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【小説】 風営法②

なぜ、性風俗の道に興味をもったか、もたないか
あれは、2023年夏のことだった

佳世子の主人のジョコは地方に住んでいた。
居場所を失った佳世子はジョコの元へ行った

もうあの時、ううん、頭がおかしくなっていた。
今から1年の記憶がぼやけていたら•••。
そして、おかしくなっていた。
反対に祐は普通の生活を元の生活を送っていた
佳世子はモノなんだね

駅で佳世子はある人と落ち合い
車で迎えに来た人に
連れられていった場所は普通のごく一般の一軒家だった
どうぞこちらに
背の高い男性が待っていた
なんでか覚えていないけれど
採用になった

それは、その面接の仕事は性風俗の店だった

佳世子はなぜこの仕事に就こうとしたのか
聞かれ全てを話した

なるほどね
大変だったね
私もいまこうやって面接をしているけど
表は普通の仕事なんだよ
近くにあって

何の仕事をしているのかと聞いてしまった
コンサルタントだよ

そうなんですね
で、何で私は採用なんですか?
と、聞く佳世子
上品に見えるし話したらよけいにわかったから

それからいろいろな性的な言語が出てきた
うん?わからない

君みたいに子は売れるんだよね
雰囲気でわかる

佳世子は誰かに必要とされたかったからその時はよかったと感じた

いつから働ける?
連絡します
と言って帰る佳世子

帰りの車の運転手さんに家の近くまで送ってもらう
お客さん、たくさんつきますよ!
そう運転手さんは言ってきた
何も答えなかった

後日、LINEで源氏名を何がいいと聞かれ
お任せします
と佳世子は言った

働く約束をしたある日の前日、佳世子は怖くなって
断った
ううん、いいんだよ
でも、何かあったら相談しに来ていいから。
帰る家がなかった。
だから、てっとり早く寮がある場所に逃げたかった

でも、怖かった
優しい男性の面接なのに
何故か待機室と呼ばれる空間に案内された時
佳世子が今までに感じたことのない
空気を感じた

背の高い男性は言った
佳世子は東京とかの風俗ってどんなですか?
あんなところはもう暴力団たちが運営してるし
うちはまだ健全だけど
もう大変だよ

そう、だから、佳世子は秋になって
東京の性風俗に面接に行った
が、言われたのははっきりと年齢が上だし
あそこの店で働くといいよ
うちは寮が、ないんだよ
あっさり不採用になった

電話番号が、書いてある紙
今電話してみるね
大丈夫、面接できるよ、今から。

が、電話をしなかった
失礼だとは思う
いく気がもうなかった
ここで、働いてしまえばどんなことになるかわかっていたから•••
なんで、こんなに私って弱いのかな?

今考えれば弱くてよかったなって思った
いろいろな事情を、抱えた女性はいる
でも、普通の生活をしていても一歩、いや階段を踏み外しただけで幸せな日常はなくなる
そう気づいた時には
遅かった

悲しかった
親友だと思っていたのに悲しくて悲しくて
きっと祐は関わりたくないって思うほどに
佳世子が大変だったのは
わかるけど
錦糸町のあのことさえなければ
佳世子は普通に今でも生活ができたはずなのに

人をモノのふうに、いや性のはき捨て場所にしたことが、されたことが悲しく、またそんな風に思われていたことがとても悲しかった

死ねって言われるまでに祐も辛かったけど
佳世子も辛かったんだ
親友だと思って会っていたから
錦糸町までは





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