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女たちは前へ進む 『大豆田とわ子と三人の元夫』(第6話視聴後)

第6話、中間地点ということで、大きな転換回でした。

しろくまハウジングの大きな契約が決裂し、苦境に立たされたとわ子は、取引先の社長の元へ説得に向かう。とわ子の誕生日を祝うため、三人の元夫はオペレッタに集合し、なかなか現れないとわ子の身を案じていた。そこへ早良(石橋静河)、美怜(瀧内公美)、翼(石橋菜津美)が偶然来店し、合コン状態となる。

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元義父の旺介(岩松了)に呼び出された元夫たちは女性三人を伴ってとわ子のマンションへ行き、酔いつぶれた旺介をよそに餃子を作ることに。その間、女性たちはそれぞれの恋愛の愚痴で盛り上がる。名は伏せられていたが、それらは明らかに八作(松田龍平)、鹿太郎(角田晃広)、慎森(岡田将生)に向けたもので、三人は動揺する。

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坂元裕二的な男女あるある、恋愛あるあるの饒舌対話シーンの裏で、とわ子は一体どうなったのか、を引っ張るサスペンス。

早良、美怜、翼から、それぞれ三人三様に叩かれ、しまいに

あなたはあなたと、付き合いたいと思う?

想像してみて、自分と付き合ってる自分を。

と言われて絶句する八作、鹿太郎、慎森。
そしてふと気付きます。
とわ子はダメダメな自分たちのダメなところを決して責めたりしなかったことを。

僕たちは、大豆田とわ子に甘えてたんです。


餃子を囲んで男たちが女たちに気を使う中、女たちは男たちのそれぞれどこを好きになったのかを伝えます。それぞれのいいところに自分では気づいていないだろうけど、と。

帰り道、男たちはそれぞれ、女たちと向き合おう、場合によっては気持ちを受け入れようとします。が、時すでに遅し。餃子パーティーは女たちにとって、男たちとの決別のパーティーだったんですね。

八作に「二人(鹿太郎と慎森)とも、ちゃんと(美怜と翼と)向き合おうって言ってました」と言われた早良が返したのは、

もう遅いよ。どこを好きだったか教える時は、もうその恋を片付けるって決めた時だよ。
せっかく自分だけが見つけた秘密だったんだから。

でした。

これ、どうですかね。名言っぽい言い回しですが。あるあるでしょうか。
うんまあ、確かに、恋の最中には相手にただ単に「好き」って言うだけかもしれませんねえ。どこがどうだとかあげつらったりしないかも。

そしてやっぱり男たちって、手遅れになってからやっと気づくんですよね。
女たちは前へ進み、男たちは置いて行かれます。
それぞれの心に苦いものを残して。

男も女も、思い当たることがいっぱいあるような今回でしたが、さて、最後にようやくとわ子の居場所が判明。そして唐突なかごめの死。
これはびっくりしました。
でもこの重要なキャラクターがこのままもう現れないとも思えないので、回想という形でまた登場してくれるかもしれません。

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かごめのアパートで、食べながらかごめの原稿を読むシーンの松たか子は良かったです。その後とわ子は、帰宅してお茶漬けを食べながら思う存分泣いたんでしょうね。お茶漬けに“ワサビを入れ過ぎて”。

次回は一年後だそうです。
新たな男性が登場しますが、どういう展開になるでしょうか。

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