見出し画像

【映画】花様年華(2000)

先日観た『ポリス・ストーリー』でジャッキー・チェン扮する主人公の刑事の恋人役を演じたマギー・チェンが『花様年華』のヒロイン チャン夫人だったことに気づいて驚いた。
『ポリス・ストーリー』ではバイクから落ちて尻もちついたり、デパートで何度も投げられたリ。
さんざん痛い目に遭う彼女を、新人アクション女優と思っていた。
あれから15年。こんなにもしっとりとした女優さんになったのだなぁ。
美しいチャイナドレス姿が忘れられません。

ということで、今日はインスタにあげた記事から『花様年華』の感想を。

『花様年華』(2000)
監督: ウォン・カーウァイ
出演:トニー・レオン/マギー・チャン

長屋式アパートの隣同士に越してきたチェン(トニー・レオン)とチャン(マギー・チャン)。2人は住人たちとの交流を深めるうち親しくなるが、あるとき互いの配偶者が不倫関係にあることに気づいてしまう。



【感想】
互いの配偶者の不倫に気付き心を痛める2人の苦悩が交互に、まるで美しいコラージュのように描かれ、音楽が哀切を醸し出す。
同じ時間を共有することが増え、次第に惹かれ合うようになる2人だったが、進展しそうでしない関係がもどかしい。

どんな時もタイトなチャイナドレスに身を包むチャン。美しい後ろ姿に目が釘付けになる。思えばこの映画の主役はチャイナドレスではなかったか。

チェンに心惹かれながらも一線を画すことにこだわるチャン。
彼女の心を縛り付けるものは夫への愛なのか、世間の目なのか。
タイトなチャイナドレスは身動きの取れないヒロインの思いを象徴しているように思えた。
彼女を待ち続けるチェンもまた切ない。
劇場鑑賞した時には気付けなかった、苦い大人の愛がたまらない一本だった。