YouTuberのスパイダーマン動画について

YouTubeでスパイダーマン/スパイダーメーンが話題になっている。
まあ戦略としてインドをベースにして日本語オンリーにしていないとのことだが、いずれにしても1000万人登録を達成したのはすごいと思う(それが海外ユーザーがほとんどだったとしても)。
自分の映画紹介YouTubeなんて1000人行くだけでヒーヒー言ってるわけで……
(よかったらチャンネル登録お願いします プレゼント企画中!
 https://www.youtube.com/channel/UC_z3meRdSPkm-Ol6-emoYWA/

そういった中で批判的なコメントを多く見かけるが、好意的であったり、中立的なコメントもあるのが現実。

批判的なコメントの多くは「あれは許せない」というものであり
中立的なコメントは「そんなに目くじらたてることか?」であり
好意的なコメントは「どうであれ1000万人最速はすごい」である

中でも批判的コメントは
「スパイダーマンへの愛情の深さから」
であり、その言葉にはとても同意する言葉が多い

様々な意見があるがリプライは好意的、引用RTは否定的コメントが多い 引用元:https://twitter.com/the_Vambi/status/1687766939484229632  



まずはスパイダーマンの版権についての説明

スパイダーマンの版権は映画版権をソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントが取得している。そのためMCUへの参加するときはソニーがマーベルと権利を分割することで合意…をした結果スパイダーマンは「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に参加できた。

そもそもなぜソニーがスパイダーマンの版権を持っているかというと、1997年にマーベル・コミックは倒産し、マーベル・エンターテインメントとして再出発した際にソニーにスパイダーマンの映像化権を販売したから…である。その際に約6年間でスパイダーマン(関係映画含む?)の映画を作らない場合は権利をマーベルに返却する…という条文もあるが、ソニー側はスパイダーマン関連の数百におよぶキャラクター権利も取得しているので、実際にはなかなかマーベルに全て戻ることはない…と思われる(ちなみにマーベル・エンターテインメントは2009年にウォルト・ディズニー・カンパニーに買収されて今に至っている)


その結果、トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランド、マイルズ・モラレスといったスパイダーマンの作品が映像化されている。

そのスパイダーマンの良さは
常にマスクをしてスパイダーマンであることは誰にも知られることもなく「親愛なる隣人」として街を守るヒーローである(一部の人にはバレるが…)ということだろう。

ヒーローとして調子に乗って失敗もするけど、大切な人を亡くし、与えられた運命を受け入れ、持った力に対して責任をまっとうする、といった部分も含めて「スパイダーマン」というキャラクターが人気になっているといえる。

この「スパイダーマン」だが、ファンによるアートやコスプレ…はかなりゆるく管理されている…といっても過言ではない。が営利目的の場合はしっかりと版権管理がおこなわれている。


さてようやく本題だが

今回のYouTuberのスパイダーマン/スパイダーメーンの動画だが「ファンからすると怒るポイント」がOPにあるといえる。
それはトビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランド、マイルズ・モラレスらの画像を使っており、あたかも
「公式のスパイダーマン動画であるように見せている」
からだ。

あくまでもファンムービーとして「スパイダーマンなりきり動画」ではなく「過去のハリウッド映画のキャラクターを連続で見せて、その系譜によるスパイダーマンの正当な後継/別のバースのスパイダーマンは自分だ
と解釈されるようなナレーションを入れているからで「スパイダーマンファン」からすれば「お前は何様のつもりだ!?」となるわけである。
(要はパロディにしきれていない←ここが重要)

そういった「スパイダーマンファン」の怒りに火をつけたところに油が注がれたのが対談のYouTubeで流れた
スパイダーマンのPRをするのでお金を払ってほしい
といったことだろう。会話全体の流れからすると「ノリ」で話した部分でもある。前後の会話の流れからすると「そういう会話にしたほうが面白くなる」のは理解できるが、観ている側からすると「いかがなものか?」になるのも当然だろう。


あと「スパイダーマン」というキャラクターと人気をYouTubeチャンネル登録1000万人を達成するための「道具」として使われたことも問題と捉える人が多くなったと思われる。せめて本人から日常的に「スパイダーマン」への「リスペクト」が多分に感じられていればよいのだが、そういった部分が広がる前に上記のような部分で取り出たされたのも炎上のポイントだろう。


今回の騒動で個人的に思うのは2点
スパイダーマンを素材にしたコンテンツが有料なのか無料なのか
 どれだけ再生されても無料なのであれば問題はない
 要はファンムービーであれば権利的な問題にはならない
 (著作権は親告罪なのでソニー側が訴えなければなにも起きない)

コンテンツが有料の場合、版権利用料の支払いをしているかどうか
 金儲けのためにスパイダーマンを使用しているのであれば支払うべき
 個人的には、チャンネル再生が無料であっても、過去のハリウッド映画画 像を使っているので肖像権など版権料は支払うべき

これはYouTuber本人に対しての1000万人到達の偉業とは別に考えなければいけないところであり、版権利用や著作権に対しての意識をしっかりと広めるためにも情報公開するべきところだと思うし、ソニー側も何らかのアクションを起こすべきだろう。

もしも
・動画のOPで映画画像を使っていない
・マルチバースの一つが自分だと解釈できる字幕がない
・1000万人突破した記録を作ったからマスクを取る
という部分がなければここまで炎上していなかったと思われる。結局は「自身の承認欲求のためにスパイダーマンを利用しただけだろ」と思われてしまうのは仕方ないだろう


ただ、映画ファンとしてスパイダーマンを観続けてきた一個人の意見だが、もしも一言で済ませるとしたら
・スパイダーマンはフリー素材ではない
である。


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