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日本から欧米に行き、すごく恥ずかしかったこと




アイルランド留学中。学校帰りにスーパーに買い物に行って、バナナとココアパウダー、牛乳、チョコレート……7,8点くらいをカゴに入れてレジに持っていき、お会計。

お会計が済んだら、「はいどうぞ!」と商品をそのまま渡されました。あれ、レジ袋はどこかな……? と思ってあたりを見渡しても、袋詰めするエリアが見当たらず。

とりあえず自分のかばんにパンパンに買ったものを詰め込んで、入りきらなかったバナナを抱えつつ歩く……。帰宅後、語学学校の教科書が牛乳の水滴でベロベロになってしまい、あぁ〜……と思いました。







この話、ヨーロッパ暮らしをしている方からすれば「そんなの当たり前でしょ!情弱かっ!」というくらいの感覚だと思うのですが、日本で過ごしていると当たり前じゃなかった……。ヨーロッパでは、レジ袋は環境保護の観点から規制されていて、本当に少なくなってるんですね。あの人は環境意識が高いから云々……という次元の話ではなく、多くの人がエコバック持ち歩いてます。ないとマジで不便なので……。


ちなみに私が普段住んでるニューヨーク州では2020年3月からレジ袋が規制されるそうで、今はまだレジ袋を使っているスーパーも多いです。こういうやつ。


Whole Foodsなど環境意識の高いスーパーはオリジナルのエコバックを売りつつ、持っていなければ紙の袋が差し出されます。


ちなみにWhole foodsの野菜コーナーなどは上の写真のように、ほぼ裸のまま陳列されているので、買い物をした後のビニール袋やプラスチックパックゴミはかなり少ない!(もちろんゼロではないけど)


海外滞在中、国によってはストローがほぼ紙だったり、使い捨てのスプーンやフォークが木で出来ていたり、生理用品の個包装がなかったり……ということが多くて、最初は「なんか使い心地が悪いな……」「日本の商品ならもっと快適なのに……」と感じてしまったりもしました。


が、全てはプラスチックゴミの軽減などにつながっているもの。アイルランド留学中に、自分が持っているペットボトルを「それ、環境に良くないからねぇ」とやんわり指摘されたりする中で「自分さえ使いやすければ良い」と考えていた自分自身が急に恥ずかしくもなりました……。






一方で、そういった国から来る訪日外国人は、日本のスーパーで買い物する時にどう感じるのでしょうか?

少しショッキングなのですが、「Plastic Obsessed Japan(プラスチックに取り憑かれた日本)」というタイトルで、日本の商品を英語で紹介するInstagramアカウントがあります。

たとえば、こちら。

日本では見慣れた光景……ですが、この投稿について以下のような英語のやり取りがされています。


投稿者「1つのプラスチックトレイと、それを包むラップが、1つのアボカドのために…」


「本当にショックを受けました…!イギリスのスーパーマーケット(最悪のお店)でも、紙のステッカーが貼られてるだけですよ。」

「プラスチックのトレイに、ラップに、ステッカー!最悪のトリプル脅威だ…!」

「あぁ……」

「アボカドは既に皮で可食部が守られているのに。なぜ?!」
(←ごもっとも)

(※一部意訳しています)

気になる方は @PlasticObsessedJapan のアカウントを覗いてみてください。最近は日本語 / 英語での発信をされています。



もちろんInstagramのアカウントは近しい属性、主義主張を持った人が集まりやすいので、コメント欄に書き込んでいる方々が「平均的」という訳ではありません。欧米圏にも気にせずプラスチックを消費しまくる人は多いですし、国や州、エリアによっても意識は様々かと思います。


それに、Uber eatsや、サブスクリプション型で食材などを配達するサービスが増えた今、ゴミは益々増える一方。「アメリカは進んでるぞ!」と手放しに言える状況ではないのですが、ひとまず、良い部分は相互に学び合いたいなぁ、と思います。

またヨーロッパでは、フードデリバリーも紙パッケージが増えている様子。利便性を考えるとプラスチックのほうが使いやすいかもしれませんが、それを乗り越えてでもサービスが発展する環境意識の高さが伺えます。



(追記 6/20)

日本のプラスチックゴミのリサイクル率は84%と世界と比べてもとても高い数字なのですが、とはいえそれは燃やして燃料にしているものが過半数なんだそう。

ゴミの処理方法について個人が出来ることは少し限られてしまうかもしれませんが、「まず買わない」「ペットボトル飲料PRなどの仕事を受けない」など、可能な主張からやってみたいなぁ、と思っているところ。


「弊社はエコフレンドリーな会社だとアピールしたいから、オリジナルマイボトルとロゴ入りエコバックを作って売ろう!」
と、新しいモノを作ってしまうのも少し違うかもしれないなぁと思っていて、既にあるものをどう使うか、そして営利活動をする企業はどう「モノの消費ではなく、精神の消費時代」に対応していくかが鍵になるのでは、と思わされています。

(追記ここまで)







上述した日本の過剰包装は、衛生的にしなくっちゃ、丁寧にしなくちゃ……という、ある種日本の「長所」が裏目に出てしまっているんですよね。

以下の記事では、日本人の掃除や衛生に対する意識を「日本独自の文化」として研究対象にしているヨーロッパのデザイナーユニットが、その美意識について触れるとともに、だからこそプラスチック問題は深刻だとも述べられていました。



もし、海外の友人を喜ばせようと、デパ地下に売っているような丁寧に個包装されたお菓子にのし紙をつけてプレゼントしたら、なんて環境意識が低いの!」と呆れられてしまうかもしれません。(相手によっては)



(前々回のnote「コンプレックス、プレッシャーから解放せよ」で書いたのですが、「他人から見れば恥ずかしいですよ」とプレッシャーを与えるタイプの広告は前時代的だなぁ……と思いつつ、過剰包装に関して言えばネガティブな点が多いと思うので、ある程度のプレッシャーは薬になるのかなぁ……とも思ったりしています。難しいですが……)






で。

「プラスチックゴミを出さないようにしましょうね〜」と言われても、タピオカをタピるには太いストローが必須だし、なかなか現実世界では難しいものです。地方で自給自足をしながら暮らすならまだしも、都会暮らしだと尚更、むずかしい!無理無理無理〜〜〜!


……という「むずかしい!」をサポートしてくれる存在として、ブルックリン在住の起業家・インフルエンサーのLauren Singer(ローレン・シンガー)さんがいます。1991年生まれの28歳。

彼女は"Zero waste" というゴミを出さない暮らしを実践しそれを伝えるブロガーかつ、みんなの"Zero waste"をサポートする「PACKAGE FREE SHOP」のCEOでもります。実店舗はブルックリンのウィリアムズバーグにあります。

上の写真で彼女が手にしている瓶は、彼女が3年間で排出した全てのゴミだそう。しかも彼女はブルックリンのコンドミニアム(タワマン)暮らしで、超都会っ子。「そんなの無理やろ〜〜〜〜〜絶対ウソや〜〜〜」 という疑惑の声に対して、Instagramで数々のハウツーなどを提供しています。それもかなり赤裸々に!


「旅行に持っていくのはこれだけ!」という、洗顔とシャンプー石鹸。


女性の必需品・生理用品も、ナプキンではなく月経カップを。洗って何度も使えますが、洗い方まで伝えています。


水に分解される、リサイクルトイレットペーパー。


そして彼女が強調してるのは「こうするとエコだよ!」ではなく「こうすると節約できるよ!」という点。TEDxトークでも話していますが……



上記は英語ですが(日本語は自動翻訳のみ)、HEAPSでは日本語のインタビュー記事もありました。以下のように語っておられます。

"入れ物を持参すれば、ほとんどのカフェやジュースバーで「ドリンクは50セント〜1ドルほど安くしてくれる」ので、エコかつお得だ。「お客さんには、コスパが良い、というのを強調しています」。というのも、「エシカルだ、豊かな暮らしだ、というだけでは実践しませんから!」。"

「ゴミを出させない店、はじめました」。20代がリード、新しい買い物のススメ(HEAPS) より


ですが、「ゴミのない暮らし」をビジネス化するというのは、その際にどうしても無駄な梱包材や試作品などを生んでしまいそうなもの。

「ゴミを減らす」「ビジネスを成功させる」という両者の間で自己矛盾を抱えてしまうこともあるかと思うのですが、その点に関しては以下のように話しています。

「現代のゴミ問題は、非常に深刻。一刻も早い解決が必要ないま、ビジネスほど影響力のあるものはない」「一人ひとりの購買行為は選挙と同じ。何を選び、何を購入するかは、大きな一票」と話す。

「ゴミを出させない店、はじめました」。20代がリード、新しい買い物のススメ(HEAPS) より



もっとも、自己矛盾をゼロにするには、田舎で完全に自給自足するのが最適かもしれません。

けど、実際に多くの人は都会ぐらし。理想の田舎暮らしを発信しても、多くの都会人はマネできず、結局ゴミの総数は減りにくいんですよね。インフルエンサーの要は「マネ出来るかどうか」です。






こうした個人のエコ活動が普及する中で、「家庭ゴミの影響よりも、企業が出すゴミのほうがよっぽど大きいし、一個人が努力したところで……」という意見もあります。


ただ、「あの企業は環境に優しいから支持する」という消費者が増えるほどに、企業の姿勢も変えざるをえません。現にSNS時代の今は、インフルエンサーや消費者の声は本当に大きく、株価や業績、そして企業の存続を左右するだけの力があります。


別の分野ではありますが、バービー人形体型のモデルばかりを起用し、「トランスジェンダーのモデルは起用しない」……など多様性に欠けた発言をしていた下着ブランド、ヴィクトリアズ・シークレットは、リアーナらセレブたちからの批判、そこから更に広がる消費者たちからの怒涛の批判を受けて、不買運動まで起きています。


世界中の人がスマホを持ち、SNSで情報発信できる状況があり、セレブリティやインフルエンサーが環境問題に対して敏感になっている今。グローバルで支持され、愛されるブランドを育てる上では、環境問題への配慮は本当に重要な視点になっています。







さて。

私も先日、ローレン・シンガーさんのお店「PACKAGE FREE SHOP」に行ってきました。入ってすぐにこのメッセージがドン!

「平均的なアメリカ人は毎日4.5ポンドのゴミを出しています。それは毎年、4500万頭のゾウを埋め立て地に投げ入れているようなものです。」


強いメッセージに一瞬ハッ……となりますが、中にいる店員さんたちはめちゃくちゃ笑顔が素敵で親切。そしてどの商品もおしゃれ!

ずらりと並んだ商品。瓶モノはガラスかステンレスで、プラスチックはほぼ見当たりません。

右:バンブーのストロー。自然素材なので土に還るぞ!

(プラスチックストローの代替案として、紙、茹でる前のパスタ、ネギ……などが注目されています。ネギは少数派かな……)


中央:「ストローのリユースって不潔じゃね?」というツッコミに対応するかのように置かれているストローブラシ


左:タピオカのための極太ストロー! タピオカブームでゴミ問題が深刻になっているのはアメリカも同じ。マイボトル・マイストローがあればゴミを減らせるぞ! …という。


ちなみに、タピオカミルクティーの総本山である台湾では、環境保護の観点から店内でのプラスチックストロー提供が今年7月から禁止されるそう。


ストロー廃止運動の中で「でも、病気で寝ているときには、プラスチックの曲がるストローが必須で……」という声もあります。しかし、このゴムでぐにぐに曲がるストローヘッドは役立つかもしれません(ちょっと重いかもですが…)。


ちなみに、なんでプラスチックストローだけがここまで撲滅運動が盛んなのか? についてはWIREDのこの記事がわかりやすいです。


(ただ、洗って何度も使えるものは当然洗うための水や洗剤を使うので、水の使用量を減らしたり、環境に優しい石けんにしたり……と気をつけたいですね…!)


こちらは絆創膏。肌の色にあわせて白、黒があります。👍🏻👍🏿


また、こうした環境に配慮したお店はどうしても、ふんわり優等生的な感じになりがちですが……

セルフ・プレジャーグッズも取り揃えられてます。「世界で最初の土に分解される……」とのこと。すごい。土に還り給え……




ここからは購読者の方に向けて。時代に求められるインフルエンサー像や、無駄な消費廃棄などを減らすSNSの使い方などを書いていきます。


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日本から欧米に行き、すごく恥ずかしかったこと

塩谷舞(mai shiotani)

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オピニオンメディアmilieu編集長。大阪とニューヨークの二拠点生活中。1988年大阪・千里生まれ。京都市立芸術大学卒業。大学時代にアートマガジンSHAKE ART!を創刊、展覧会のキュレーションやメディア運営を行う。Webディレクター・PRを経て2015年からフリーランス

コメント2件

今日Twitterでゼロウェイストの件で絡ませていただいた者です…!
ゼロウェイストについてでしたら、第一人者ベアジョンソンの著書「ゼロウェイスト・ホーム」や、NHK出版から先日発売されたばかりのシャンタル・プラモンドンジェイ・シンハの訳書「プラスチック・フリー生活」などもおすすめです☺︎ また、徳島県の上勝町でゼロウェイスト・アカデミーを運営されている坂野晶さんも世界的に活躍されていますし、関西出身で年齢も塩谷さんと近いので、お時間が許せばぜひホームページを覗いてみてください…!
http://zwa.jp (ゼロウェイストアカデミーHP)
生活を見直そうと素直に思えた記事でした。(●´ω`●)
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