魔法使いChikakoの物語〜THE LOAD OF THE EARRINGS〜

少女はかつて野生の猫でした。

生まれたときから野生でしたが、美しい毛並みと涼しい目元、何者にも媚びないつれなさが逆に人目を引いて、心ある人々はなにかと世話をしてやりました。

あるとき、ふとすべり込んだ先で、猫はかけがえのない光景を目にしました。

見たこともないような大きな鏡。
細やかな細工のほどこされた、大小さまざまな瓶。ずらりと並んだ金の筒。ふわふわの白いパフ。

西洋風の素晴らしいドレッサー(鏡台)が、彼女の目の前にあらわれたのです。

猫は時を忘れて魅入ってしまいました。
かつて窓越しに、女性が化粧するのを何度も何度も見たことがあるのです。その様子の楽しそうなことといったら…。

猫は、鏡に近づいて、じぶんの姿をまじまじと見ました。

あぁ、わたしも、目元に色をさしてみたいわ…

そんなことを思いながら目をパチパチさせていると、部屋のドアがカチャリと空きました。人です!

猫はびっくりして、部屋のすみに隠れました。しばらくドキドキしたあと、猫はそっと、部屋のようすを伺いました。

ドレッサーに、小さな女の子が座っています。

小さな女の子は、小さな瓶をあれこれ手にとって物色したり、パフをつついたりして、そわそわしています。

けれど、意を決したように小さな金の筒をひとつ取ると、ふたをはずして、中身を唇に押しあてました。

……強すぎるわ。もっとやさしく扱わないと!

少女は更に、パフにおしろいをたっぷりほどこして、そのまま顔面にはたき…たたきつけました。何度も何度も。

白く煙る視界の先で咳き込む少女の身を案じ、もう見ていられないと、猫はドレッサーまでやってきました。

…あなた、力が強すぎるわ。お化粧は繊細なもの。

…びっくりした!あなた、どこからきたの。

…煙の向こうから。

…まぁ!やっぱりこれ、魔法のパフだったのね!! あなたみたいな綺麗な猫さん、はじめてだもの!

…………。

…わかったわ。あなた、お化粧の国の猫さんでしょう。

…そうよ。さぁ、もう一度パフを。わたしを撫でるような手つきで扱ってごらんなさい。

こうして、ひょんなことから、猫はお化粧の手ほどきをすることに。

もちろんはじめてのことでしたが、まるでじぶんのことのように夢中になり、楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。

猫は思いました。
もしわたしが人間に生まれたら、美しく装うことを手助けする人になろうと。

だって、こんなに楽しいんだもの!
こんなに、わくわくするんだもの!
だからわたし、次は人間になってみたいわ。
……神様、ヨロシクね!

こうして彼女は、いまや人として、たくさんの女性たちの「美」をサポートしているのです♡♡



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