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暮らしや営みの中で零れ落ちそうなことを掬い上げたり、心や脳に浮かんだ閃きを忘れないよう書き留めたりする、思考や思想の直売所のようなものです。
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2019年9月の記事一覧

私を評価する神様なんていない

「最近、(仕事とか)どう?」 そう聞かれたとき、私は「最近、前よりもすごく良い文章が書けるようになったんだよね」と答えている。 相手によっては(えっ、そこ?)という反応をいただいてしまう。きっと、何かしらのプロジェクトをローンチしたとか、組織や社会での立場が変わったとか、誰かとコラボレーションしたとか、ビジネスモデルを刷新したとか、そういう話をすべきなのだろう。これまで、ずっとそういう話をしてきた自分がいるのだし。 けれども、そうした社会的評価がたくさんあるからこそ、私

私はそのパレードには参加出来ない、保守派だから

日本での長期滞在を終え、ニューヨークに戻ってきた。 マンハッタン島を埋め尽くすように建てられた高層ビル群を見ていると、これほどのものをつくった人類はあっぱれだわ、なんて気持ちになる。 そのうちの一つである国連本部では折しも気候行動サミット2019が開催中で、話題の中心は欧州から小さなヨットでやってきた少女に集中する。視線を下に落とせば、投げ捨てられた無数のプラスチックカップ。1杯26ドルのカクテルを飲みながらルーフトップバーで騒ぐ若者たちの喧騒と、ホームレスの演説が交錯す

誰かたった一人のためだけに作る

「作品作ってると、みんなが好いてくれるか、ちゃんと売れるのか、叩いてくる人はおらへんか、いろいろ気になるやん。でもそんなん気にしたら、何も進まへん。いい作品も出来へんし、誰にも刺さらへん。 でもたった一人だけ、心の中で師匠を決めて『その人に納得してもらえるモンを作る』ってとこだけ信じて、作るようにしてるよ、俺は」 ──渋谷のおでん屋で、とあるアーティストがそんなことを言っていた。それは私の隣にいた若いアーティストに向けた助言だったのだけれども、おそらく私のほうがずっと、そ