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10月開始ドラマ、完走したのは? その3/3

「10月開始ドラマ、完走したのは? その2/3」の続きです。

この記事の順番に従っています。

ここでは、個人的視聴必須ジャンルの不倫モノについてまとめました。

『それでも愛を誓いますか?』

純須武頼(池内博之)の不能の原因がわからないので、なんとなく全体が曖昧な感じでした。もちろんデリケートな話だけれど、夫婦で十分に話し合われないまま離婚に至ることがちょっと解せない。「自分は(EDだから)純(松本まりか)を幸せにできない」、だから離婚してくれ、という展開、これまで黙ってて一気にそこなの? そしてそれを受け入れるの? という疑問。
まあでも、5年という月日を経てすでに心は疲れ果てていて、一気に話がそこに行って離婚を提示されたときに、それに対してもう話し合う気力が純の方には残っていなかったということなのかもしれないですね。その前に純から話し合いを持ちかけたりしても要領を得ない状況だったりしていたし、武頼は病院へ行くことも拒否したわけで。「妻(とか恋人とか)に弱みを見せられない」というのは、やはり男性のデフォルトなんでしょうかね… もうそういうの捨てちゃえば? とか思うけど、そうしたらドラマのネタが減ってしまうのかな?笑
男女問わず、一番親しいと思っている相手と、実は一番話しにくかったりすることも往々にしてあります。ただ、話し合えない夫婦は何か問題があったら別れるしかないでしょうね。それか完全に目を瞑るか。(別れた後でなら話し合えたりすることもままあるのが夫婦の不思議)

不倫モノとして際どいシーンは第9回の純と真山篤郎(藤原季節)とのながーいキスシーンでした。長かったし、その先へ行ってもおかしくないリアルさでしたね。場所が会社内でなかったら、そこで終わることができなかったかもしれません。
普通に不倫に溺れていく条件の揃った状況で止まることができた純は、自分のために他人を利用しようとしない強い女性だし、真山はそれを理解する優しい男性でした。

全くの余談ですが、池内博之さんの身体はリアルな30代を表現するのにちょうど良い感じがしました。鍛えすぎてない。細すぎない。適度な重量感がセクシー。『初情事まであと1時間』の工藤阿須加さんなんかもちょっとタプっとしていましたが、そういう“普通さ”にリアリティを感じます。現代の20代から30代の男性俳優はほとんどが細身でバッキバキに鍛えていて6パックを誇っていますが、現実にはそうじゃない人がほとんどだと思います。ドラマで夢を見せてもらうのも良いですが、リアルな感じも必要な時があります。
男女ともですが、俳優には顔も体型もいろんな人が必要。でないと映像世界が薄っぺらくなってしまうから。

『じゃない方の彼女』

不倫という必須ジャンルの作品のため、イライラしながらも見ました。笑

どんなに真面目な男も、どんなに妻が素敵でも、チャンスがあれば男は浮気するよ、っていう典型的な浮気話ですが、それは相手が「魔性の女」だからでしょうか? こういう女が向こうから来たら、男は拒めないよね、っていう設定が、なんかちょっとムカつくんですよ笑。真実なのかもしれないですけどね。

終始イライラしつつ最後まで見ましたが、最終回もやっぱりイライラ笑。
怜子(山下美月)との浮気が妻の麗(小西真奈美)にバレた雅也(濱田岳)は、麗に家出されて猛省したはずが、謝って許してもらった後、怜子から届いたメールに反応して動揺。麗に「どうしたい?」と問われて「行かせてください」と言って、会いに行く。ちゃんと決別するためかと思いきやそうではなく曖昧なまま、ニューヨークへ行くという怜子を送り出す。そもそもその前に怜子に会った時に怜子から、自分は雅也が好きだけど雅也はどうなのかを問われ、「好きです。けど、ごめん」という、こちらも曖昧な回答でお茶を濁していました。自分から「話がしたい」と呼び出したにも関わらず。「ごめん」でわかるのが大人なのかもしれないですけど、押しどころを残しているみたいでなんか嫌らしい。
本作はそんな優柔不断なダメ男を「ダメダメだけど可愛くて憎めない男」として描いています。濱田岳さんへの当て書きだったんでしょうかね。

雅也が妻と愛人の間で「どうしよう」と悩む時、娘のことはほとんど意識に登りません。浮気男は自分の浮気が子どもに及ぼす影響のことなんか微塵も考えないんですよね。これまで見て来たどんな不倫モノでもそこは共通してます。現実がそうなので無理もない。子どもの身に実際何かが起きた時(『危険な情事』みたいに浮気相手に誘拐されるとか)初めて「申し訳なかった」とか思うんですが、目に見えない子どもの心の中など考えないのです。大人が思っている以上に子どもはいろんなことを敏感に感じ取っているのに。子どもを愛していると言うけれど、結局そこにあるのは、妻や浮気相手・愛人に対するのと同様な、自分に都合の良い“愛(と名付けた欲望)”だけ。雅也が本当に可愛くて憎めない男なのかどうか、よーく考えましょう。笑

* * *

「出揃った10月開始ドラマ。さて何見て行こう?」にリストアップした作品は以上で終わりです。
(読み直して気づいたのですが、作品そのものの感想に全然なっていない… すみません)

リスト外の以下の作品も完走しました。これらは「10月開始ドラマ、完走したのは? 番外編」として書く予定です。よろしければお付き合いください。

『むしょボケ』
『スナック キヅツキ』
『ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~』

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