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【小説】 承〜あの日〜

あれは、毎日麻里子が家にやって来ていた日だった
祐輔からLINEがきた
祐輔とLINEを交換していたことも
佳世子は忘れていた
佳代子、元気にしてますか?
東京に来る時に連絡下さい。
と、LINEでの祐輔はそう送ってきた
本当に河田君?
そう思ったぐらいにわからなかった
佳世子は
河田にLINEを送る
河田だよ
そういう祐輔に
何で連絡が来たのかさっぱりわからなかった

麻里子がちょうどいたので
佳世子は相談した
麻里子は言った
やめといたほうがいいよ
23年も会ってないのに何のようだろう 
麻里子は言う 

佳世子は言う
昔の友達だし、親友で昔お世話になったから
一度会ってみる

それが大きな間違いだったこと
麻里子にとって
佳世子の弱みを握ることができた

後にしる

やられた

あれからずっと佳世子は心の底から笑えていない
何をしてもだ
人はかかわってはいけない人間がいるということは
佳世子の身体が震えていた
あの日から
わかるようになる  

彼にとっては会社の領収書をきるくらい
かんたんなことだ
面倒くさい
女が現れることもなかった
自己主張が強いだけだと思うけど
自己肯定感はほかでみせて
押し付けてはダメ

魔法があるなら
タイムスリップがあるなら
LINEの返信はこうだ

東京に来ているよ

いつもいいね👍ありがとう

じゃあまたねー 

そうしたら会うことなかったのに
変態仮面になった彼に
いや、彼らだ



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