東電は事故調に「福島第一原発は地震で壊れていた」データを開示していなかった

"「事故を受けて、『国会事故調』『政府事故調』『民間事故調』『東電事故調』と4つもの事故調査委員会が設置され、それぞれ報告書を出しましたが、いずれも『事故原因の究明』として不十分なものでした。メルトダウンのような事故を検証するには、『炉心の状態』を示すデータが不可欠となるのに、4つの事故調は、いずれもこうしたデータにもとづいた検証を行っていないのです。
 ただ、それもそのはず。そもそも東電が調査委員会に、そうしたデータを開示していなかったからです。そこで私は東電にデータの開示を求めました。これを分析して、驚きました。実は『津波』が来る前からすでに、『地震動』により福島第一原発の原子炉は危機的状況に陥っていたことが分かったのです」"

[引用元]「福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」元東電社員“炉心専門家”が決意の実名告発

内容を簡単に抜粋すると以下の通り。

・東電の事故調報告書から炉心水量関連データが抜けていた
過渡現象記録装置は航空機でいうフライトレコーダー
・東電事故調報告書は「安全上重要な機能を有する主要な装備は、地震時及び地震直後において安全機能を保持できる状態にあったものと考えられる」と述べているが、その状態を断言するには過渡現象記録装置のデータが不可欠
・2013年に記者会見を開き、公開質問状の形で東電に不足データの開示を求めたところ、「全てのデータは開示済み」の回答
・その後記者会見の席で廣瀬直己社長が、全てのデータを開示すると口走ってしまった結果、ようやくデータ開示
・BWRでは冷却水の自然循環が非常に重要
・自然循環が止まると炉心内の燃料ペレットの入ったパイプ内に気泡がびっしりつき、冷却不能となり燃料が壊れてしまう(ドライアウト
・過渡現象記録装置データを木村俊雄氏が解析したところ、地震後1分30秒後に炉心内のパイプがドライアウトした可能性が高いことが判明
・事故当時、運転手順書には「自然循環と炉心流量を確認する手順は明記されていなかったため、運転員が自然循環の停止を確認したかどうか不明
・4つの事故調に参加した原発の専門家がこのデータの欠落に気づいたかどうか怪しい
・国会事故調の田中三彦氏は圧力容器の設計専門
・後藤政志氏は格納容器の設計専門家
・小倉志郎氏はプラント全体のメンテナンス
・彼らは炉心内の細かい挙動に関しては素人
・国会事故調では過渡現象記録装置のデータをパソコンの画面上で見たとのこと
・画面のデータは単なる数値の羅列で、長年過渡現象記録装置を使ってきた人でもグラフ化しないと症状を読み取れない
・福島第1原発の炉心屋は9人しかいない狭い世界
・東電は地震以前も燃料落下事故や制御棒の破損事故などを国に報告していなかった
・法令で決められた運転日誌の原子炉熱出力の計算値も改竄していた
・原子力の優位性を示すため発電単価を下げるよう運転期間の延長などが行われていた
・運転延長のため定期点検を短縮することも日常茶飯事だった
・1991年1月には福島第1原発の配管の腐食部分から冷却用海水が漏れ出し、配電管を伝い、タービン建屋の地下膝の高さまで海水がたまり非常用ディーゼル発電機が水没して機能を失ったこともあった(68日間発電停止


……さてここで、福島第一原発の大事故の5年前の国会にて吉井議員の質問に答えた #安倍晋三 首相の答弁を見てみましょう。この結果、何の対策も取られることなく、1Fは東日本大震災を迎えることになりました。

"「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」"
"「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない」"
"「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。」"
"「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」"

[引用元]何度でも言う! 安倍首相こそが福島原発事故の最大の戦犯だ! 第一次政権で津波による冷却機能喪失対策を拒否 (2019年3月11日) - エキサイトニュース

#福島第第一原発 #東京電力 #勝俣恒久 #清水正孝 #経産省 #自民党 #木村俊雄

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