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Projectorの明るさについて


実験内容

プロジェクターの設置に関して、中でも基本的な3点に絞って、実験を踏まえて解説していきます。

1.画面サイズ

同じ投写距離では大きく投影するのと小さく投影するのでは、小さく投影した方が明るく見えます。
大きい画面、小さい画面というのはプロジェクターのレンズを広角側(大きい画面)にするのか望遠側(小さい画面)にするのかということですが、プロジェクターから発する光の量は同じなので、ホースの水のように口を指で摘めば水の勢いは強くなるということと同じように、レンズを絞れば光を発する口が狭くなるので、輝度が高くなるということです。
実際の実験でも広角側のA.大きい画面_418.0cd/㎡で望遠側のB.小さい画面_704.8cd/㎡という結果が出ました。



2.  投写距離

同じサイズで投影する場合、前方から投影するのと後方から投影するのでは輝度は変わりません。通常、光は妨害するものが無ければ減衰しないので、どこから投影しても輝度は変わりません。
しかし、今回の実験で使用したレンズが F 値 1.7 ~ 1.9 と変わるものだった
ので、近くから投影した方が輝度が高くなりました。F 値とはレンズの明るさを表す数値で、レンズの構造上、望遠側にすればするほど暗くなります。
今回の実験では投写距離 5250mm では指定の 100 インチよりも大きいサイズになったので縮小 ( 望遠側に ) しました。
よって A 地点から投影するよりも輝度が下がるという結果になりました。レンズには F 値が固定のものもあります。


3. シングル投影、デュアル投影

光は足し算なので合計輝度が同じであれば、基本的にはシングルで投影してもデュアルで投影しても輝度は合計輝度通りです。
実験では、本来は 8000lm のプロジェクターをデュアルで、16000lm のプロジェクターをシングルで投影して比較したいところですが、
ランプの使用時間によってプロジェクターの明るさは少しずつ違ってくるので、8000lm デュアルと 16000lm シングル投影という単純な比較ではなく、8000lm を 2 台用意し、それぞれの輝度を計り、計算上の合計輝度と実際デュアルした時の輝度を比較するという実験方法にしました。



【測定方法】


スクリーン面は計測するポイントで輝度が変わってくるので、
スクリーンセンターを 3 回計測しその平均をプロジェクターの輝度とします。
単位はカンデラ毎平方メートル [cd/ ㎡ ]

結果を見ると、単純に S1 と S2 の輝度を足すと 980.2 で、デュアルの方が 3%ほど低いことが分かります。
この違いは肉眼では判別出来ないレベルなので、ほぼ輝度は変わらないと言っていいでしょう。


結論

3 種の実験を行った結果、設置環境が良ければ、以下 2 点を注意するとプロジェクターが持てる輝度を発揮出来ます。


・投写面は拡大しない ( 広角側で投影する )
・拡大する際は F 値固定のレンズを使う

プロジェクターの輝度を活かす最大の方法は、投影する空間を真っ暗にすることです。
しかし、真っ暗に出来ないことも多くあります。その場合でも投影面を最大に拡大するなど、知らず知らずの内に輝度を下げてしまっている可能性が
あります。
なるべくズームで映像を拡大せず、さらに拡大せずに済むレンズを選択することで、明るくきれいな映像を投影することが出来るということです。


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