CIVILTALK 03:Far Farm

私たちが子供の頃、音楽が無料で聴けるようになる未来は想像もしていませんでした。さすがにラジオを前にカセットレコーダーを握りしめて、声を潜めて録音なんて昔ではありませんが。テレビやラジオ、友達や近所の年上の人から貸してもらったり聴かせてもらい、CDを買い、いつかライブに行きたいなと想像してみたり。そういう流れの中でしか音楽に触れることができなかったほんの15年くらい前。時代は大きく変化しました。無料で曲を配信したり、購入者がアルバムに値段をつけたり、検索一つでアルゼンチンでもスウェーデンでも触れるのに困難な音楽にアクセスできたり、SoundCloudを聴いた海外のプロモーターから突然オファーがきたり、ちょっと信じられないようなことが普通の出来事としてよく耳にするようになりました。

「身体性」をまとっていた音楽がその他写真や絵と同様に「データ」として、インターネット上を熱心に飛び交う中で、一体今CDを自分たちでリリースするというのはどういったことなんだろうと思うことがよくあります。それをまずはFar Farmのみなさんに聞いてみたいなと思いました。返ってきた答えは「出したいから」というすごくシンプルな答えで、でも「ああそれでいいんだな」と、自分たちもそうだなとなんかすごく納得してしまいました。

ico!さんの変幻自在のスーパーボイスに、山田さんのロジカルで叙情的なセンス、古口さんの調和的で全てをまとめあげるようなプレイ。この素晴らしい3人が作り出した音楽に出会えてよかったなと心のそこから思います。私はその昔ミュージシャンになりたかったので、こういう曲書きたかったなぁと、こういう仲間に出会いたかったなぁ、とお話を聞いていてとても羨ましくなりました。

著作権問題や、CDが売れないというニュースや、色々と今音楽業界はごたごたしているようですが、そんなことはとりあえず横に置いておいて、音楽を志し、音楽と戯れ、音楽に真摯に向き合うこの若者3人の「黄金の雨粒たち」を是非インタビューと合わせて浴びてみてください。きっと音楽が数分前よりも好きになるはずです。

山田:Far Farmのベースと作曲を担当しています、山田と申します。作曲は最終的にはみんなでやっているんですが、その中でも最初の原案をつくる役をやっています。

ico!:ボーカルを担当しています、ico!です。詞は私が全部書いています。よろしくお願いします。

古口:鍵盤、ピアノ類、シンセサイザーをやっています、古口です。お願いします。

僕たちCIVILTOKYOは、伊藤が写真、根子がグラフィックとWEBのデザイン、都竹がWEBエンジニア、という感じでやってます。

古口:3人でなんでもできるじゃないですか。

ひとりひとりだとなにもできないですけどね。

ico!:僕らと一緒だな。

古口:3人寄れば、ってやつですね。

1本の矢は…ってのもありますね。スリーピースが団体としての最小の形態なので、3人でうまくいっていれば新しい人が入ってもうまくいくらしいですよ。

古口:確かに、そうかもしれないですね。

9月4日にアルバム『Golden Rain』を発売されましたね。

古口:前回のEPは打ち込み感があって、エレクトロ要素がすごく多かったんですが、今回のアルバムはエレクトロな前半から、後半になるにつれてバンドサウンドになっていくつくりになっています。最近はライブでもサポートドラムに入ってもらっていて、とても助けてもらっています。

タイトルを『Golden Rain』にした理由を教えていただけますか。

古口:高級感がある感じとか、言葉の響きで決めました。

山田:ico!ちゃんが持ってきたんですよ。

ico!:私は詞を描く時、見たことのない架空の情景を思い描いて書くことが多いんですが、今回のアルバムのレコーディングの終盤で、歌っている時に金色の雨の中で歌っている絵が一瞬見えたんです。「Gold」っていい響きだし、色もいいし、緑とか赤とか青みたいな偏ったイメージがなくて広い意味がある気がして、今回のアルバムにいいんじゃね?と思って2人に提案しました。

金色の雨が見えたのは、なんのきっかけもなく、なんですか。

ico!:そうです。いつもそうなんですが、突然いろいろ浮かびます。

考えてみれば、「Far Farm」っていうバンド名も不思議な感じですよね。単純に日本語訳すると、「遠い農場」となりますが…

古口:ブライアン・イーノが農場などの自然をテーマに作曲を始めたのがアンビエントになった、というのがあって、「Farm」みたいな言葉を入れたいね、という話をしていたんです。

ico!:「Landscape」とか、他にもいろんな案があったよね。

古口:それで、遠くに農場が見えている感じの情景がいいかな、と思って、「Far」をつけました。

山田:言葉の響きもよかったし。

ico!:私以外の2人は東京生まれ東京育ちなので、そういう情景を知らないんですよ。物理的に遠いけど憧れる情景、みたいな感じも込めてます。

僕たちも、2人(根子・都竹)が地方出身で、伊藤だけ東京近郊なので、よくわかります。

ico!:最後のは後付けなんですけどね。

音楽活動は、最初から3人で始めたんですか?

古口:最初は僕と山田の2人で、それぞれ別のバンドだったんですが…

山田:俺から声かけたんだっけ?古口は「Wanna-Gonna」っていうバンドを今でもやっていて、僕の方は今はもう活動していないんですが、「flight egg」っていうバンドをやっていました。古口のバンドとはよく対バンしていて、話していて面白いし、音楽の話も合うし、一緒に面白いことやろうぜ、ってなったんですが…

古口:一緒にデモテープとかをつくっているうちに、女性ボーカルに参加してほしいな、ってなったんですよ。メンバーじゃなくて、featuring的な感じでいいから誰かいないかな、と。そうしたら山田がico!ちゃんを連れて来てくれて。

ico!:私と山田は大学時代からの知り合いで、ライブハウスでよく会っていたんです。私はバンドをやっていなかったんですが、flight eggのライブをよく見ていたので。

お客さんとして、ということですね。

ico!:Twitterでもつながってたんですけど、Twitter上では別の後輩の山田と勘違いしてたんですよ。そうしたら「女性ボーカル探してるんだけど、歌う?」みたいなタメ口のメッセージが来て、はあ?と思ったんですけど、後でこっちの山田だと気付いた(笑)

古口:ico!ちゃんと僕は面識なくて、山田の紹介で吉祥寺の伊勢屋で初めて会うことになりました。

僕たちも昔よく行きました!やっぱり伊勢屋は出会いがありますね。

ico!:それで、じゃあ一回スタジオに入ろうってなって、3人ともまったくのノープランだったんですが…どうやらご好評いただいたみたいで。

古口:最初は素材ぐらいで考えてたんですが…

ico!:結構ガッツリ歌うっていう。歌詞もその場で考えちゃったりして。その時できたのが前のEPに入ってる「Keep In Mind」っていう曲です。

古口:そういう風に、ただただ欲望に身を任せてつくったのが最初のEPですね。

ico!:そして知らない間に私もメンバーになって、ユニットになってた、みたいな。

結成はいつ頃だったんですか。

ico!:結成が2013年の11月で、初ライブが翌年4月ぐらいですね。

結構準備したんですね。

ico!:EPができてからだったので。

山田:僕たち、結構じっくり時間かけてつくるんですよ。

新しいアルバム、13曲入りでボリューム満点ですよね。2年前に結成でもう13曲入りが出るっていうのは逆に早い気がしますよ。

古口:今のインディーズのバンド形態として、EPで3~5曲入りをちょくちょく出すみたいなのがよくあるじゃないですか。でも僕たちは、フル・アルバムとして、流れとかをガッツリ考えたかったんですよね。ライブをたくさんやって評判広げて、みたいなのよりも、作品としてつくりあげていく形態の方が似合ってるんじゃないかな、と思うんですよね。

山田:曲を最初からつくる側としては、どんな形であれアルバムをつくりたいとバンドやってた頃から思ってたんですよ。今は周りの人にも恵まれているし、このタイミングで自分の満足のためにつくっちゃいたいな、というのもありましたね。

つくりたい、っていうのは重要ですね。

古口:結果、めちゃくちゃ濃厚な13曲になりました。自分たち的には満足してますね。

山田:とりあえず1曲でも聴いてもらえればな、と思いますけどね。

みなさんは、以前からFar Farmでやっているような音楽をやっていたんですか。

山田:僕は前はロックバンドをやってました…ロックバンドだったのかな。

古口:ロックバンドでしょ!

ico!:ロックバンドだよ!ベースボーカルだったんですよ。

山田:Wanna-Gonnaはちょっと違うよね。

古口:どっちかというとカントリー的な…まあ、ロックバンド(笑)そっちでも鍵盤弾いてますが、Far Farmでは、Wanna-Gonnaとは全然違う感じでやってます。弾き方もめっちゃ変えてるし。

変わったきっかけなどはありますか。

古口:僕は打ち込みとかはやってなかったですけど、通るじゃないですか。僕の場合、Boards of Canadaとかに引っかかって、こういうのやってみたいな、と思いました…そうだ、僕がTwitterで「James BlakeかThe Postal Serviceみたいなことやりたい」っていう両極端なツイートをしたら、山田がめっちゃ面白がったんですよ。

山田:そんなこと思ってもなかなかツイートしないな、と思って(笑)でもわかる、やりたいと思いました。

前からやっていた音楽と全く別のことをやるということに、不安などはなかったんですか。

古口:やりたい欲望が結構あったので、割とすんなりでしたね。

ico!さんはどのような活動をされてきたんですか。

ico!:私が一番意味不明なんですけど…Far Farmに入るまで、なにかに所属したことはなかったです。ジャズ・ブルース・ボサノバ界隈の、小さなコミュニティでマニアックなことをやってるような場所に出入りしていて、そこにいるギタリストに誘ってもらったりして今でもセッションしたりしています。

古口:ホーメイとかも。

ico!:そう、ホーメイとかホーミーとか、特殊発声をやっていらっしゃる方のワークショップにも行っています。

山川冬樹さんとかですか?

ico!:私が行っているのは現地の方がやっているワークショップですね。あと、「滞空時間」っていうバリ島のガムラン音楽をやっている日本人の集団がいるんですが、その中の徳久ウィリアムさんという方と一緒にやったりとか…私、もともと舞台をやっていたので、その場で生み出されるエクスペリメンタルなものや即興音楽が好きなんですよ。だから、そういう人にアイディアをもらいながら、でもあくまで歌だけでやってますね。

そういった活動があるからこそ、金色の雨を見ることができるのかもしれないですね。

ico!:それはあるかもしれないですね。他にもバンドのサポートコーラスもやっていたんですが、Far Farmみたいなことは以前からやりたいと思っていましたし、実際いい出会いだったのでありがたかったですね。

Far Farmの曲は以前のEPから聴かせていただいていますが、浮遊感のある音楽の中で、シャンソンやブルースのように下から歌い上げるような曲もあれば、8ビートと4ビートが重なり合って、たくさんのメトロノームのテンポが合っていくようにリズムが合っていく、物理的な法則を感じさせる曲もある中で、あれだけ歌い上げられる人がいるというのはすごいと思います。

ico!:すばらしい表現をしていただいちゃった!

山田:今のは書いといてほしいですね。

そもそもなんですが、まず音楽を好きになって、そして音楽をやろうと思うわけじゃないですか。そういった音楽に関する原体験みたいなものってどこにあったんでしょうか。

古口:難しいですね…

初めて自分で買ったCDとかお聞きしてもいいですか。

古口:俺はeastern youthです。「極東最前線」だったかな?中3か高1の時ですね。

結構遅いですね。

古口:家に親父の60~70年代のレコードがたくさんあったので、それまではそれを聴いてましたね。ひょっとしたらちっちゃい頃にだんご3兄弟とか買ってるかもしれないですけど。

家にはどんなレコードがあったんですか。

古口:ビートルズとかボブ・ディランとか、グレイトフル・デッドとかですね。

演奏はいつ頃から始めたんですか。

古口:僕の母親が音大の声楽科出身で、ピアノの先生をやっていたんです。それで小学校くらいまでピアノをやっていました。その後野球をやったりして一旦離れたんですが、中学校くらいで友達がバンドやるから、ってことでピアノで参加して、っていうのが自分でやり始めたきっかけですかね。山田は?

山田:僕が一番最初に買ったのはGreen Dayのベストです。

ico!:いいじゃん!

山田:あんま聴かなかったですけど(笑)

その頃は他にどんな音楽を聴いていましたか。

山田:親に奥田民生を勧められて聴いてましたね。

古口:最高じゃん!

山田:母親がビートルズのおっかけで、昔からそういう音楽が好きだったんですよ。山達とか。あとはミスチルとかスピッツが流行ってたんで、そういうのも聴いてました。

古口:そこからどうやってエレクトロニカの方向に行ったの?Boards of Canadaとかアンビエントとか。

山田:結局90年代の音楽って、コード進行があって、っていうものですけど、コード進行があるとアンビエントに行きやすいというか…説明できないよ!自分としてはつながってるんですけど…

一番最初は奥田民生やミスチルを聴いて、バンドやりたいな、と思った感じですか?

山田:それはそうですね。初めてバンドを組んだのは高1の時に友達とです。

どんな曲をやりましたか。

山田:アジカンとかELLEGARDENですね。

ico!:Red Hotかな?

山田:Red Hotはやってない(笑)ico!ちゃんは?

ico!:私は、普通にJ-POPが好きな子供でした。母親が中西圭三とか久保田利伸みたいなR&B系や、ドリカムと米米クラブが好きで、車の中でカセットテープを流してたので、ちっちゃい頃からそういうのが好きだったんですよ。そういうのを、言葉もわからないけど空耳で歌ってたのが幼稚園くらいですね。最初に買ったのもドリカムのアルバムだったと思います。教育テレビのみんなで歌おうみたいなのは大っ嫌いでした。

ませてますねー。

ico!:音楽は歌うのが最初から好きだったので、自然と節回しとかハイトーンとかに耳に慣れてて、そういうのがかっこいいと思ってたんですよね。ホイットニー・ヒューストンとかマライア・キャリーとかも車で流れたので好きでしたね。

…突然で申し訳ないんですけど、ico!さんって巫女っぽいですよね。

ico!:…なんでわかったんですか?

古口:シャーマン?

ico!:ビックリしたー。巫女っていうワードが出るとは。私、スピリチュアル界隈に強いんです。なんでわかったんですか?見た目?

話を聞いていて、巫女っぽいな、と思って。

ico!:やばい!うれしいー!

古口:霊感?霊感あるの?

山田:なんなの?今日一のテンション(笑)

ico!:自分に巫女性があるっていう自覚が幼い頃からあって、そういう研究をしてるんです。うれしいです。ありがとうございます。興奮しちゃった。

話を戻しますね。CDを聴く時、1曲を繰り返し聴く人とか、アルバム単位で聴く人など、いろいろな聴き方があると思いますが、みなさんはどうですか。

山田:僕はどっちもありますね。

ico!:私もどっちもあるかな。

古口:僕はだいたいアルバムの後半3曲が好きです。というのも、長いアルバムを通学中とかに聴いてると、途中で駅に着いちゃったりするじゃないですか。それで、帰りはこの曲から聴こうと思ってセットしておいて、その帰り道の後半3曲がだいたい、いいんですよ。行きの時に聴いていた思い出を残したまま帰り道に、っていう感じで。

山田:アルバムのよさってむちゃくちゃありますよね。

ico!:私は4曲目が好きなことが多いですね。同じ曲を繰り返し聴くことが多いかもしれないです。家にいる時とかは、突然、あれ聴きたい!ってなって、その曲を聴くじゃないですか。それを聴いてる時に、今度はあれを聴きたい!って連想ゲームみたいにやることが多いです。

移動中などはどんな聴き方をしますか。

ico!:そういう時はアルバムをフルで聴くこともありますね。あと、そもそもプログレとか、長い曲が好きなんですよ。20~30分くらいあるのをすごい集中しながら聴いてるうちに、着いた!みたいな。

 最近だとSoundCloudとかApple Musicとか、アーティストをフォローすると似たような曲が流れてきたり、1曲ずつかいつまんで出されたりというようなサブスクリプションサービスが多くありますよね。もちろん曲を聴いてもらえる機会は増えていると思いますし、それに対してアルバムを出したり、形にするという意義もあると思うんですが、そういった現在の状況をどう思いますか。

古口:今、『Golden Rain』をBandcampやiTunesで出すかどうか迷っています。曲単位で買えるようにするのかどうかというところで。アルバムをフィジカルで出すというのは、やっぱり通して聴いてほしい、というのがありますね。今回のアルバムはアートワークもこだわってつくりました。

ico!:シンプルなんですが、私の好きなアーティストは銀盤のディスクが多いので、CDは銀盤になっています。

古口:エレクトロの人って、フィジカルでつくるというよりは、ネットでアップしてって感じが多いと思いますけど、フィジカルで出す意義はあると思います。

山田:個人的には、好きなアーティストでどうだったか考えると、曲単体よりも、あのアルバムよかったなっていう方が思い入れが強いんですよね。自分がバンドやってたっていうのも大きい気がしますけど…

古口:歌ものの強い曲の間にインストの爽やかな曲が入ってたりするのも結構いいじゃないですか。その曲単体でSoundCloudに出してもあまりよくないんだけど、っていう。『Golden Rain』も、アルバムで聴く時のことを考えてつくりました。曲順を考えている時が一番楽しいですね。

ico!:自分としては、今はのびのび歌えてるんですが、エレクトロにこれだけガッツリ歌が入っているのは今まで聴いたことがなかったので、最初はいいのかなっていう気持ちが強かったんですよ。正解とかは別にないんですけど、今回のアルバムをつくっているうちに、これでいいんだなっていう1個の答えのようなものが知っていけたんです。歌がない曲もいいし、曲の絡み合い方で互いを引き立てあってる瞬間がかなりあるので、やっぱりアルバムは全部で聴いてほしいと思いますね。SoundCloudにも何曲かアップしていますけど、推し曲というわけではなく、あくまできっかけとして、いいなと思ってもらえたらうれしいです。

アルバムを出されたばかりですが、次のリリースの構想や今後の展望などはありますか。

古口:コラボをいろいろやりたいと思っています。プロモーションビデオもつくりたいし。出会いがないとなかなか難しいところなんですが。

ico!:私は、今はホッとした感が強くて、まだ考えられていないですね。のんびり屋さんなので。

山田:マイペースだよね。

ico!:よく言うとマイペース。悪く言うとただの怠け者なんですが…今は『Golden Rain』をたくさんの人に聴いてほしいので、これを拡散するようなことをやっていきたいと思っていますね。

古口:ico!さん自身の展望は?

古口さん、急かしますね(笑)

古口:聞きたいので。

ico!:私、あまりビッグになりたいとかそういう考えがないので…

山田:あんまり卑しい考えがないもんね。

古口:僕はエクスペリメンタルなこともやってみたいかな、という気持ちもありますけどね。

ico!:お、やります?倍音響かせちゃいます?

古口:とりあえずひとつまとまってアルバムができたので、実験的なものもやったりして、次に向けてもっと視野を広げていきたいと思って。

ico!:今回のアルバムは13曲の寄せ集めではなく、もっとたくさんつくっていて、その中から選んでいるんですよ。だからやってない曲がまだたくさんあるんです。その子たちをどうしていくかというのもありますけど、やりながら自ずと見えてきたりするのかなと…展望はあんまないな…

古口:山田氏は?

山田:3人っていう閉じた中で集中してアルバムづくりをしてきたので、そうじゃなくて他の人と関わったらこの作品がどうなるかな、というのはありますね。今日もいい機会をもらったと思いますし、もっといろいろな人との関わりができるはずの作品だと思います。

古口:視野を広げてね。

山田:まあ、一言で言うとライブやりたいな、ということなんですけどね(笑)

ico!:いろんな分野と関わりたいというのはありますね。個人的には、音楽以外への興味も強いんです。写真も絵も映像も、舞台やダンスも。だから、意外といろんな人と絡める可能性はあるのかな、と思ってます。それは個人的に思う自分の強みかな。だからどんどん使ってほしいです。

古口:そうだね。アルバムもできたし、外、外で。

ico!:そう、あんまり急いで次、次って感じじゃなくね。

山田:僕たち、結構ペースがあるんですよね。それは作品とかにもプラスになってる気はしますけどね。

ico!:たまに自分たちのお尻を叩きまくって、ヤバイヤバイって言いながらやってるんですけどね。

古口:締め切りがないと動けないからね。

山田:そういえばですけど、9月4日に新宿MARZでアルバムのリリースパーティーをやりまして、すごく楽しかったんですよ。ブッキングとか、古口と俺が結構動いたんですけど、最終的には海外でも活躍している人も呼べたんです。それで日本で…

ico!:そうだ、それ一番最初に言わなきゃいけなかったね。Far Farmを結成した時に、「フィールドは世界だ」みたいなのがあって。

山田:僕たちの作品、すごく真面目に英語で歌ってるんですよ。「英語ダヨー」って感じじゃなくて。

ico!:私はあくまで日本人として英語で歌ってるという自覚はあるんですけど、海外の人に聴いてもらう前提でっていうのは常に考えてます。

山田:日本語で歌うみたいなテンションで英語で歌うよね。そういうわけで、リリースパーティーでのブッキングもそうですけど、僕たちが注目してるのは、日本じゃなくてもいいよ、日本にこだわらないよと思っている人たちなんです。

ico!:海外で呼ばれるようになりたいですね。

相当な野望があるじゃないですか。

ico!:本当だね(笑)

古口:別にガッツリ海外、というわけではなくて、日本人にも海外の人にも聴いてほしいんですよ。英語がわかんなくても、いいよねって思われるような作品をつくりたいです。

山田:知り合いのバンドに外国人の人が参加してたり、レコーディングを海外の人とやってたり、そういうのが増えてきてるんですよね。

ちょっと前のBloc Partyとか、白人や黒人にアジア系も混じってたりしてましたもんね。日本でもそうなんですね。ブラジル人ドラマーとかいいかもしれないですね。

古口:外国人のダンサーを雇います。

山田:これ載ったらどうすんの(笑)

ico!:雇えない雇えない!

いろんなものとの関わり方やその可能性を楽しみにしているんですね。

ico!:音楽シーンみたいなものを意識していないので。

古口:というか、シーンに属せない感じがあるので。やってることもエレクトロだけどクラブでもないし…

ico!:光の三原色の図みたいな感じで、どこかにどっぷりというよりかは、いろんなことをやりたいっていうことですね。やっているうちに自然とひとつのムーブメントというか、色が出てもいいと思いますけど。

古口:いろんなものと関わって、見えるものがあればいいな、と思いますね。

対バンとかも特にジャンルなど気にしない感じですか。

古口:そうですね。シャウトする感じとか、爆音とかでなければ。アコースティックも1回やりましたし。

アコースティック、めちゃくちゃ良さそうですね。

ico!:私たちの曲ってそういうのでもいけちゃうので。やってて楽しかったですね。こういうのもいけんだって感じで。

古口:本当に制限はないですね。爆音でなければね。

ico!:そういうのも好きなんだけどね。

そういう人とも一緒にやるようになればとても素敵ですね。サマソニでGreen Dayの前にFar Farmが出てくるとか。

山田:やりたい!

ico!:Green Dayの前にやろう!

インタビュー収録日:2015年10月3日

Far Farm
東京都内を中心に活動する3人組のエレクトロ・ユニット。ico!(vo)、山田(ba)、古口(key)から成る。2013年11月に結成され、これまでに5曲入りの『Far Farm EP』をBandcampで、また2015年9月には初のフル・アルバム『Golden Rain』をCDで発表。Electronica、Soul、Ambient など様々な要素を取り入れ、独自のアプローチで新たな音を打ち出す。

http://farfarm.jp/
https://soundcloud.com/far-farm

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