プラモデルユーザー(モデラー)を増やしたい!


ほんと最後の1文がとても深いし同意


小学校で模型の授業をしたら、実際に触れた子どもたちが少なかった…というポストがあった。
子どもがプラモデル製作に触れたことがない…のは(ガンプラに限らずだけど)インターネットの普及と親世代がプラモデルに触れていない…のとそもそもプラモデル以外に楽しいものが山のようにある…のも原因だろう。


メーカーは様々な努力をしているが……

https://bandai-hobby.net/site/entry_grade/  バンダイエントリーグレード公式サイト

プラモデルの初心者の囲い込みに向けてメーカー側は手軽かつ短時間で完成させられる初心者向けキット(バンダイのエントリーグレードやアオシマのザ・スナップキット(楽プラ)など)を販売をしていて、受け入れ体制はあるものの浸透はしきれていない。

エントリーグレードの販売チャンネルは多岐にわたり、コンビニやドラッグストアでも販売される販売網を確立(販売チャンネルの豊富さは凄すぎる)。唯一の残念さは
「種類の少なさ」
だろう。初代のRX-79-2ガンダムとストライクガンダムだけでは広がりの限界がすぐに来てしまうのは仕方ない。(最近ようやく新作が加わった)



https://bandai-hobby.net/series/pokemon/ バンダイポケモンプラモHPより


また仮面ライダーやポケモンなどのキャラクターの幅を広げたりアイテムを1000円以下で購入できるようにするなどメーカーは初心者などの門戸を広げているのは間違いない

また塗装に関してもガンダムマーカーのような「手軽に塗装ができるアイテム」を低価格(とはいえ、塗料に比べると実はコスパは良くない)で販売している。

プラモデルの販売に向けては「ビルドダイバーズ・シリーズ」のようにガンプラを題材にして売上が大幅に伸びている時期もあったが、今となってはYoutubeのみの配信番組になるなどして広がりは抑えめになっているともいえる。

ただプラモデルに興味を持って作るユーザーのステップアップが難しいのもあるだろう。
プラモデル作りにハマるポイントは様々だが
「これならチャレンジしてみたい!」
と考えるユーザーへの刺激が少ないのではないかと考えている。

プラモデル売り場でも完成品を展示するなどをしているが素組でも十分カッコいいので作ってみたい刺激にはなっているかもしれない。が展示されているの機体は最新ではないことが多い。

そこからのハマりに関しては
「自分ならではの個性が組み込まれたプラモデル作りを経験するかどうか」
ではないだろうか?

個性とはオリジナルロゴ、マーキング、カラーなどだが、その前にの素組から次のステップとなる「部分塗装」や「デカール貼り」をおこなった「1ステップの違いによる比較対象となる作品が、その場にない」ことが多いのではないか?

ゆえに素組と部分塗装の比較がその場でできない…のもあると考えられる。

今の若いユーザーは思考回転は早い。
・すぐに情報を手に入れすぐに分かりたい

・すぐに情報が手に入らないならスルー
といったある意味ドライな部分を持ち合わせているから…

その思考ルーティンを踏まえると、
初心者とかプラモ作りに1歩踏み出した子どもたちが
「手軽に目標にできる実例」の少なさもあるだろうとも思える。

その波及としてネット上でのすごすぎる作品の情報の多さも実は少なからず影響を与えていると思っている。
凄すぎるゆえに「そのすごい作品を目標にする」子どもは少ないし実際には
「すごいなー」
で思考が止まってしまう子どもは意外と多いと思われる。

これは「好奇心の刺激」がそもそも少ない教育課程の弊害でもあり、
簡単に結果を求める(若者を中心とした)社会的思考傾向とマッチしているともいえる。

・すごい改造
・すごい塗装
・すごいミキシング

・自分もそれを作ってみたい
はリンク性は、一般ユーザーになるほどあまり無いともいえる。

端的に言えば
1つのプラモを数カ月かけて作り上げる=タイパが悪い
となるのもあるだろう。



温故知新として昔ばなしをひとつ

昔のおもちゃ屋で展示してあるガンプラも、今考えると凄すぎる完成品(いまでいうミキシング含む)は展示してなかった。
(当時のプラモデルのクオリティから考えると「色塗りだけ」でもすごかったのだろうと思い出す部分はある)

また多くの人が素組、パチ組で満足していたから「ちょっと改造」をしているプラモがすごかったし「どうやってするのか?」の情報を得ることもあまりできなかった。

その展示してあるプラモを作った人と偶然であったりした際に改造方法のHowToを教えてもらうとみんながその改造をおこなう…という状況共有や情報共有が行われたのも大きいだろう。

そう、おもちゃ屋では
「大人がプラモデルの魅力を子どもたちに教える機会が自然とできていた」のもある。
その大人はAFVや戦闘機などで突出した凄すぎる物を作りつつガンプラに色分け(マスキング)や線香でシールドに着弾処理をするなどダメージ処理、実際の泥水を使ったウェザリングなど、子どもできるできる改造やウェザリング。塗装などの技術を、身近な大人たちから学ぶ機会をもらっていたのも事実であり、そういったチャレンジをしていたのだ

さらにプラモデル以外の娯楽も少なく、ほかの遊びに移行することもそれほどなかったのではないだろうか?



動画サイトの功罪…


現在はインターネットの普及により、改造やミキシング。塗装の情報収集が手軽になったとはいえ、制作過程を事細かに映像で見ることができるChも少なくない。


そうなってくるとゲームの売上が伸び切らないのと同じ構図が見えてくる。
誰かが作っている様子の映像を見ていることで
「自分で作らなくても満足してしまう思考パターン」
に入ってしまっている場合もあるのではないだろうか?

これはゲームの攻略動画が「自分の攻略の参考になる」人もいるがそうではなく「プレイ画面を見てプレイした気になる。もうプレイしなくても満足した」というユーザーが一定数いるのと同じかもしれない(数は多くないと思うが…)

あとは
「ほしいプラモが欲しいときに手に入らない」
のもあるだろう。

ネット販売でも手に入らない
再販時は大きなお友だちが買って子どもたちが訪問できる土日まで在庫が残っていない
などなど、欲しいプラモデルが入手できない環境がプラモデル作りに1歩踏み出す弊害になっているのはあるだろう。

今年の夏「水星の魔女」の最後の主人公機体。ガンダムキャリバーンの発売日。土曜日だったが、子どもたちが目を輝かせながら店に来ても、熱心な大きなお友だちが買ったためすでに完売…なんてこともあったように、欲しい人に行き届かない現状も要因の一つだともいえる。


現状をまとめると

といったようにプラモデルの現状としては

・メーカーの努力はいろいろとある
一方で
・子どもたちをはじめとする初心者がプラモデルづくりに触れるきっかけや触れるタイミングの少なさ
・目標となる完成品と巡り会えるか?
・欲しいものが欲しい的に手に入らない
・既存ユーザー、ベテランモデラーの初心者への配慮
など様々な改善、改革が必要なのは間違いないだろう

新規モデラ‐に関しては作りたくなる(アニメ、漫画などの)作品の創造しかないだろう。
ウマ娘などのプラモデルも発売されたが、新規ジャンルへのチャレンジは素直に応援したいしモデラーも支持することが大切ではないだろうか?

そこに低価格路線は必須で、
「とりあえず作ってみたい」
と思う人が、気軽に購入できる価格帯での商品ラインナップが大切だともいえる。(そう考えるとエントリーグレードはすごい……)

またパチ組、素組ユーザーを大切にすることも大切だと思うし、パチ組、素組のユーザーの一部が「これなら自分でもチャレンジできるかもしれない」というクリアしやすいハードルの高さによる完成品などの展示PRも大切かもしれない。

その一方でSNSなどでは自分の気合の入れた完成品をどんどん出していってもいいと思うし、凄すぎる作品はとんどんPRしてもらうのでいいと思うし自分も観たい!

とはいえ各種店頭販売での展示の場合は(コンペなどではない限り)展示するプラモデルをいろいろバランスを踏まえて展示する必要もあるのかもしれない。

モデラーとしては自分が作り上げたものを多くの人に観てもらいたい…という承認欲求は少なからずある。
その中で「もっと技術を上げていきたい」という向上心を持ち合わせている人もいれば「プラモデル作りを気軽に楽しみたい」という人もいる
その2つの間には大きな壁と溝があり、相容れない部分があるのを理解することも大切。

向上心のある人、好奇心が強い人もいるが比率としては多くはないだろう。
展示品を見て
「プラモデルは好きだけど、そこまでは…ねぇ」
ではなく
「これなら自分もできるかも?」
と思わせられるほうが1歩踏み込んだモデラーの増加にはつながると思う次第です。

加筆
そういったことを考えると、モデラー一人ひとりがそれぞれの立場の人を理解することも大切。
無意識のうちにふるい分けをしてませんか?と問いたいモデラーも少なくない。
モデラーならこうすべき!という固定観念を無意識に出していないか?
を改めて考えてほしいも思ったりもします



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