違いがあります。

上の息子の受験時にSAPIXの偏差値表を見慣れていて、各校の数値などはもうすっかり頭に染みついて覚えてしまっていた私が下の娘の受験で初めて日能研の偏差値表を見た時、あまりに違っていたので驚きました。

まず、数値が全然違います。SAPIXの偏差値に大体10くらい数字を足すと、日能研の偏差値になる学校が多いでしょうか。

例えば、男子の(1回目)の場合
・SAPIX偏差値→50
・日能研偏差値→61

女子のフェリスの場合、
・SAPIX偏差値→53
・日能研偏差値→62

また、載っている学校も全然違います。特に日能研偏差値50以下の学校については、SAPIXの表には載っていない学校が多いのです。
日能研は説明会の時から様々な学校を取り上げて良い点を紹介してくれるところがあるのですが、偏差値重視ではなく、生徒本人に合った学校を選ぶように導く姿勢がここにも表れていると思いました。

それから、この偏差値表をつくるもとになっているテストも違います。
日能研は、公開模試の平均偏差値をもとにつくるので、普段その子の持ち偏差値だと認識している通りの偏差値で、すんなり偏差値表を眺めることができます。

しかし、SAPIXは、6年の秋から4回行われる合格力判定サピックスオープンの偏差値をもとにつくられます。それまで数多くの組分けテストやマンスリー確認テストを受けてきて、なんとなくそれが持ち偏差値だと勘違いしていまいますが、その偏差値とは違うのです。
合格力判定サピックスオープンというのは、4回に分けてほぼ全範囲を網羅的に出題するやや基礎寄りのテストなので、普段の組分けテストなんかよりも難易度が低めの問題が多く出て、高得点勝負になりがちなのです。

そうなると、組分けテストのような難易度が高めのテストが得意な子は偏差値が高く出にくい現象が起きます。
SAPIXの偏差値表を見る時は、このことを心に留めておくことが必要です。
特に高めの偏差値帯の場合は要注意です。

また、日能研に通う場合であっても、高めの偏差値帯の場合は要注意です。なぜなら、高めの偏差値帯の子はSAPIXなど他塾に多数いるので、日能研内だけでは偏差値表の精度が保証されないからです。
日能研の優秀層には関西や東海地方の子も多くいるため、関東の子は偏差値がぶれやすいということもあるかもしれません。SAPIXにも関西に優秀層がいますが、数の比率が非常に小さいです。

実際に、高偏差値帯の学校を見てみると、
男子の筑駒の場合、
・SAPIX偏差値→70
・日能研偏差値→72

開成の場合、
・SAPIX偏差値→68
・日能研偏差値→72

となっており、日能研では筑駒と開成が同じ数字になっています。この数字が間違いだというわけではなく、数字そのものとしては正しいとは思うのですが、2校の合格のし易さにおける差や他校との差を正しく表せていないとは思います。

女子の桜蔭の場合、
・SAPIX偏差値→62
・日能研偏差値→68

とありますが、日能研で平均偏差値が68の女子でも、実際には80%合格していないのではないかと思います。
日能研で偏差値68くらいだと、TM以外のクラスではいつも1~2列目に座る優秀なお子さんだと思いますが、そのあたりの学力の子はSAPIXに多数いて、さらにSS桜蔭やSS単科(記述力)で鍛え上げられているのです。

日能研で偏差値帯が高い学校を受ける場合は、見えない敵(SAPIX勢)をいつも意識しておく方がよいです。
学校別サピックスオープンは受けた方が絶対によいと思います。嫌でも意識させられますから。予想問題が手に入るということでもありますしね。



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