簫錦文さんにお会いして(2/2) ー 私の心が震えた一言

※2016年11月10日に書いたブログ記事の転載です。


台湾ツアーでお会いした簫錦文(しょうきんぶん)さんのお話、
前回の記事では、何度も死の間際まで体験した
その壮絶な人生について書きました。

前回の記事>>
https://note.mu/cicaco_tabijo/n/n25f57f760ab4



きっと、読まれて
辛い想い、悲しい想いになった方もいるかもしれないです。
でもね。
私が感動してお伝えしたいのは、
実はそこではなくて・・
そんな人生を歩まれた上での、
今の錦文さんの穏やかで格好いい姿
なんです。

錦文さん、辛い思い出を語った後に、
最後にこうおっしゃいました。


「私は満足です」

自分の人生に満足していますよ。
かつての祖国(=日本のこと)の人たちがこんなに訪ねてきてくれて、
たくさんの人と出会えて本当に嬉しい。
もういつ死んでもいいと思っています。
と。

「満足です」という一言をきいて、
熱いものが体の底からこみあげてきて、抑えることができませんでした。
今まで、私が想像できないほどのいろんな想いがあったでしょう。


戦争の悲惨さ、無残さ。
無実なのに投獄され拷問を受け、
弟を殺された国民党への恨み。


そして、日本に対しても・・・


私がお会いしたときは言っていなかったのですが、
錦文さんは出演している「台湾人生」というDVDの中で
戦後日本に見捨てられた無念を語られていました。


その言葉を一部だけ抜粋します。

たったひとつ、政府から
「過去の台湾の軍人のみなさん、ごくろうさんでした。」
その一言がぼくはほしいんですよ。
それを願っとるんですよ。
どうしてひと言だけでももらえないかと。

年金ももらっていない。
日本人だけにしかやれないそうです。

なんでこんなにまで見捨てられてしまうかと、
これがわたしは本当に悔しいです。
政府としてはなにひとつしてくれない。

国のために、死を覚悟して僕たちは志願して行ったんですよ。
何も自分のためで、ごほうびがあるからといって
そこに行ったわけじゃないですよ。

だから、ぼくはすごく、政府に対しては了解できません。



生まれたときから「日本人」として育ってきたのに、
戦争が終わったら台湾を見捨て、
日本のために一緒に戦った台湾の人たちに補償もせず・・・
ついには中国寄りの政治を続けてきた日本政府。

今も日本は台湾を自治国家ではなく中国の一部とする立場をとっているため、
台湾自体と正式な国交がないという状態です。

憤るのは当たり前ですよね・・・
何も言えないです。

このことは、日本人に知っておいてほしいなと思います。


DVD「台湾人生」は今から7~8年前くらいのお姿でしたが、
私たちがお会いした錦文さんは、この頃に比べて
穏やかなお顔になっていた気がします。


見てください、このお茶目な笑顔!


かわいらしい♡


様々な経験、感情を乗り越えて、
こんな笑顔ができる錦文さんを
私はとても格好よくて、美しいと感じました。


そして、
日本政府に対する憤りを抱えながらも、
祖国日本への深い愛情を持ち続け、
その経験を日本人に伝え続けていることに、
感謝の気持ちしかありません。



ここで、1つ誤解を招かないように
付け加えたいのは、

錦文さんは

戦後の日本政府に対し憤りを感じているのであって
台湾を統治していた当時の日本に対して
憤りを感じているのではない


ということです。



ハッキリとこうおっしゃっていました。

大東亜戦争は、日本が押し付けられたものですよ。
日本は戦争を避けるために最後まで交渉していたんです。


そして



日本は本当にいい国だと思いますよ

と。

錦文さんはこう続けます。


これは日本教育を受けたからそう言っているのではなく、
私は日本と中国の2つの国の統治を経験して、
客観的に見てそう思います。

中国の統治の仕方は間違っている、
人間がすべきなのは、日本の統治のほうですよ。




日本統治時代には、もちろん光も闇もありました。

錦文さん自身、
学生時代にお金がないため先生が学費を出して通わせてくれたという思い出や、
軍隊に入ってから日本兵に差別的な言葉を言われて傷ついた経験など、
光も闇も経験されています。

どちらも経験した上で、
客観的に冷静に見て、
それでも日本時代は光の方がとても多かった、
人間的な政治だったということを評価してくださっていました。


なんというか・・・日本人として、
実際に日本統治を経験された方にこう言っていただけるのは
言葉にできない感動があります。

本当にありがたい(˚ ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )




私が台湾ツアーを企画しているのは、
こういう「元日本人」で今も日本を愛してくださっているおじいちゃんおばあちゃんが
台湾にいることを知ってほしい、そして、今、会えるうちに会ってほしい!!

と強く思ったからなんです。
開催せずにはいられませんでした。


戦争が悪いとか悪くないとか、
日本がすごいとかすごくないとか、
どっちが正しいとか間違ってるとか、
考えが右だ左だとか、
そういうことを超えて。


私の想像できない時代を生き抜いてきた
おじいちゃんおばあちゃんの美しくかっこいい姿。
日本を想ってくださる方が台湾にこんなにたくさんいること。


それは
決して歴史上の過去の出来事ではなくて、
今のこと。

本やネットで見る知識ではなくって、
目の前に今ある現実。



「百聞は一見にしかず」というのは本当にそうで、
今まで戦争関連の情報にたくさん触れてきた私ですが、
彼らに会って、ただ得た情報とは全く違う、魂が揺さぶられる経験をしました。

日本人でよかった、と心の底から思いました。



日本語世代のおじいちゃんおばあちゃんは、
もう80台後半〜90台です。
お会いして話を聞くことができるのは、本当にあと数年。


会いたいなら、本当に今、会いに行ってほしい!!!



錦文さんは、
「もっと日本の人たちに話をしたい、友達になりたい」
ともおっしゃっていました。
台北に行く方で、錦文さんに会いたいという方がいましたらご紹介します。
私も錦文さんに会いに行くツアーをまた企画したいと思っています!

一緒に会いに行けたらうれしいです✨



錦文さん、

初対面の私を自宅に招いていただき、
お昼ご飯までごちそうしていただいて、
本当にありがとうございました。


最後まで
「こんなに遠くまで来ていただいて申し訳ないね」
「大したものをごちそうできなくて申し訳ないね」
「こんなつまらない話を聞いてくれてありがとう」
と、とても謙虚な錦文さんでした。




*次回の台湾ツアは、1月13〜15日または13〜16日を予定しています!
 詳細は今月中に発表します。

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