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自己肯定感と自己デザイン

経済学部2年 E

6月11日土曜日に、女性起業家堀江愛利さんの特別講義が開催された。今回の特別講義で最も印象に残っている言葉は、「自分をデザインし、ロールプレイする」という言葉である。自己肯定感の低さや、自分に自信がないことに悩む学生が多い中、自分らしさを見つけていくだけでなく、作り上げ表現していくという視点は、生きやすくするためのヒントになるのではないか。

堀江さんは、まず学生に「自分の最も大きな武器は何か」と問いかけた。責任感や好奇心、若さなどといった様々な強みが学生から挙げられた。しかし、日本社会では会社や学校、職業などの肩書きによって評価されてしまい、個人の「武器」が隠れてしまっているという課題がある。日本の学生の自己肯定感の低さは、これらの肩書きや表面的な評価に依存してしまっていることに関係しているのではないか。自分自身を認め、自分主体になるためには、自分に規制をかけている物を特定し、なりたい自分や、未来の自分を想像することが必要だ。これが冒頭で述べた「自分をデザインし、ロールプレイする」という視点である。

次に堀江さんは、自分の考えや気持ちを変えるには、考えるだけでなく全身のコンディションを整えることが重要であると語った。まず目を瞑り、頭の中で自分に規制をかけている物を思い浮かべる。肩の力を抜き自分が思っているよりもさらに肩の位置を下げてみる。その後意識すべてをつま先まで持っていき、最後に脳まで戻す。この作業では、自分で思っているよりも自分の体は緊張していて規制されているということに気づいた。自分にブレーキをかけているものがなくなった、理想の自分を想像し表現、つまり演じることで周りの反応や扱いも変化してくるのだという。

また、日本社会ではジェンダーバイアスや社会から与えられる評価や地位が人生に大きく作用する。しかし、「女性だからこう」や「男性はこうすべき」といったバイアスは、ネガティブに捉えられがちだが、そこから自分の理想を選択することもできる。社会から得た物を否定するだけでなく、自分でなりたい自分を選んでいくというデザインの視点が新しいと感じた。自己肯定感の低さは日本の学生の課題であるが、自己肯定感を高めるのではなく、なりたい自分を表現することで人生をデザインしていくという視点は、生きづらさを感じる学生にとって一種の救いとなるのではないか。

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