影響力が、欲しいのです。

なんと恥ずかしいタイトルだこと。



最近、インターネットに文章を書きまくっている。仕事でだったり、寄稿するやつだったり、個人のだったり、色々だけど、とにかく書きまくっている。文章を書くことも、広めることも、大好きなので、こんな嬉しい日々はない。(好きなので、更に趣味でこのnoteも書く。)

だが、いつのまにか「バズる人」みたいに認識されちゃって、プレッシャー半端ない。300いいね!を越えても、「今回のブログはバズってないね」って言われて、バズのハードル上がり過ぎだろ! と突っ込んでいる。

この記事
http://liginc.co.jp/web/matome-web/107327

が公開される前夜なんかは、何度も何度も目が覚めてはiPhoneをみて「今どれくらいバズってるだろ……ん?ああまだ記事公開されてないわ!!!!」とうなされるほどには、インターネットに犯されている。寄稿するというのは、緊張するものである。

好きなのにね、インターネットよ。どうか私を追いつめないでおくれ。


ここ最近、立て続けにリリースが続いているので、アドレナリン出過ぎではあるんだけど。2週間もすれば落ち着くので、まぁ今はアドレナリン出しつつ、セルフコントロールがキモである。。。



今日、関西から、SHAKE ART!の現役スタッフの子達が来てくれたので、MUGENUPでバッリバリ働く二代目代表の @ayupys と共に、ごはんした。
大学2回生。デザイナーのまりなってぃと、編集者のななこちゃん。1996年および、1995年生まれである。

暴風雨に吹かれて来た2人。(なぜか傘を持っていなかった)

かわいすぎやろ。。ピュアな未成年とノンアルコール乾杯でしたよ。


SHAKE ART!というのは、私が2009年、大学3回生のときに立ち上げた美大生ネットワークというか、わかりやすく言えば、美大生が中心の学生団体です。(学生団体という単語はあまりピンとこないんだけれども。)作品をつくるんじゃなくって、展覧会の企画したり、プラットフォームづくりに勤しんでいた。

私は、大学時代2年間を、この団体の繁栄に100%、いや、300%くらい投じていたのだ。。。


2009年の春だったかな。FM802/digmeoutのプロデューサー、谷口さんを招いて開催した、京都での講演会&交流会では、関西一円から60人の美大生が集まってくれた。みんなが自分のポートフォリオや作品写真を見せ合い、評価し合い、刺激を与え合う。もうそれはそれは大盛り上がりで、過呼吸になってしまう子が出るほどだったのです。

そこから集まった有志で、5,000部のフリーマガジンをつくったり(途中から10,000部)、百貨店やファッションビルで展覧会や催事の企画をさせてもらったり、トークショーに出させてもらったり、他のメディアから取材をしていただいたり……と、ほんとにめまぐるしく2年間が過ぎていったのだ。

でも、最初は本当ーーーに、アホほど泥臭く広めた。全部の美大に足を運んではビラ配りしたりとか、mixiでスパムかって程に一人ひとりに招待メッセージを送ったり(送りすぎて機能が停止した)、大阪でも京都でも東京でも社会人の異業種交流会なんかに飛び込んでは広告営業したり。
表参道で飛び込み営業をした、おしゃれなギャラリーのディレクターさんからは今でも、「雨の中大量のフリーマガジンを抱えて、大阪からやってきた必死な美大生」と言われ続けている。


立ち上げてから5年以上の歳月がたって、その間に何度も代替わりして、4代目、5代目の子達が今でも「SHAKE ART!」の名で運営を続けている。客観的に、すごいなぁ、と。続く、というのは全てが褒められたことじゃないとは思うんだけど(続けること、が目的になっては本末転倒だと思うから)でも、こうして19歳の美大生と接点が出来るというのは、それはマジで凄いことだ。

ひとつ謝っておきたいのは、初代代表ということからか、彼女らの中で必要以上に神格化されている自分の虚像に、打ち震えている。3日も一緒にいればわかるけど、塩谷、かなり残念キャラなんやで。



で、なんでそんな狂ったように、SHAKE ART!に、夢中になっていたんだろうか。

その答えは1つだなーと。


拡声器になりたかったんだ。




高校の同級生にめちゃくちゃ絵が上手い子がいて、でもその男の子はおとなしかったからか、その才能がしかるべきところまで知れ渡っていなかった。スクールカーストが、彼のすばらしい才能に蓋をしていたのかもしれない。

私もそこそこ絵は得意だったし、スクールカーストにおけるその場しのぎのコミュ力も持っていたので、修学旅行のしおりの表紙のイラストなんかは、いつも私の出番だった。それはそれで嬉しかったけど、でも、もっともっともっとすげえ奴がいるのに、なんでみんな気づかないんだ? とも思ってた。私じゃ到底敵わないような、絵を、描く人が、この学校にいるのに! と。

で、そんなウップンを美術の先生にぶつけてたとき。「学芸員」とか「キュレーター」って仕事の存在を教えてもらって、「クリエイター志望じゃなくても、美大に行っていいんだ」って、知った。作る側じゃなくて、支えたり、広めたりする側で、美大に行ける。あぁ、きっとこれだ。私は、表現を理解して、広めることを生業にしたいんだ!って思ったんだ。(それまで一般私大目指して受験勉強してた、高3の、11月だったな。泣きながら、親に、説得したな。)



その体験が自分のコアにあって、8年くらい経った今。業界はインターネットに寄っているけど、すっごい人や、会社や、作品を、広めたい!!って欲望は枯れることはない。むしろ、年々増していく。本来は飽き症なんだけど、それだけは飽きないんだな。

広めるために、どうすれば速いのか? と悩んで出した答えは、「人間拡声器になること」だった。美大生なのにデザインのひとつも出来なくて、営業マンみたいに動いて、スーツケースにフリーマガジン詰め込んで東西を奔走する大学生は「かわりもの」だったし、よく噂された。そうして噂になると、取材してもらえたり、繋がりがどんどん増える。そうしてSHAKE ART!の認知度が高まるにつれて、ひっそり隠れていた作品も、しっかり届けることができる。うれしかった。

しかも、ネットでもリアルでもうるさいほどに信念を掲げていたので、多くの人が、コアな部分を見てくれていた。コアの部分から応援してくれている人は、力強い仲間となり、信じられないくらいの大きな動きになる。SHAKEの仲間、SHAKEじゃない仲間、ほんとうに仲間の力ってすごかった。

最後のほうは、その動きが大きくなりすぎちゃって、正直キャパオーバーでつぶれそうになったりもしたし、沢山迷惑も掛けてしまったのですが……。


「起業するの?」「SHAKE ART!を、どうしていくの?」「関西のアートシーンと、どう付き合っていくの?」とたくさん期待されたり、心配されたりしながら、結局のところ私は東京で会社員をやっている訳なのですが。でも、会社の掲げる「広める」「伝える」ということばは私の心臓に響いたし、大切な「コア」が重なっていたので、まるで恋のようにCINRAにジョインさせてもらった。


今は法人広報になって、その立場で「広める」というのは、個人でやるのとは当然勝手が違うところも多いので、先輩から学んだり、セミナー通ったり、本を読んだり、ちょこちょこ試してみたりと、超試行錯誤中。でも、インターネットでのPR業というのは、本当に本当に本当に憧れていた場所でもあったから、毎日3回くらいはその仕事をしているという幸福に笑顔が漏れ出てしまう。怖いと思う。まぁ、喜んでるうちは、素人なんだと思う。



19歳のSHAEK ART!5代目たちが、「これからSHAKE ART!でこんなことがしたいんです!」と、目をキラキラして語ってくれた。本当に夢があって、こっちにまでワクワクが伝染してしまった(のでこんなnoteを書いてる)。過去のこと、どんどんぶち破ってほしい。その方が絶対楽しいし。。!

そして、「先輩は、どんな人になりたいんですか?」と聞かれて、

なんか成長してなくて恥ずかしいんだけども、やっぱ、人間拡声器になりたいんだな、って。


心に響く、作品、人、空間、他いろいろ。たとえそこにお金がなくても、良いモノを見つけてしまったら、全力で広めたいってのは、何だろうな。感動した瞬間に「広めるスイッチ」が入って、ドクドクと気持ちが高まってくるのだ。まぁ、その対象が広められることを求めている、というのが大前提にはあるのだけれども。


「広める」のプロになるには、個人としても、法人としても、まだまだ力も能力も足りないんだ。もっともっと、力を付けたい。


とはいえ、瞬間的に目立たせるような炎上マーケティングとか、自分を下品に安売りして目立つようなことは好きじゃないから、そういう手法を取らない方法を見つけていきたい。だって、そこにやって来るのは「ファン」じゃなくて「野次馬」になってしまうじゃない。(私も炎上してるものは必ず目を通すから、自分も立派な野次馬の一員なんだけど)
あと、PVを稼ぐことに躍起になって、中身の質が伴わなくなるのも、こわいなぁって思う。(と言いつつ、PVは毎日ずっとずっとチェックしている)

インターネットは大好きだけど、インターネットだけで終わりたくないんだなぁ。「いいね!」を押して終わり、なコミュニケーションは嫌なんだ。その次の行動を促すためには、そのもっと奥に行く為には、誰かの心を震わせなければいけないのだから、手を抜けるはずなんてないだろう。


あれ、何が言いたいんだっけ。とにかく、5代目SHAKE ART!のおふたりに、色々アツいところを思い出させてもらっちゃったから、火が付いちゃったんです。今日話した2人以外の、まだ見ぬメンバーたちにも、気持ちが届けば嬉しいな。

私よりもずっと若き、SHAKE ART!のみんな。頑張って、利用して、いっぱい背伸びして、笑って泣いて、楽しんで欲しいな、まじで。。! 新刊がもうすぐ出来るそうなので、楽しみにしている。


では、寝ます。明日起きたら恥ずかしくなるやつだろうな。

何かあればこちらに話しかけてください!
https://twitter.com/ciotan



新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。